少食が痛風改善に役立った本当の理由5選
「痛風にはプリン体を減らせばいい」
私も長いあいだ、痛風の食事対策というと、そんなイメージを持っていました。
しかし、実際に自分の食生活を振り返ってみると、問題は特定の食品だけではありませんでした。
食べる量が多い。炭水化物や間食を取りすぎる。満腹になるまで食べる。水分が足りない。食生活全体が乱れている。
こうした小さな習慣が積み重なっていたのです。
私は29歳のとき、初めて痛風発作を経験しました。
左足の親指の付け根が真っ赤に腫れ上がり、触れるだけでも激痛が走る。
それから、痛風との長い付き合いが始まりました。
そんな私が食生活を見直す中で、特に、大きな転機になった一つが**「少食」**でした。
ただし、ここでいう少食とは「ほとんど食べない」「何日も断食する」という意味ではありません。
私が意識したのは、
食べ過ぎをやめる。腹八分目にする。余計なものを口にしない。
という、ごくシンプルな食べ方です。
厚生労働省の健康情報でも、高尿酸血症の予防として、食事内容の改善、アルコールや甘い飲料を控えること、水分摂取、肥満がある場合の体重管理などが挙げられています。血清尿酸値が7.0mg/dLを超えると高尿酸血症と診断されます。
つまり、私の場合「少食そのものが痛風を治した」と考えるより、
少食を始めたことで、痛風につながりやすい生活習慣をまとめて見直せた
と考えるほうが正確だと思っています。
今回は、私の実体験と現在の医学的な情報を照らし合わせながら、少食が痛風改善に役立ったと感じる本当の理由を5つ紹介します。
1.食べ過ぎによる「余分なエネルギー」を減らせた
私が最初に見直したのは、「何を食べるか」よりも**「どれだけ食べるか」**でした。
以前は、
「まだ食べられる」
「少し物足りない」
と思えば、つい追加で食べてしまうことがありました。
しかし、満腹になるまで食べる生活を続ければ、1回ではわずかな違いでも、1か月、半年、1年では、大きな差になります。
高尿酸血症・痛風の生活指導では、肥満傾向がある場合、摂取エネルギーを適正化し、体重を管理することが重要とされています。
日本のガイドラインでも、アルコール、プリン体、高フルクトースの制限とともに、必要な人への減量が生活指導のポイントとして扱われています。
ここで重要なのは、
「食べない」ことではなく、「食べ過ぎない」こと。
私の場合、腹いっぱいまで食べるのをやめ、腹八分目を意識するようになったことで、食生活全体がシンプルになりました。
たとえば、
ご飯を大盛りにしない
おかわりを習慣にしない
食後に、何となくお菓子を食べない
夜遅くまでダラダラ食べない
「空腹ではないのに食べる」を減らす
これだけでも、1日の総摂取量はかなり変わります。
痛風対策というと「これはプリン体が何mg」と細かく考えがちですが、その前に、
「そもそも私は食べ過ぎていないか?」
と問い直すことは、とても大切だと感じています。
2.甘いもの・炭水化物・間食の「ついで食い」が減った
少食を始めて意外に大きかったのが、主食以外の余計な食べ物まで減ったことです。
以前の私は、食事以外にも、
「少しだけ」
「これくらいなら」
という感覚で口にすることがありました。
菓子パン、お菓子、甘い飲み物、夜食などは、一つひとつは小さく見えます。
しかし、毎日の習慣になると無視できません。
厚生労働省は、高尿酸血症の予防として甘い飲料やジュースを控えることを挙げています。また、日本のガイドラインでも高フルクトース摂取を避ける考え方が示されています。
私が少食を続けて気づいたのは、
少食の効果は「一食の量が減ること」だけではない
ということです。
「食べる回数」が減る。
「何となく食べる」が減る。
「口寂しいから食べる」が減る。
その結果として、余計な糖分やエネルギーの摂取も減っていきました。
私にとって、少食とは、単なるカロリー制限ではありません。
食欲に振り回される生活から、食事を自分でコントロールする生活へ変える方法
だったのです。
3.一度に大量の肉・魚を取る機会が減った
痛風になると「プリン体」という言葉が気になります。
確かに、プリン体の多い食品を大量に食べ続けることは避けたいところです。
ただし、痛風対策を「プリン体の多い食品を全部禁止する」という話だけにすると、食生活が苦しくなってしまいます。
厚生労働省は、プリン体の摂取量が多い人は控えつつ、野菜、果物、豆類、全粒穀類などを含めたバランスのよい食事を勧めています。
私が少食にしてよかったと感じるのは、
「禁止」するより「大量に食べない」生活になったことです。
肉を食べるとしても山盛りにしない。
魚を食べるとしても、ほかの食品と組み合わせる。
一つの食品ばかりに偏らない。
そして、特に注意したいのがお酒です。
アルコールは単に「ビールにはプリン体がある」というだけではなく、アルコール自体が尿酸値を上げる方向に働くことが知られています。厚生労働省も、種類を問わず飲酒量を見直すことを勧めています。
だから、私は、
痛風対策は「○○を食べなければ安心」ではなく、総量と食生活全体を見ることが大切
だと考えています。
4.水分を意識する余裕が生まれた
食生活をシンプルにしていくと、不思議なことに、水分にも意識が向くようになりました。
「何を食べようか」
「もっと食べたい」
ということばかり考えていた頃より、
「今日は水分をちゃんと取っているだろうか」
と考えられるようになったのです。
厚生労働省は、高尿酸血症の予防や尿路結石対策として水分摂取を挙げています。
私自身も、水やお茶をこまめに飲むことを意識しています。
ただし、心臓病や腎臓病などで、医師から水分制限を受けている場合は別です。
「痛風だから、とにかく大量の水を飲めばいい」わけではありません。
自分の身体の状態に合わせることが大切です。
私が感じたのは、少食を始めることで、
食事量
↓
間食
↓
甘い飲み物
↓
水分補給
というように、生活習慣を連鎖的に見直せるようになったことでした。
これこそ、少食の隠れたメリットだったと思います。
5.最大の理由は「痛風を生む生活全体」を変えられたこと
そして、私が最も重要だと思っているのが5つ目です。
少食が役立った本当の理由は、
少食そのものに、特別な治療効果があったからではなく、生活全体を立て直すきっかけになったから
ではないかと思っています。
以前なら、
「痛風だからプリン体だけ減らそう」
と考えていました。
しかし、今は違います。
見るべきなのは、
食事の総量
体重
甘い飲み物
アルコール
食品の偏り
水分
運動
尿酸値
腎機能
必要な治療
という生活全体です。
高尿酸血症・痛風の診療ガイドラインでも、食事・飲酒・体重などの生活指導が重視されています。現在、日本痛風・尿酸核酸学会が掲載している第3版ガイドラインには2022年追補版があります。
そして、ここで非常に大切な注意点があります。
極端な少食や絶食はおすすめしない
「少食がいいなら、食べなければ、もっといいのでは?」
これは危険な考え方です。
急激な減量や極端な食事制限では、ケトン体の増加などによって、尿酸の排泄が低下し、かえって尿酸値が上昇する場合があります。極端な絶食は、私がここで勧めている「腹八分目」とはまったく別物です。
だから、私がおすすめしたいのは、
100食べていた人が、いきなり30にすることではありません。
まずは、
「満腹まで食べるのをやめる」
「おかわりをやめる」
「間食を1回減らす」
「甘い飲み物を水やお茶に替える」
といった、小さな改善からです。
これなら続けやすい。
そして、何より、人生そのものを苦しくしません。
今日から始められる「痛風×腹八分目」5つのルール
私なら、いきなり厳しい食事制限をするより、まず次の5つから始めます。
1.満腹になる一歩手前で箸を置く
「もう少し食べられる」くらいで終わる習慣をつくります。
2.おかわりを習慣にしない
最初から、食べる量を決めておくと、食べ過ぎ防止になります。
3.甘い飲み物を日常飲料にしない
普段の水分補給は水や無糖のお茶を中心にします。
4.酒と大量のつまみをセットにしない
アルコールそのものが尿酸に影響するため、「プリン体ゼロの酒なら安心」とは考えないほうがよいでしょう。
5.体重だけでなく尿酸値も確認する
感覚だけで「改善した」と判断せず、健康診断や血液検査で確認します。
この5つなら、特別な健康食品も高額なサプリメントも必要ありません。
まずは、食べ方を変えることから始められます。
まとめ|私を変えたのは「食べないこと」ではなく「食べ過ぎないこと」だった
私が、痛風との長い付き合いの中で学んだのは、
身体は、一度の特別な健康法より、毎日の小さな習慣に大きく左右される
ということでした。
少食が、私の痛風対策に役立ったと感じる理由は、次の5つです。
食べ過ぎによる余分なエネルギーを減らせた
甘いものや間食の「ついで食い」が減った
一度に、大量の肉・魚を取る機会が減った
水分まで意識する生活になった
痛風につながる生活習慣全体を見直せた
私にとって少食とは、
ガマンして食べない健康法ではありません。
むしろ、
「身体に必要なものを食べ、余計なものを食べ過ぎない」
という考え方です。
痛風発作を何度も経験すると、「二度とあの痛みを味わいたくない」と思います。
その気持ちは、私にもよくわかります。
だからこそ、極端な方法に走るのではなく、まず、今日の一食から変えてみる。
ご飯を少し減らす。
おかわりをやめる。
お菓子を一つ減らす。
水やお茶をこまめに飲む。
そんな小さな一歩でも、半年後、1年後には、大きな差になっていく可能性があります。
痛風対策は、「一生食べたいものをガマンする人生」をつくることではありません。
私が目指しているのは、
食べ方を整えることで、発作への不安に振り回されない毎日をつくることです。
なお、少食や食事改善は医療の代わりではありません。痛風発作を繰り返している方、尿酸値が高い方、腎機能に問題がある方などは、自己判断だけで済ませず、医療機関で検査・治療について相談してください。痛風発作には、薬物治療が必要になることもあります。
参考資料
・厚生労働省系「健康日本21アクション支援システム」高尿酸血症
・厚生労働省系「アルコールと高尿酸血症・痛風」
・日本痛風・尿酸核酸学会「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版・2022年追補版」
・公益財団法人 痛風・尿酸財団
