いわき発見ゼミに参加する高校生へ。 ただの「見学」で終わらせない4+1のミッション。
今年度も7月から、高校の「総合的な探究の時間」などを通じて、市内の企業・団体を訪問し、社会人から仕事への情熱や職業観などを聴く「いわき発見ゼミ」が始まります。
現在、いわきアカデミアでは、実施に向けて各高校の担当教員の方々と打ち合わせを行っている真っ最中。
「今年度はこういうアプローチで挑戦してみようかな」
「昨年度のあの企業・団体に、今年度も行きたいな」
これまで参加してきた高校生が残してくれた感想などをもとに、プログラムの内容は年々アップデートされています。
せっかく学校を飛び出して見学するからには、ただ受け身で座って話を聞くだけではつまらない。
今回は、この「いわき発見ゼミ」がただの見学で終わらないための、特別な「4+1のミッション」をお話しさせてください。
【ミッション①】移動の途中で、まちを見る
いつも暮らしている、このいわき。
「べつに、いまさら新しく発見することなんてないよ」
そう思っているなら、それは少しもったいないかもしれません。
最初のミッションは、目的地へ向かう道中から始まります。
バスの窓から流れる景色を眺めるときも、自分の足でまちを歩き、フィールドワークをするときも、いつも何気なくスマートフォンに向けている視線を、少しだけ周りに広げてみてください。

「あの橋を越えた瞬間に大規模な工場群が現れた」
「駅前から少し離れただけで、全く違う雰囲気が漂っている」
いわき市は、かつて日本一広い面積を誇ったこともある広大なまちです。
だからこそ、エリアごとに異なる役割と経済の循環を持っています。
移動しながら、まちの景色がガラリと変わる「境界線」や、歩いて初めて気づくまちの匂い、看板、歴史の跡を探してみてください。
そこには、ただの風景ではなく、このまちを動かしている「骨格」が見えるはずです。
仲間と歩くその道の一歩一歩が、今日という日の大切なプロローグになります。
【ミッション②】隣を歩く友達が持つ「別の顔」に気づく
学校によってはコースごとに希望者を募るため、違うクラスの同級生と一緒になることもあるでしょう。
これまでのいわき発見ゼミでも、「この活動を通じて新しい友達ができた」と報告してくれた先輩たちがいました。
移動中のおしゃべり、見学先で説明を聞いているとき、設備を見ているとき、あるいは質疑応答の瞬間。
ぜひ、一緒にいる仲間の姿を観察してみてください。

「普段は教室でふざけているあいつが、技術的な話になった瞬間に真剣な目になった」
「〇〇さんの質問、本音を引き出す工夫があってすごいな」
「発表で困っているときにさりげなくサポートしてくれた」
学校の枠組みから外れて社会の現場に立ったとき、仲間が見せる「初めての、真剣な横顔」。
帰り道のバスや、駅への徒歩ルートで「さっきの質問、かっこよかったじゃん」なんて、ぼそっと伝えてみる。
そんな瞬間もまた、皆さんにとっての大切な「発見」です。
【ミッション③】大人の背中から「プロの凄み」を感じる
いわき発見ゼミで出会うのは、実際にいわきの経済やインフラを支えている大人たちです。 「働くこと」に対して、まだ具体的なイメージが湧かない人も多いと思います。
だからこそ、大人たちの言葉の裏にある「本気」に触れてみてください。

世界に通用する技術を実直に追求している人。
地域の課題を解決しようと奮闘している人。
彼らがどんな壁にぶつかり、どんなプライドを持ってその仕事に向き合っているのか。
その「生き方のカッコよさ」を、ひとつでも多く掴み取ってください。
大人になって働くということが、どれほど自由で、挑戦に満ちた面白いものであるか。
大人たちの背中が、それを静かに語ってくれるはずです。
【ミッション④】自分のなかに生まれる「違和感」を無視しない
実際に企業・団体を訪問し、プロの話を聴くなかで、自分自身の思考が強く刺激される瞬間があると思います。
「この事業の仕組みは面白い」「自分ならこうしてみたい」と感じるかもしれない。
あるいは逆に、「こういう環境は、自分にはちょっと合わないかもな」という気づきでも構いません。
重要なのは、世間のイメージや誰かの意見ではなく、「自分自身の価値観が何に反応したか」です。
その心の微かな高鳴り、あるいは小さな違和感。それこそが、将来の進路を選ぶ上での大切なヒントになります。
【+1の裏のミッション】訪れた場所の「名前」を記憶に刻むこと
そして、この「いわき発見ゼミ」において、皆さんに最も意識してほしい裏のミッションがあります。
それは、見学した「企業や団体の名前」を、しっかりと記憶に刻んで帰るということです。
これから先、進学や就職で、一度はいわきを離れる人も、このままいわきで次のステップへ進む人もいるでしょう。
人生のどこかで、キャリアに悩んだり、「自分の進むべき道が見えなくなってしまった」と立ち止まったりする瞬間が、きっと訪れます。
そのとき、この「いわき発見ゼミ」を思い出してほしいのです。
「あの時、いわきにあんな情熱を持った企業があったな」
「あのとき大人が言っていた言葉に、もう一度ヒントがあるかもしれない」
企業・団体の正確な名前を覚えているということは、心の中に「いつでもアクセスできる、社会とつながるための座標」を持っているということです。
いつか皆さんが新しい一歩を踏み出すとき、その名前は「いざとなったら、自分にはあの場所・選択肢がある」という、お守りのような、未来の自分を支える心強い味方になってくれるはずです。
求められているのは、完璧な感想文ではない
いわき発見ゼミの終了後、アンケートに回答する時間があります。
そこに、大人が喜びそうな「正解の言葉」を綺麗に並べる必要はありません。
上手な文章でなくても、箇条書きだって構いません。
「移動中に見えた、あの景色が印象に残った」
「〇〇さんの、あの視点に驚かされた」
「訪ねた企業のプロフェッショナルの姿勢に、圧倒された」
皆さんの目と耳で捉え、頭で考えたリアルな「発見」こそが、何より価値のある、高校生活の確かな1ページです。
背伸びをする必要はありません。
しかし、いわきで生きる一人の当事者として、社会のリアルを存分に吸収してきてください。
皆さんの青春の1ページが、このまちの熱量と触れ合う最高の1日になることを応援しています。
それでは、いってらっしゃい。
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