葬送のフリーレン(第142話)レーヴェとリヴァーレについて考える二人
菅野:次の『週刊少年サンデー』に掲載の第143話では、またシュタルクとフェルンのダンスが見られそうだねぇ。楽しみだ―
氷室:だな。シュタルクと言えば、もう一つ気になっていることがある。
菅野:なにさ?
氷室:シュタルクと影なる戦士の指揮官・レーヴェが会った時の二人の反応だよ。
菅野:どうして?
氷室:レーヴェ=リヴァーレ説ってのがあったろ。もし、レーヴェの正体が大魔族の血塗られた軍神リヴァーレなら、物語的直感が働いて何らかの反応があってもよさそうなもんだ。(第3巻26話「戦士への贈り物」参照)

菅野:それはそうだけど…。魔族が人間に成り済ましているとか、生まれ変わっているってのはずいぶん大胆な考察だよね。まあ、魔族が転生するんじゃないかって考察もあるけど…
氷室:私も半信半疑だよ。例によってこれも作者のミスリードかもしれない。一応根拠を見ておこうか。

口調が似ている(文末の「~よ。」)
風貌が似ている
右目のケガ(リヴァーレはアイゼン戦で右目を負傷。レーヴェはミーヌス殺害時に右目を負傷)
菅野:これだけじゃあ、ちょっとね…
氷室:それともう一つ、レーヴェは自分のことをこう言っているんだ。(第13巻第127話「回収任務」)

菅野:「大戦士の亡霊」…!?
氷室:ってことはレーヴェの過去は「誇りも名誉も」ある高名な「大戦士」だったわけだよな。まず「大戦士」って言葉はここが初出だと思う。それに、なぜ「大戦士」としての過去を捨てたんだろう?貴族になったからといって捨てる必要はないと思うけど。そして、この「大戦士」としての実績はどこから来るんだ? レーヴェは人間で、生まれたのは魔王討伐後だぞ。

菅野:確かによくわからないね…。それに、「かつての大戦士が誇りも名誉もかなぐり捨てて」っていうこのレーヴェの自意識は、リヴァーレの生まれ変わりだとするとしっくりくるかも。大魔族の最強の戦士→大戦士だからねえ。

氷室:ちなみに、ミーヌスが殺害されたのは20年前だから、ちょうどシュタルク(とフェルン)が生まれた年だ。シュタルクがまだ小さい時にシュタルクの故郷の村はリヴァーレに襲われていから、ミーヌス殺害時にはリヴァーレは生きている。
菅野:じゃあ、リヴァーレは今もまだ生きているでしょ。それに、シュタルクにとってリヴァーレは故郷の村を滅ぼした一族の仇なんだから(第4巻32話「オルデン家」)、どこかでシュタルク対リヴァーレの戦いがあるはずだよね。リヴァーレがシュタルクと無関係なところで死ぬはずがないよ。

氷室:うん。リヴァーレ(独: Rivale)はシュタルクのライバル(英: rival)だし、シュタルクにとってはラスボス級の敵だろう。「魔族最強の戦士」なんだから。
菅野:やっぱりリヴァーレとレーヴェは無関係なんじゃない?
氷室:正直言ってわからない。《葬送のフリーレン》はタイムリープもので、時間を使った仕掛けが使われている。だから、屁理屈かもしれないけれども、リヴァーレが死んだ後の未来から転生してきたという理屈だって立てられるからな。レーヴェは自分のことを「大戦士の亡霊」って言っているし。
菅野:でも、「不可逆性の原理」があるでしょ。魔族が時間を遡ることはできないんじゃない?(第12巻116話「帰還の魔法」)

氷室:確かにそうだな。この点に関しては、フランメの手記にあった「魂の研究」や、魂の眠る地があるとされるエンデの地に魔王城があること(第1巻7話「魂の眠る地」)、終極の聖女トートの「呪い」(第12巻117話「奇跡の幻影」)も気になる。だけど、話を広げ過ぎかな。

菅野:まあ、とにかく次の『サンデー』が楽しみだね。
※《葬送のフリーレン》の感想や読解・考察はこちらにまとめています。「魔王は生きている」、「最終話から第一話へ」などいろいろありますので、読んでいただけると嬉しいです。

