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神戸の神さんめぐり vol.6|ろっこうはちまんさんと、駅の森と、灘の和菓子の話。

📍 神戸市灘区八幡町3-6-5 / 阪急六甲駅南出口すぐ


はじめに
阪急六甲駅の南出口を出ると、いきなり森に出くわす。
駅前とは思えない。住宅街の真ん中に、樹齢数百年はありそうな大木がうっそうと茂っていて、その向こうに鳥居が立っている。三宮から電車で数分の場所に、これだけの緑が残っているのが神戸らしいというか、灘らしいというか。
六甲八幡神社。地元では「はちまんさん」と呼ばれている。創建はおよそ1000年前、平清盛の時代とも万寿年間(1026年)とも言われる、摂津国の国府八幡宮だった古社だ。


01|六甲八幡神社とはどんな神社か



正式には「摂津国八幡社」「摂津八幡」とも呼ばれる。一国に一社の国府八幡宮だったということが、この神社の格の高さを物語っている。
創建については諸説ある。万寿3年(1026年)に水原武信という者が八幡宮に子宝を祈願し、後にその子らが崇敬したのが始まりという説。平清盛が福原遷都の際に男山八幡を勧請したのが起源という説。花園天皇の正和年中(1312〜1316年)に豊前国宇佐八幡を勧請したとする説。いずれとも断言できないのが正直なところだが、室町時代の「太平記」に「八幡林」の記述が登場するほど、少なくとも14世紀には確実にこの地に存在していた。
戦国時代に一度荒廃し、天正年間(1573〜1591年)に林播磨という人物が修築。その孫・林清兵衛が寛永7年(1630年)に本殿を改築した。


奈良・春日大社から移された社殿
現在の本殿は天明6年(1786年)、領主の石河氏が奈良の春日大社の旧社殿をそのままここへ移したものだ。これを「春日移し」という。
兵庫県内でこの「春日移し」による社殿が現存するのは六甲八幡神社ただ一社。「春日移し」の分布としても西限にあたる希少な建物で、2016年(平成28年)には神戸市指定有形文化財に指定された。一間社春日造の檜皮葺き、というつくりで、素朴でありながら品のある社殿だ。
また境内の「厄神宮本殿」は寛永7年(1630年)に建てられた旧本殿で、兵庫県指定重要文化財になっている。阪神淡路大震災で倒壊したが修復工事を経て現在に至る。


豊臣秀吉も祈願した神社
江戸時代には灘の酒問屋の信仰も篤く、境内には酒樽が奉納されていた。さらに豊臣秀吉が朝鮮出兵の際にここで戦勝祈願を行ったとも伝えられている。国府八幡宮としての権威が、時の権力者にも信仰された神社だということだ。


手水の龍と、ちょっと変わったお守り


手水舎には生き生きとした龍の像があって、これが境内のフォトスポットになっている。うろこの細部まで丁寧に彫られていて、苔が生えた石との組み合わせが独特の迫力を持っている。
授与品も個性的で、干支の土鈴や、貝の形をした「御貝守」など、ほかではあまり見かけないデザインのものが揃っている。


厄除大祭。1月18・19日の「はちまんさんのお祭り」
六甲八幡神社といえば、毎年1月18・19日の「厄除大祭」が有名だ。普段は静かな境内と参道が、この日だけは大きく様変わりする。
100メートル以上ある参道の両側に屋台がびっしり並び、厄除けの破魔矢を求める人々で大賑わいになる。男性の本厄42歳、女性の本厄33歳の人々を中心に、遠方からも参拝者が訪れる。神戸の冬の風物詩のひとつだ。


⛩ 六甲八幡神社 基本情報
住所|神戸市灘区八幡町3-6-5
最寄駅|阪急神戸線「六甲駅」南出口すぐ
電話|078-851-7602
公式サイト|rokko.or.jp


御祭神
八幡大神(はちまんおおかみ)
天照大神(あまてらすおおかみ)
春日大神(かすがのおおかみ)
摂末社|厄神宮・金毘羅宮・稲荷宮・庚申社


ご利益
厄除開運・家内安全・商売繁盛・学業成就・交通安全・安産


主な祭事
厄除大祭|毎年1月18〜19日(参道に屋台多数、破魔矢授与)



02|阪急六甲〜六甲道エリアをぶらりと

神社を出たら、少し周辺を歩いてみたい。阪急六甲とJR六甲道の間には、生活感のある落ち着いた街並みが広がっている。

六甲本通商店街


JR六甲道駅の北側に延びる六甲本通商店街は、水道筋とは少し違う、落ち着いた規模の商店街だ。スーパー、八百屋、肉屋、喫茶店——地元の人が普通に使う店が並んでいる。大きな商業施設のフォレスタ六甲もこの周辺にあって、生活利便性が高い。

おわりに


六甲八幡神社は、駅の真横にある森だ。
電車を降りてすぐの場所に、樹齢数百年の木々が茂り、1000年近い歴史を持つ社殿がある。奈良の春日大社から移された建物が、阪急六甲駅のホームから見える。神戸という街はそういう重層性を持っている。


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