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国民皆農:農との関わりを大切にする農型社会へ

耕す人がいなければ、農地は荒廃し、農業そのものが衰退していきます。
これが日本農業の現状です。
しかし、「農」と関わりを大切にする都市住民(非農家)が増えることで、新しい「食と農の関係」を創造し、日本農業の「ピンチをチャンスに変える」ことが可能だと思います。


衰退する日本農業の現状

農業経営体のうち個人経営体の基幹的農業従事者(自営農業を主な仕事としている世帯員)は 1,021,000人で、5年前に比べ 342,000人(25.1%)減少しました(2025年農林業センサス<速報値>)。
基幹的農業従事者の平均年齢は68.4歳(農林水産省 2024)と毎年上昇し、高齢者を中心に離農が加速しているにも関わらず、若手の新規就農も十分に進んでいないため、耕作放棄地の更なる拡大が懸念されています。

食と農の距離を縮めることの大切さ

輸入がとだえるような不測の事態が起これば、食料自給率(カロリーベース)38%の日本では、食料の確保が困難になり、私たちの生活に支障をきたすことが予想されます。

しかし、国レベルではなく、消費者と農家(農業従事者)との信頼関係で成り立つ「小さな自給圏」(面識経済が各地に創出され「自給の地域化」が図ることができれば、話は別です。

消費者と提携している埼玉県小川町の霜里農場では、1993年の冷夏で米が不作の年には、麦の作付け面積を増やすなど、有機農産物を年中食べることができるように作付けを変更されました。
消費者と農家の距離が縮まれば、顔の見える関係になれば、時節に応じた対応が可能です。

自給の地域化

田園回帰・半農半X・菜園ブームなど、食と農に関心を示す非農家出身者は確実に増え、しかも彼(女)らが関心を示す農業は、有機農業をはじめとした持続可能な農業です。

非農家と農家とが、地域内の食と農について当事者意識を持って新たな関係を形成し、さらに地域の人を巻き込んでいければ、おのずと「自給」の地域化が形成されていきます。

地域を起点に「国民皆農」の流れを

作物栽培に興味を持っても、何から手を付ければよいのか分からないのが、都市住民(非農家)の現状だと思います。
スーパーマーケットなどで目にする農作物の向こう側にある世界(農家、農地、栽培環境、栽培方法など)に関心を持つことも大切です。

農家には「当たり前」の栽培方法が、非農家にとっては「当たり前」ではありません。
農家と親しくなれば、日常の付き合いから農業のスキルを身につけることも可能です。

SNSを活用すれば、農家とつながりのない都市住民でも、農家や農家グループの情報を気軽に入手できるようになりました。「自給」の地域化に関心のある農家を起点に、持続可能な食と農にのある仲間を増やしていくことが大切だと思います。
ぜひ、「食」だけでなく「農」にも関心を持って、日常生活に「農」とのかかわりがある「農型社会」の実現を目指していただきたいと思います。

高齢農家の経験と知恵には、機械や資材に頼らない「農」の基本が満載です。基本を大切にしさまざまな応用が可能な「農」を心身ともに楽しむことから始めてみてはいかがですか。