《葬送のフリーレン》ヴァイゼに何があるのか?(賢者エーヴィヒの三つの魔導具)
帝国編のネタバレと先の展開に関する考察・予想が含まれます。
《葬送のフリーレン》に関する記事は下記のマガジンにまとめています。
はじめに
黄金郷編で登場した城塞都市ヴァイゼは「帝国編」でも重要な役割を果たしています。
それについての考察です。
ヴァイゼには「何か」が眠っている
レルネンたち一級魔法使いは、かつて、ヴァイゼを大結界で封印しました。(第10巻93話)

この時、ゼーリエはマハトを殺そうとしていたのですが、レルネンたちはゼーリエを説得して封印したのです。そのため、ゼーリエは「白けた。私はもう知らん。勝手にしろ」と不機嫌になっています。

あのレルネンが、ゼーリエの不機嫌を覚悟して説得しているわけですから、ここには何か相当な理由があるとみてよいでしょう。一級魔法使い試験の面接前のレルネンとゼーリエのやり取りを思い出してください(第6巻57話)。レルネンはゼーリエの「わがまま」には慣れっこで、余程のことが無ければゼーリエのやり方に異論を挟んだりはしないはずです。

つまり、マハトを殺さず封印するというリスクを取ってでも復活させたい「何か」がヴァイゼにはあると考えられます。(ただ、ゼーリエにとっては、それほどの価値は無いものでした)
そのレルネンは何か心当たりがあってヴァイゼでデンケンと会っています(第140話)。ということは、その「何か」がゼーリエ暗殺計画への対抗策になるのでしょう。
フラーゼも黄金化前のヴァイゼに査察に入っています(第14巻130話)。これもヴァイゼで「何か」を探していたと考えられます。

では、このヴァイゼに眠る「何か」とは?
手がかりは…
レルネンたち当時の一級魔法使いが一致してどうしても復活させたいと考えるほどの価値がある
ただし、ゼーリエにとってはそこまでの価値は無い
ゼーリエ暗殺計画に対抗するためのレルネンの心当たり
フラーゼが探していることから、特にフラーゼ対策として有効
人?物?情報?
人ではないでしょう。ですから、物または情報です。となれば、魔導書か魔導具か手紙というのが《葬送のフリーレン》の世界観からはしっくりきます。
さらに絞り込んでみます。
ゼーリエにとっては無価値 → 魔導具
ヴァイゼに眠る「何か」はレルネンたちにとってはかなり価値のあるものでしたが、ゼーリエにとってはそれほど価値のないものでした。ゼーリエはヴァイゼの復活は諦めて、マハトを殺すべきだと考えています。(第10巻93話)

一級魔法使いたちとゼーリエとで価値観の相違があります。この原因はなんでしょう?
そこで、思い当たったのが第144話「予知夢」のこの場面です。

フランメの収集品である「夢かどうか判別するための魔導具」をゼーリエは「くだらん」と評していました。
これには、もちろんフランメへの当て付けがあります。ゼーリエはフランメのことをとても愛しているのに、フランメのこととなると一言ケチを付けたくなってしまう性分です。こういうゼーリエの態度を私たちは何度も見ていますから、違和感はありません。
ただ、フランメに対する気持ちは別にして、そもそもゼーリエは魔導具全般に対して良い印象を持っていないのではないでしょうか。
なぜなら、魔法を誰でも使えるようにする魔導具は、「魔法は特別であるべき」として「誰もが魔法を使える時代」に反対するゼーリエの思想とは相容れないからです。

確かに、日用品のような簡単な魔導具については、ゼーリエも特に反対はしないでしょう。オイサーストにも魔導具店は普通にありますし(リヒターの店ではランプを修理していました)、街灯は魔力を利用しているようでした。
しかし、高度な魔法を内蔵した魔導具は、ゼーリエは好意的にはとらえないでしょう。
ということで、ヴァイゼに眠っている「何か」とは魔導具である、と考えてみます。
フラーゼの特性「死でさえ時間稼ぎ」
フラーゼの「死でさえ時間稼ぎ」(第144話)という特性ですが、死んでも再生したり復活したりするとなると、人間なのになぜ?という感じがします。(魔族が成り済ましているとすれば、また話は別です。フラーゼの正体は「不死なるベーゼ」といった可能性もなくはありません。ベーゼの体格からは男性のように思われますが)

そこで、フラーゼは分身魔法(人の複製を作ってコントロールする魔法)の一種を使っていると考えてみます。
これに対抗する魔導具とは、どのようなものでしょう?
素直に考えて、次の二つを思い付きます。
分身を見破る
分身を無効化する(本体とのリンクを切断する等)
ということで、ヴァイゼには分身を見破るor無効化する魔導具があり、レルネンとデンケンがヴァイゼで調査している。レルネンたちはこの魔導具を持ってゼーリエたちに合流すると考えます。
※第140話のレルネンとデンケンが会っている場面を再確認したところ、レルネンはヴァイゼに到着したデンケンとグリュックを待っていたと判断しました。ですから、デンケンとレルネンはヴァイゼで一緒に調査しているのでしょう。この点についての私の過去の考察を修正します。
※帝都⇔ヴァイゼの移動にどれくらい時間がかかるのかわかりませんが、馬車で一日程度ではないかと思われます。ですから、二人が舞踏会当日に帝都に戻れるかは微妙なところで、魔導具だけを帝都に運び、ゼンゼに託す可能性もあると思います。
ラントの分身魔法
分身魔法と言えばラントです。
ラントの家系は分身魔法が得意だったのかもしれません。(ただ、ラントには祖母のそばを離れたくないけれども魔法学校が帝都にあり…という個人的な事情があって分身魔法が得意になったので、家系によるものかどうかは何ともわかりません)
そうすると、フラーゼたちがラントの両親を殺害しているらしいことや、ラントの祖母の家を襲っている(殺してはいないことから何かを探していたとも思われる)こととも繋がりそうです。
賢者エーヴィヒの三つの魔導具
ところで、唐突ですがヴァイゼと賢者エーヴィヒの間には何らかの関係があると推測されます。
なぜなら、ドイツ語でヴァイゼ(weise)とは賢者を意味するからです。(英語のワイズwiseにあたります)
賢者エーヴィヒは作中何度か登場しますが、ここで思い出したいのは、零落の王墓、一級魔法使い試験の第二次試験で登場した水鏡の悪魔です。
水鏡の悪魔の作る複製体は「完璧な複製体」だからです。
水鏡の悪魔は、一般には賢者エーヴィヒの英雄譚に登場する魔物であるとされています。(第6巻50話)

ただ、実は水鏡の悪魔は賢者エーヴィヒの作った魔導具だと私は考えています。
その根拠は、水鏡の悪魔は外観からして魔物とは考えにくく(そして実際に水鏡の悪魔を見たことがある者はほとんど存在しません)、また破壊されても魔力の粒子になる描写がないことです(複製体は魔力の粒子になっています)。(第6巻55話)

そうすると、これが賢者エーヴィヒの三つの魔導具です。
水鏡の悪魔………人を複製する魔導具
支配の石環………複製体をコントロールする魔導具
ヴァイゼの魔導具………複製体を見破るor無効化する魔導具
こうやって並べてみると、一貫した研究テーマがあることに気付きます。「永遠の命」です。

永遠の命について研究していた賢者エーヴィヒは(第1巻2話参照)、手始めにエルフのコピーを作るために水鏡の悪魔を作った。そして、複製体を使役するために支配の石環とヴァイゼの魔導具を作った…というわけです。
この辺りの考察については長くなりますので次の記事を参照ください。
その他
細かいところですが、以下の要素も関連してきそうです。
大陸魔法協会は零落の王墓の攻略を目指していた
ゼンゼは第二次試験の課題として零落の王墓の攻略を選んだ
フラーゼたちと一級魔法使いとの戦闘(この戦闘でラントの両親は亡くなっているらしい)にゼンゼも参加している
おわりに
私の中では帝国編におけるフラーゼ関係の要素がかなり繋がってきている感触がありますが、どうでしょうね。
《葬送のフリーレン》に関する記事は下記のマガジンにまとめています。130本以上ありますのでキャラ名で検索をかけてみてください。フランメ、ヒンメル、エーヴィヒなどで検索すると物語の全体像に関わる考察が出てきます。
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