【ベトナム・タイ訪問記2日目①】覚醒する都市の鼓動 – 近代への散歩道
1.はじめに
旅先で迎える最初の朝は、常に特別な意味を持つように感じる。見知らぬ土地の光と音、そして空気に包まれて目覚める瞬間は、自分が日常から完全に切り離された異邦人であることを、最も強く実感させてくれるからだ。
昨夜、到着したホーチミン。一晩の眠りを経て、この街は私にどんな素顔を見せてくれるのだろうか。
今回の旅、旅行前にいわゆる『旅のしおり』を作っていた。そしてそれは、AIを駆使して。詳細は、後にゆずるが、今回の旅はこの知識が基礎になっている。
しかし、結論を言うとこの計画は、6割ぐらいしか実現していない。あとは、現地の人のアドバイスや事前に行きたいなと漠然と思っていたスポットがたまたま近くにあったら行くという感じ。
2日目の旅は、実際の計画は漠然としていた。厳密にいうと、計画はしっかり作られていたが、実際の行動への指針は漠としていた。
それを決定づけたのは、ホテルでの食事中の出来事。何気なく食べていた食事中に、ホテルの従業員の方から声を掛けられ、会話することに。
これから近くを観光するのにどこがいいかを尋ねたところ『ピンク色の教会がいい』とのこと。実はこの教会は、行こうとは思っていなかった。
その後は、Googleマップにのリストに”ピンクの教会”を登録、他に行きたいと思っていた”戦争証跡博物館”などと見比べ、本日のルートをイメージ。

さて即席でできた、2日目の計画の最初。実施いなくてはいけないのが、現地通貨のベトナムドンの取得。
GoogleMAPでATMを調べたところ、近くのショッピングモールにあるようだ。
宿泊しているホテルからほど近い、巨大なショッピングモール「ビンコムセンター」までの短い散歩。それは単なる移動ではなく、この都市の持つ雰囲気を感じさせられた。
昨年訪れた同じ東南アジアの都市『クアラルンプール』に近いと思いながらも、クアラルンプールの裏道がホーチミンでは表道に来ているという印象を持った。再開発前という感じ。
数日滞在してそれは一面に過ぎないとわかったのだが、グラデーションとして、ホーチミンのほうが街が古めかしい。
一方、クアラルンプールと違うのは、フランス植民地時代の優雅な街並みがあること。また、意外と緑が多いし公園も広い。
そんな中、一番の特徴を醸し出しているのは、道路の交通。バイクの波が作り出すエネルギッシュな喧騒、横断歩道を渡るのも一苦労。
この日の朝は、ホテルの静寂な一室での目覚めから、現地で生き抜くための「デジタル武装」、そして街の鼓動を感じながら目的地へと歩を進めるまでを描き出す。さあ、共にホーチミン2日目の朝を体験しよう。熱気と活気に満ちた、覚醒する都市の散歩道へ。
2.タイムライン
2.1.安息の地での目覚めと、世界と繋がる儀式 <06:20~08:22>
2025年8月13日、水曜日。
ホーチミンでの最初の朝は、窓のカーテンの隙間から差し込む、柔らかくも力強い南国の光で始まった。昨夜のバイクの轟音と街の喧騒が嘘のような静寂が、ホテルの部屋を支配している。旅の疲れを癒してくれた快適なベッドから身を起こし、まずはバスルームへ向かった。
<06:52>
白とベージュの菱形タイルがモダンな印象を与えるバスルームは、機能的で清潔そのものだった。特に目を引いたのは、日本が世界に誇る温水洗浄便座が設置されていたことだ。異国の地で出会う慣れ親しんだテクノロジーに、妙な安堵感とベトナムの近代化の波を同時に感じる。熱いシャワーを浴びながら、今日一日の冒険への期待に胸を膨らませた。

身支度を終えた私は、ベッドサイドのデスクで、この街で生き抜くための「儀式」を執り行った。現代の旅は、もはやコンパスと地図だけを頼りにするものではない。スマートフォンという万能ツールを駆使し、世界とリアルタイムで繋がることが、旅の質を大きく左右するのだ。
<06:46~06:49>
まずは資金の確保。両替アプリ「Wise」を起動し、日本円からベトナムドンへの両替手続きを行う。画面に表示されたレートは「1 JPY = 177.788 VND」。空港や街角の両替所が提示するレートよりも遥かに透明性が高く、手数料も明瞭。私は、まずは30,000円を、5,289,015ドンへと変換した。これで当面の活動資金は万全だ。

次に通信の確保。昨日空港で設定したベトナム用eSIM「Xin Chao」のデータ残量を確認する。5GBのうち、まだ4.96GBも残っている。これだけあれば、地図アプリも情報検索も気兼ねなく使えるだろう。さらに念には念を入れ、日本のキャリアであるauの「海外放題」も利用中のステータスにしておく。1日800円で24時間、安定した通信が保証されるバックアップ体制だ。これで通信が途絶える心配は皆無となった。
拠点、資金、通信。旅の三種の神器ともいえる準備が整ったところで、私はエネルギーを補給すべく、ホテルのレストランへと向かった。
<08:16~08:22>
レストランのビュッフェカウンターには、南国の恵みが溢れていた。私が選んだのは、フルーツ好きなので、まずはカットフルーツ群。鮮やかなピンクのドラゴンフルーツ、熟れたパパイヤ、そして日本では珍しいロンガン。あとは、ヨーグルト。その他、パンやデザートも。別皿には焼きたてのオムレツも頂く。

そして、ベトナムの朝に欠かせないのがコーヒーだ。一口飲むと、ガツンとくるコーヒーの深みと追加した練乳の甘味が口いっぱいに広がる。これぞベトナムコーヒー。コーヒーがうまい。

ベトナムでは当然様々な食事をしたが、特徴づけたのは、このベトナムコーヒーとパン。フランスの植民地であったという過去が、これを形づけたのであろう。感慨深い。
さて、ホテルの従業員の方がいらっしゃり追加メニューリストをもらう。「SILVERLAND MAY A LA MINUTE MENU」と書かれている。エッグベネディクトやサイゴングリルポークライスヌードルなど、魅力的な料理が並ぶ。このホテルの食へのこだわりが感じられた。うまそうだ。

★ログ情報
Wiseの利用状況:
取引日時: 2025年8月13日 06:46頃
取引内容: JPY残高からVND残高への両替
両替額: 30,000 JPY → 5,289,015 VND
為替レート: 1 JPY = 177.788 VND
手数料: 251 JPY
Grabの利用状況: この時点ではまだ利用なし。モールまでは徒歩で移動。
2.2.熱狂の街へ、近代への散歩道 <11:01~11:27>
完璧な朝食で心身ともに満たされた私は、いよいよホーチミンの街へと繰り出した。
<11:01>
こちらが、ホテルのエントランス
大通りではない一歩入った道に面しているのですが、木々でうっそうとしている。
少し歩いて、Thi Sach通りは、絶え間なく流れるバイクの川だった。その轟音、クラクションの響き。これがホーチミンのアイデンティティだというのをこの地を離れると感じられる。

目的地は、ここから歩いて数分の距離にある「ビンコムセンター」。私はバイクの波を縫うように横断する現地の人々の動きを真似ながら、慎重に、しかし大胆に道を渡った。
<11:04>
数分も歩くと、目的地である巨大なガラス張りのビルが目の前に現れた。「VINCOM CENTER」。そのモダンで圧倒的な存在感は、ベトナムの経済成長の象徴そのものだ。壁面には「Massimo Dutti」や「SONY」、そして「CGV CINEMA」といったグローバルブランドのロゴが並び、ここが国際的な商業の中心地であることを示している。

一歩中へ足を踏み入れると、外の熱気が嘘のような冷気が肌を撫でた。そして、目的であるATMを探した。
ATMは程なく探し当て、先ほどのWiseで日本円からベトナムドンに両替したデジタルのお金を、リアルな紙幣で引き出した。
<11:27>
エスカレーターで上の階へ向かうと、映画館のロビーで面白いものを見つけた。日本の国民的アニメ「クレヨンしんちゃん」の巨大なスタンドパネルだ。私は、春日部出身なので、同郷の有名人だ。
ベトナム語で書かれた公開日は「22.08.2025」。しんちゃんの横には身長計がついており、子供たちが楽しそうに背比べができる仕組みなんだろう。
ホテルの家電は韓国製のものが多い中、日本の強みはアニメか。と実感がわくのであった。

3.旅のまとめ
ホーチミン2日目の朝は、ホテルの静寂な朝から始まり、街の喧騒を抜け、近代的なショッピングモールへと至る、短いながらも濃密な散歩となった。それは、現代ホーチミンの持つ「コントラスト」を体感する旅でもあった。温水洗浄便座と濃厚なベトナムコーヒー。バイクの波とガラス張りの高層ビル。そして、クレヨンしんちゃん。
この街は、過去と未来、ローカルとグローバル、混沌と洗練が、奇妙なバランスを保ちながら共存している。その複雑な魅力こそが、世界中の旅人を惹きつけてやまない理由なのだろう。WISEで両替したばかりのベトナムドンをポケットに、eSIMで世界と繋がったスマートフォンを手に、私はこの街のさらなる深みへと足を踏み入れていく。いよいよ、これから観光に向かう。
4.補足
GPSデータ(時刻は現地時間)
2025-08-13 06:52:22 | 10.778969, 106.703994 | Silverland May Hotel (バスルーム)
2025-08-13 08:16:58 | 10.779231, 106.703942 | Silverland May Hotel (レストラン)
2025-08-13 08:22:54 | 10.779253, 106.703956 | Silverland May Hotel (レストラン)
2025-08-13 11:01:05 | 10.778961, 106.703864 | Silverland May Hotel (外観)
2025-08-13 11:04:49 | 10.778008, 106.702308 | Vincom Center 付近
2025-08-13 11:27:08 | 10.778111, 106.701781 | Vincom Center (CGVシネマ)
ホテル・航空券予約情報
ホテル: Silverland May Hotel (8/12-16, 4泊)
Wise利用情報: 30,000 JPYを5,289,015 VNDに両替。一部ATMで貨幣に変換。
歩数情報:
8月13日(水): 14,820歩 (推定11.12km) - 市内散策で多くの距離を歩いた。
つづきです。
