シャワーブースで前前前世
手術後12日目。
身体から出ていたドレーンのチューブも取れ、縫合後のステープルも取れて、私の身体に触れているものは、下着と入院着だけ!
晴れて自由な身となりました。
リハビリの為にルンルンで院内を歩き回ります。
常にリードで繋がれて散歩していた犬さんが、ドッグランに連れてきてもらって自由を得た時は、きっとこんな感情になっているに違いない。
そして、自由の身になったということで、「シャワーに入って良いよ」というお許しをいただくことができたのです。
もうね、ルンルンです。
2週間ぶりのシャワーです。
旅行行って、宿にチェックインして、夕食の時間決めて、部屋に荷物置いて、例のスペースから外の景色をとりあえず眺めて、
「じゃあ、ご飯までの間にとりあえず一回温泉入っとくか」
って時と同じくらいルンルンです。
ちなみに、例のスペースは「広縁」といいます。
元々は部屋をつなぐ廊下だったり、部屋と外をつなぐ通路が、個室化されて例のスペースになった。
これ、豆知識な。
さて、私が入院した病院はシャワー室は予約とかいらず、空いていればいつでも使えるシステムでした。
けど、16時か17時くらいで閉まっちゃうので、お昼ご飯食べて、午後のに予定されている検査の合間で空いていそうな時間を狙って、シャワーに入る予定を立てないといけません。
この、予定を立てる、って行為が地味に嬉しかった。
絶食のためご飯の時間もなく、ただただ1日中ぼんやりと時間を過ごして、気がついたら日が暮れて夜になって、消灯時間が来て…
っていう生活を繰り返してたから、「やることがある」っていうのが、ほんのりと嬉しかった。
けど、仕事だ、家庭だ、で忙しい今。
あの、「なにもやることがない生活」がほんの少し懐かしくもあるから、人間というのは勝手なものだ。
というわけで、2週間ぶりのシャワーです。
服を脱いでシャワーブースに入って、椅子に腰掛けて、コックをひねる。
お湯が出てきたのを確認して、頭からかぶる。
あー、気持ちいい。
みなさん想像してください。
椅子に腰掛けて、頭からシャワーを浴びて、髪の毛を流す時に、何が視界に入りますか?
そう、前かがみになって、視界に入るのは自分の太ももですよね。
それがね。
枯れ枝みたいだったんですよ。。。
「えっ?」
思わず本当に声が出ました。
その瞬間のことめっちゃ覚えてる。
これ、自分の身体か?って本気で思いました。
あれだな。
アニメや、映画・ドラマなどでよくある、
何かの拍子に他人の身体と入れ替わって、朝、目が覚めて、しばらくしてから自分の身体ではないことに気づくとき
って、こういう感じなんだな。
ちなみに「君の名は。」で有名な
「もしかして 俺たち/私たち 入れ替わってるー!?」
というセリフは、本編では言ってない。
これ豆知識な。
というわけで、久々に自分の身体見て、あまりの痩せ具合に声出た話でした。
50キロの体重が40キロになったんだから、そりゃあ、足の筋肉も落ちるでしょうよ。
ちなみに、この日以降、毎日午後にシャワーをするようになったんですが、シャワー後はホクホクと上機嫌でベッドに戻り、冷蔵庫から冷えたお茶を取り出して、入院してからしばらく遠ざかっていた幸せな時間を満喫するのが日課になりました。
