記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

『アザラン、ごはんが命がけだった話を聞いて?』の読書感想|食べられる幸せを教えてくれる小説

今日は、とてもユニークで胸に刺さる小説を読みました。その名も──入江零さんの『アザラン、ごはんが命がけだった話を聞いて?』です。

入江零さんの初小説ということで、さっそく読ませていただきました。主人公は食道アカラシアに悩む奈津さんです。ネットで購入したアザラシ型のしゃべる目覚まし時計に1週間にかぎり1日1時間だけ会いたい人がその目覚まし時計に宿り、お話できるようになるのです。

そこで、過去に苦しんでいた食道アラカシアという病気との向き合いを語ります。こちらが本書となります。

【Kindle Unlimitedなら無料で読めるよ!】

食道アラカシアは食べ物がうまくのみこめなくなる症例が大変少ない病気です。本作を読むことで、目の前に出された食べ物をおいしく食べられるという、日常の食事の一口一口が奇跡のように思えるようになりました。

摂食にお悩みを持たれている方や、その摂食障害により、周囲との交流で人には言えない辛い思いをされている方にとても参考になる内容だと思います。

食道アラカシアの本は他にもありますが、小説による体験エピソードは希少だと思います。

この記事では、本作品を、ネタバレを少し含みつつご紹介します。


作者はneoさんこと入江零さん

こちらは、入江さんご本人の本のご紹介記事です。

さて、作者の入江零さんは、「neo」さんというお名前でも本を出されています。(「うちにはアザラシがいます」シリーズがおもしろいです。こちらも読ませていただきました!手前味噌ですが、読書感想も書いたことがありますので、よろしければこちらをどうぞ🙇)

今回の作品は、「うちにはアザラシがいます」シリーズとは、趣が異なるため、別の作者名で出版されたようです。

食事を美味しく食べられることは幸せなこと

本書を読んでまず感じたのは、食事をおいしく食べられることの幸せを改めて実感しました。

通常、口の中で砕かれた食べ物は食道を通って胃に届けられます。食道と胃の付け根部分が関所のようになっていて食べ物を胃に送り届けるため実現しています。

食道アラカシアになると、この関所部分がうまく機能せず、その胃の付け根部分で留まってしまうようなのですね。

食べ物がどんどん溜まっていき、肺を圧迫し呼吸困難になったり、食べ物が肺に入っていきやすくなり誤嚥肺炎を引き起こすこともあるようです。

どうしようもなくなると、吐くしかないようです。幸いなことに、吐くものは胃まで到達していないため、胃液は混ざっていないので口内や歯へのダメージは少ないようですが、いや、これを聞いただけで、猛烈に苦しそうです。

👉 ときどき、自分も急にたくさん食べすぎて食事が喉を詰まらせることがあります。そのとき苦しいのですがしばらくすると楽になります。これは食道から、胃に食べ物が無事に送り届けられたからですが、この詰まった状態が解消せず続いているのだなと思うと本当に辛いなと思いました。

食事による喉の詰まりもしばらくするとスッキリするのは、健康の証拠で、食事をおいしく食べられるって尊いことなんだなと改めて思いました。

食べられるのに食べられない恐怖

食べ物がのどを通らないことは、誰しもあると思います。病気で体調不良になると食欲自体が湧かず、食べたくなりますからね。

一方、食道アラカシアは、食べたいけど食べられない症状です。おなかはものすごく空くのです。食べたいけれど、その食べたものが胃まで届けられるかわかりません。

👉 もしかしたら、吐き出す結果になるのかもと思うと、食べる気が起きません。いざ食べようとしても、のどのつまりとの闘いになるので、本当に命懸けだなと思いました。

これが、外出先や友人たちや、公の場での食事会となると、本当にいろいろと考えてしまいますよね。

日常生活で誤解されるつらさ

食道アラカシアは人によって程度の差がありますが、毎回必ず起きるわけではないようです。時々調子よく動くときもあり、そういう時は、一気に食べるのだとか。「食べられるときに食べる」ということですね。

食べる・食べないは、食道の調子に左右されることがあるようです。

そのため、食道アラカシアの症状を知らない方からは、「この前は食べられないと言って断っておきながら、なんで今は普通に食べているの?」という誤解を生むこともあるようです。

👉 まるで双極症(うつ病の一種)のように、気分が下がっている時と上がっている時があり、上がっている時は健康そのものに見えるので、ずる休みをしているかのように勘違いされてしまうこととよく似ています。

また、食事会や冠婚葬祭などでの食事にも気を使うようです。手を付けられずに下げられると、もったいなさや申し訳なさ、さまざまな思いが押し寄せるようです。

本書では、そんな時にどうしていたかもわかります。

まとめ:食道アラカシアは大変な病気

改めて言うまでもなく、食べることが命懸けになる病気です。食道アラカシアに悩まれている方はもちろん、摂食に関して悩まれている方にも共感の持てる本だと思います。

主人公の奈津さんは、そんな苦しみを持つ女性です。何度か手術を経て今は症状は改善しているそうです。胃を切り取ったり、新しく置き換えたりしたわけではないので、定期的な検査は必要ですが、現代では治療法があります。

本書はフィクションですが、実体験を織り交ぜたリアリティの高い作品です。どうかこの本が、同じように悩まれている方に届きますように。

食べることは生きること。ありふれた日常がどれだけ尊いのかを気づかせてくれる小説でした。食べることに悩む人だけでなく、誰にでも響く本だと思います。

私はこの本を読んで、普段の食事のありがたさを忘れずにいたいと心から思いました。


ここからは毎週恒例の余談です🍀

📖 余談コーナー|3行日記と1年前の振り返り

毎回、余談として、本編とは関係ないことや、1年前何を書いていたかを振り返っています。

3行とは名ばかり、実際は8行です笑:食べ過ぎ注意です

関係ないことと、書きましたが少し関係あります。

昨日はやる気が起きない状態だったので「つぶやき」で済ませました。何故かな?と考えたらどうも、前日の夜遅くに食べ過ぎたのが原因だったようです。(胃もたれが激しかった💦)

消化されたら元に戻りました。こうした体の機能が正常に働くのでまた元気になれます。食べる機能も含めて本当にあたり前なことが、ほんの些細なことで当たり前でなくなり、そうなるとつらい思いをしてしまいます。

健康は大事だなと改めて思いました。

1年前(その1):『スモールワールズ』を読んでいた

一穂ミチさんの著作を読んでいました。『スモールワールズ』は短編の集まりですが、絶妙に繋がってループさせている構成がすごいなと思いました。

1年前(その2):『わが投資術』を読んでいた

投資アレルギーの自分が、投資の本を読んでいました。当時は今ほどではないけれど、お金の話が嫌いでした。その中で読んだ本です。割安小型成長株を見極めるのがポイントのようですが、個人で勝つのは大変ですよね💦

最後までお読みいただき、ありがとうございます。記事を気に入っていただけましたら、ぜひフォローやサポートをお願いいたします。また、お気軽なコメントもお待ちしております。

他にもこんなマガジンもあります。お立ち寄りいただけたら嬉しいです。

2025年からウクレレを始めました。ウクレレを通して音楽のこと楽器についての発見を書いています。

便利で役立つツールは、出会った便利なもの、ことを集めています

大人の話題です。三大欲求の叡智な話題です。これを無視して人間はやっておれません!


感想の交換や新しい出会いも楽しみにしています。ご質問やお仕事のご依頼も、こちらからお気軽にどうぞ。

いいなと思ったら応援しよう!

いしやんノート🚴連続投稿1200日達成|ここまで続けてこられたのは、みなさんのおかげです 最後まで読んでいただきありがとうございます🙇‍♂️ 記事が気に入られましたらサポートをよろしくお願いします。 いただいたサポートはnoteクリエーターとしての活動費に使わせていただきます!

この記事が参加している募集