シュタルク対リヴァーレ戦の台詞を想像する【葬送のフリーレン】
『葬送のフリーレン』と回想シーン
「魔王討伐後の後日譚」としてストーリーテリングが進む『葬送のフリーレン』では回想シーン(フラッシュバック)が重要な要素となっており、この演出技法なしではこの作品は成り立ちません。
この作中における演出技法としての回想シーンとは別に、フラッシュバックのように読者に物語の過去を思い出させる仕掛けとして、台詞や場面の相似形があります。
『葬送のフリーレン』に現れる台詞や場面の相似形
『葬送のフリーレン』では、台詞や場面にたくさんの相似形が見られます。よくあるのは、ほぼ同じ内容の台詞を異なる人物が発するというケースです。
例えば、この二つの出会いの場面です。気付いた時は鳥肌が立ちました。


何せフリーレンとヒンメルという主人公カップルの出会いの場面が、ソリテールとマハトという重要な大魔族の出会いの場面でそっくり再現されているわけです。(ソリテールは右を、フリーレンは左を向いていて二人は鏡像のようです)
これが何を意味するのか(それともミスリードのための仕掛けなのか)考えないわけにはいきません。(第88話にはフランメがゼーリエに言ったのとそっくりな台詞をソリテールがマハトに言うシーンもあります)
こういった相似形が二人の間に何らかの関係(師弟関係など)がある場合に現れると、たちまち感情を揺さぶる表現になります。台詞をトリガーにして自動的に、私たちの頭の中で過去に見たシーンの回想が始まるからです。
台詞の再登場をストーリー予想(二次創作)に利用する
そうすると、この仕組みを使ってストーリー展開を予想できるのでは?という発想が生まれます。
なぜなら、作者としても、台詞を後の場面でまた使うことを想定して文言を練り込んでいるはずだからです。
想像ですが、二次創作でフリーレンの小説を書いている人たちもこうやって「らしさ」を出しているのではないでしょうか。
そこで、シュタルク対リヴァーレ戦で登場しそうな台詞を拾ってみます。際限がないので、シュタルクの関係者に限ります。
シュタルク対リヴァーレ戦で使われそうな台詞
最初に具体例を挙げておきます。
アイゼンの「最後まで立っていた奴が勝つ」(第20話)

リーニエ戦での回想シーンに現れるアイゼンのかっこいい台詞です。
これは既にレヴォルテ戦(第74話)で登場している台詞です。(ですのでリヴァーレ戦で登場する可能性は低いと思います)
レヴォルテ戦ではこんな感じで、台詞が少し形を変えて再登場しました。

これは、リーニエ戦ではシュタルクが師匠の言葉として思い出したものが、後のレヴォルテ戦ではしっかり自分の言葉になっていて、シュタルクの成長を感じられるという一コマです。読者はシュタルクと共にアイゼンのことを思い出し、二人の師弟愛に思いを馳せて心を揺さぶられるという仕掛けになっています。
このコマではリーニエの台詞もゲナウの台詞として再登場しています。それについてはこちらの記事で触れています。
こういった感じでリヴァーレ戦で登場しそうな台詞を探してみます。
アイゼンの「俺の死に場所は戦場じゃない」(第118話)

アイゼン対リヴァーレ戦におけるアイゼンの台詞で一番かっこいいのが「俺の死に場所は戦場じゃない」だと私は感じます。
だから、もしシュタルクがこのアイゼンの台詞と相似した台詞をリヴァーレ戦で言うとしたら、私はかなりゾクゾクします。
リーニエの「こんな偶然あるんだね。運命は面白い」(第20話)

この台詞は、すぐに退場する序盤のキャラであるリーニエにしては芝居がかっていてかっこ良すぎる台詞だと感じます。「運命は面白い」というのも、若いリーニエの台詞としては今一つピンときません。後に使うことを想定して吟味された台詞ではないでしょうか。
リヴァーレがシュタルクの師匠または故郷(リヴァーレに滅ぼされている)を知った時に、リーニエの「こんな偶然あるんだね。運命は面白い」と相似する台詞を言うだろうことが容易に想像できます。
シュタルクとしては「もしかして、こいつはあの時の…」と震撼するでしょう。
リヴァーレ戦の端緒でお互いが名乗りを上げる時、あるいは、シュタルクの斧さばきをリヴァーレが見て直ぐに使われそうです。
リュグナーの「数奇なものだな。可哀想に。碌な死に方はしない」(第20話)

リーニエの「運命は面白い」の方がシュタルクも耳にしていますし良いと思いますが、次点で。
ただ、シュタルク対リヴァーレ戦を別の指揮官的立場の大魔族が論評するという場面があるとするなら、この台詞もありでしょう。
フェルンの「私達が逃がしません」(第26話)

シュタルクの誕生日プレゼント(馬鹿みたいにでかいハンバーグ)のエピソードで登場する台詞です。
地味ではあるのですが、私の印象に深く残っている台詞です。
これはフェルンの「予言」になると思います。
シュタルクが自分は兄を見捨てて逃げてしまった臆病な人間だという話をした場面で使われた台詞なのでリヴァーレ戦の可能性が高いです。
ただ、これは台詞としては使われないと思います。
なぜなら、これが字句どおりに実現すると(シュタルクが逃げようとしたところをフェルンとフリーレンが引き止める)、シュタルクにとってはかなり情けない場面になってしまうためです。
シュタルクが恐怖を覚えて諦めそうになった時に、フェルンとフリーレンの存在を思い出して勇気を奮い起こす、といった形で予言が成就されるのではないかと想像します。
おわりに
思い付くセリフを挙げてみました。印象の強い台詞ばかりなので、精読すれば「これも使えそう」というものが見つかるのではないかと思います。何かありましたらコメントで教えてください。
『葬送のフリーレン』のご紹介
※『葬送のフリーレン』をまだ読んだことのない方へ
※『葬送のフリーレン』を一級魔法使い試験編まで読んだ方へ(アニメ第1期視聴済みの方)
※『葬送のフリーレン』を女神の石碑編まで読んだ方へ
ネタバレあり考察記事
※『葬送のフリーレン』に関する記事をまとめています。ネタバレありです。
※最終話から第1話へ
