あまりに綺麗なものを見ると 泣きたくなるのだ|漫画『傍観者の恋』

(※2024-08-23現在)
原作小説の感想はこちら。
貿易会社の社長令嬢であるレイチェル・メイスフィールドと織物工場を経営しているハーシェル家の三男、ノア・ハーシェルは結婚をした。
ノアはまだ18歳であったが、周囲はその若さで2歳年上の女性と結婚するほどレイチェルに惚れ込んでいるのだろう、と好意的に解釈していた。
誰もが祝福する結婚式。
しかし。
私は後悔していない
こうするしかないと思い詰めてしまうほど 私はノアに夢中だったし
ノアに残されている時間も少なかった
この結婚が茶番だと知っているのは
私とノアだけだった
全ては、茶番であった。
レイチェルの親友であり、ノアの姉であるアリシアは心臓が弱く、余命が長くなく、転地療養を勧められていたこと。
ノアがアリシアを姉としてではなく愛していたこと。
ノアを好きだったレイチェルが、それ利用して、自分と結婚すれば一緒に転地療養についていけると持ちかけたこと。
でも。
レイチェルはアリシアのことも大好きだった。
アリシアがもっと嫌な人間だったらよかったのに
この先、レイチェルは、ずっとノアとアリシアを自分の望みの為に利用した罪に押し潰されそうになりながら生きていかなければならないのだろう。
覚悟は、出来ていた。
一幅の絵画のように 美しく善良な二人の並ぶ姿
その傍にいられるのなら 誰になんと思われてもいい
私は
彼らの傍観者でありたかった
※1巻はKindleUnlimitedで配信中(※2024-08-23現在)
商業誌ではまだあまり描かれてない作家さん?
著者は 吉田了
配信作品は本作の他は青年コミックが2作品ありました。pixivにはBLっぽい作品も描かれているようです。
原作者は ナツ
本作は同名小説のコミカライズ。
沢山の作品が配信されている作家さんです。本作は女性向けライトノベルですが、TL作品の方が多い印象です。
原作小説もKindleUnlimitedで配信中です。(※2024-08-23現在)
出版社は ジュリアンパブリッシング
掲載誌・レーベルは FK comics
発売日 2023年11月。
既刊2巻。1巻はKindleUnlimitedで配信中(※2024-08-23現在)
2巻の表紙が良すぎた…!
2巻の表紙を見て、「フォッ!?」ってなって。
この2人をよく表している絵だなぁ、と。
(良すぎて、本来1巻の表紙を出すとこ、2巻の表紙を出した)
すっっっっごく失礼を承知で言うんですけど。
吉田了さん、昨今の漫画家さんの中では決して絵が上手い部類には入らないと思うんですよ。
でもね。
原作小説の拾いどころと、見せ方が上手い。
すっげー上手い。
何度でも言うけどね。
ただ小説を絵にすれば良い、ってのがコミカライズじゃないのよ!
尺も見せ方も違うから、それを原作と違和感なく、よりドラマチックに見せてくれるのは漫画家さんの腕なのよ!
(勿論、原作だって文句なしに面白いんですよ)
特に今回、最新刊の2巻を読んでね。
原作小説では気づかなかったんですけど。
“2人を近くで見ていればいい”と思っていたレイチェルが、自分の心の変化に苦しむシーンがあるんです。
小説ではそのまま読んでたんですけどね。
コミカライズ版を読んでいたら。
それはレイチェルの心が変わっただけではなくて。
ノアの心も変わっていたからだ、って思えたんですよ!
え? 原作小説でも気づいてた?
いやいや、コミカライズ版で読むと、視覚的に3人の思惑がわかりやすく描かれていて、しかもドラマチックに原作小説の一節をぶっ込まれるので、読んでる方も揺さぶられて揺さぶらて大変です(笑)。
こういう、見せ方の上手い作家さんて、私の中では他に『酒と恋には酔って然るべき』とかの、はるこさんかなぁ。
はるこさんも、最初はTLコミックの読み切りとかを描いていたのが、今は色んなところで連載があったり、ドラマ化したりしていますからねぇ。
“読ませる”作家さんは、強いんじゃないかな。
この『傍観者の恋』もあと1冊? 長くても2冊? くらいで完結になると思うのですが、今後の作品も楽しみにしたい作家さんです。
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