葬送のフリーレン最後の戦い(最終話から第1話へ)結末予想
ヒンメルたち勇者一行と魔王の戦いについて、可能な限り根拠を示しつつ、精一杯の想像をしてみます。
魔王戦に関する情報
ヒンメルたち勇者一行と魔王との戦いについて直接的な描写はありません。
マンガでは魔王(?)と思しき人物が描かれたコマが一つだけありますが、ここから得られるものはほとんどなさそうです。(第22話)

ただ、間接的な情報が二つあります。ハイターがザインに語った言葉(第31話)とアイゼンがフェルンに語った言葉(第8話)です。
「魔王を必ず倒す」とフリーレンが言った

ハイターがザインに語った仲間を信じることの大切さを伝えるエピソードに出てくる言葉です。(第31話)
フリーレンがどのような状況で「魔王を必ず倒す」と言ったのかはわかりません。
この台詞からは強い決意が滲んでいて、これまでに私たちが見てきたフリーレンの態度からはちょっと想像しにくい台詞です。これがヒンメルならいかにも「らしい」のですが、フリーレンだと「らしくない」です。
また、ハイターがヒンメルではなくフリーレンのことを信じるというのも「らしくない」ところです。ハイターは「心のどこかで魔王を倒すことなんて無理だ」と考えていますが、それでも魔王討伐の旅を続けているのはヒンメルを信じているからです。(第112話)

そのハイターがここでヒンメルではなくフリーレンを信じることにしたと言っているということは、何かがあったはずです。
しかも、フリーレンとハイターの二人の「らしくない」が重なっています。かなり重大な事態が生じていると言えるでしょう。
ハイターは「彼女の言葉を信じることにしました」と語っていますが、後述するアイゼンの「いろいろあった」と合わせて考えると、「信じるより他に途がなかったから信じることにした」という方が正確ではないでしょうか。魔王戦でかなり苦戦して、万策尽きてフリーレンに全てを託したというような場面を想像します。
「あの場所ではいろいろあった」

これはアイゼンがフェルンに語った言葉です。(第8話)
「いろいろ」が魔王戦について語ったものなのか、それとも魔王戦の前または後にエンデであった出来事について語ったものなのか定かではありません。(最後の補足で触れますが、実はこの3つ全てです)
この時のアイゼンの態度(この後アイゼンは沈黙してしまい、フェルンは気まずくなっています)からはっきりしているのは、これが「くだらなかったって笑い飛ばせるような楽しい」(第11話)出来事ではなかったということです。
フェルンは勇者一行の英雄譚を本で読んで知っています。加えて、一般に知られている英雄譚よりもずっと詳しい話をハイターから思い出話としてたくさん聞いているはずです。そして、フェルンはフリーレンの一番弟子であり、ハイターの娘と言って良いほどの存在です。
ということは、フェルンは勇者一行にとって一番近しく、一番信頼できる人物になります。
そのフェルンにも話すことができない内容となると、この出来事は勇者一行4人の他には口外できない秘密と見て良いでしょう。
しかも、アイゼンがこの話をしている時、フリーレンは昼寝をしています。このことから、フリーレンにさえも秘密にしている、知っているのはヒンメル、ハイター、アイゼンの三人のみの出来事なのではないか?という疑念が生じます。
そして、この三人の秘密といえばキーノ峠におけるフリーレンのタイムリープです。この時(第8話時点)のフリーレンはまだ自身のタイムリープについて知りません。フリーレンがタイムリープについて知るのは二回目のキーノ峠到達以降だからです。(女神の石碑編)
魔王戦のポイント二つ
ハイターとアイゼンの言葉をまとめると次の2点になります。
魔王にかなり苦戦した
魔王はいわば「ラスボス」ですから、当たり前ですがヒンメルたちはかなり苦戦しています。そもそも、当時のヒンメルたちは腐敗の賢老・クヴァールにも勝てなかったのですから魔王に苦戦するのは当然で、むしろ勝てたのが不思議なくらいです。
フリーレンのタイムリープが魔王攻略の切り札だった
主人公ですから当たり前ですが、フリーレンが魔王攻略の切り札です。
そして、ここが重要ですが、これにはヒンメル、ハイター、アイゼンの三人だけの秘密、つまりフリーレンのタイムリープが関わっています。
これは女神の石碑を前にしたソリテールの言葉から裏付けることができます。(第116話)

クヴァール討伐との相似
ここで思い出すのは腐敗の賢老クヴァール討伐の経緯です。(第5話)
クヴァールに勝てなかったヒンメルたちは、一旦、クヴァールを封印して、フリーレンにクヴァール討伐を託します。
そして、フリーレンは80年後に封印を解いて、フェルンと共に現代魔法(クヴァールにとっては未来魔法)であるゾルトラーク、防御魔法、飛行魔法を駆使してクヴァールを倒しました。

改めて見てみると、クヴァール戦は現代魔法の揃い踏みです。しかも、フリーレンには優秀な弟子がついています。(それでもフェルンは最後は息切れして膝を突いていましたから、80年間封印されていたことを考えればクヴァールの実力は相当なものです。)
これは見方を変えれば、クヴァールをタイムカプセルに封じ込めて未来のフリーレンの元へ送り出すことによって討伐しているわけです。
余談ですが、マハトによる万物を黄金に変える魔法にもタイムカプセルと似た効果があり、絶体絶命の状況に陥ったデンケンは黄金化を逆手にとって問題解決を未来に託そうとします。(第97話)

勇者ヒンメル最後の戦い(最終話から第1話へ)
ここまで見てくると、魔王を倒せなかったヒンメルたちが、クヴァール討伐と似たような作戦を魔王戦でも考えたのではないか?という気がしてきます。
ただ、クヴァールと同じで魔王を封印して未来に送り出し、フリーレン、フェルン、シュタルク、ザインのパーティで倒すのではストーリーとして芸がありません。
しかも、それでは勇者ヒンメルが魔王を倒せなかった偽物の勇者になってしまいます。勇者ヒンメルには魔王を討伐して平和を取り戻してもらわなくてはなりません。(第1話)
そこで、ヒンメル、ハイター、アイゼンの三人の秘密であるタイムリープです。
魔王を未来に送り出すのではなく、フリーレンを過去にタイムリープさせて、勇者一行として魔王と戦い、魔王を討伐します。そうすれば最終話が第1話へと繋がります。(これにより『葬送のフリーレン』は看板に偽りなしの「魔王討伐後の後日譚」となるわけです)
フリーレンが過去にタイムリープして魔王と戦っている間、フェルンたちは現在でそれぞれのラスボスと戦います。
そして、魔王を倒したヒンメルたちは王都に帰還します(第1話へ)。フリーレンは未来に戻り、フェルンたちと共に魂の眠る地を訪れます(最終話)。
※いやいや魔王は既に死んでいる。そう思われるかもしれません。しかし、魔王が生きていると思われる節があるのです。次の補足を参照してください。
【補足】魔王は生きている
ゼーリエは、フリーレンの魔力制限を魔王がたった一目で見破ったことでさえ知っています。魔王の生死について知らないはずがありません。
そのゼーリエが、一級魔法使い試験のフリーレンの面接時に「お前のような魔法使いが魔王を倒したとは到底信じられん」と言ってフリーレンの反応を見ました。(第57話)

しかし、「魔王は勇者一行により討伐された」ことは周知の事実であるはずです。信じるも信じないもありません。(※読者の前提)
では、ゼーリエは、なぜ、こんな疑問の余地のない当たり前のことを言ってフリーレンの反応を見たのでしょうか??
読者にはゼーリエの言動が理解できません。
ということは、「魔王は勇者一行により討伐された」という読者の前提(※)が間違っています。ゼーリエは読者の知らないことを知っているからです。
つまり、魔王は生きています。
ゼーリエは「魔王が生きていることをフリーレンは知っているのか?」を確かめるために探りを入れたのです。
【補足】魔王が生きていることをフリーレンは知らない(ヒンメルたち三人の真の秘密)
ゼーリエの「お前のような魔法使いが魔王を倒したとは到底信じられん」に対するフリーレンの反応は「私一人の力じゃないよ」というものでした。

もし、魔王が生きていることをフリーレンが知っているなら、ゼーリエには隠し事をできないと悟って、別の反応を示したはずです。(また、ヒンメルたちとの魔王に関する会話があまりにも不自然です)
フリーレンの「私一人の力じゃない」はまともな応答になっていません。考えてみれば、そんなことは勇者ヒンメルの英雄譚で誰もが知っていることですから、ゼーリエの発言の真意がそこ(一人でなのか仲間のおかげか)にないことは明らかだからです。つまり、フリーレンはゼーリエの発言の真意を汲み取れなかったわけです。
ということは、フリーレンは魔王が生きていることを知らず、倒したと思っています。
なぜこのようなことが起こっているかというと、80年前のキーノ峠でフリーレンに生じた記憶の欠落と同じことが(第107話)、魔王戦の前後で生じているためです。

魔王戦の前後でフリーレンのタイムリープがあり、魔王との戦いが終わった後、フリーレンはヒンメルたちから「魔王は倒した」と伝えられているということになります。
これこそが、ヒンメルたち三人の真の秘密で、ヒンメルたちは魔王を倒したと偽って王都に凱旋しています。(第1話)
※帝国編でのフリーレンは、全体像の見えない大きな計画の中で自分が駒として動いている不安を感じています。キーノ峠でタイムリープを経験したフリーレンは、ヒンメルたちの計画の真相に徐々に近づいてきています。
おわりに
以上が、今の時点で私が想像する最終話の一つのかたちです。別にこれが「正しい」とも「良い」とも「好ましい」とも思いません。現在わかっている事を繋いで想像するとこうなりましたというだけです。
そもそも、ここでは魔族(魔王)側の動きやゼーリエ、フランメがどう関わって来るのかを全く考慮していないので、ストーリーがこのとおりに進むはずがありません。
それでも、それなりにおもしろい叩き台になったのではないかと思います。叩いて壊してもらえれば本望です。(コメント大歓迎です)
私としては魔族側にも救いのある終わり方をしてほしいなぁと思っています。
※『葬送のフリーレン』の結末予想としてはこんな記事も書いています。
※『葬送のフリーレン』をまだ読んだことのない方へ
※『葬送のフリーレン』を女神の石碑編まで読んだ方へ
※『葬送のフリーレン』に関する記事をまとめています。ネタバレありです
