65.日本列島はいまも動き続けている ~JIBANNOTE~
私たちが立つ大地は、「完成形」ではありません。
日本列島は今も動き続けています。
日本列島の面積は、世界の陸地のわずか400分の1。
それにもかかわらず、世界で発生する地震の約10%が、この小さな列島に集中しています。
この数字が示すのは、日本列島が「とても小さく、とても揺れやすい場所」にあるという事実です。
そしてその揺れは、過去の話ではありません。
日本列島はいまこの瞬間も、静かに、確実に姿を変え続けています。

2011年、列島が動いた瞬間を私たちは目撃した
2011年の東北地方太平洋沖地震。
あの日揺れたのは、家や建物、町だけではありません。
日本列島そのものが動きました。
この巨大地震によって、私たちが暮らす東日本は、北アメリカプレートごと大きく引きずられました。
その結果――
●日本列島は最大で約5.3m、海側へ移動
●太平洋沿岸では、地盤が最大約1.2m沈降
地図の上では見えない変化ですが、地盤の世界では「決定的な出来事」です。
地面は固定された舞台ではなく、巨大なプレートの上に乗った、動く足場なのです。

大陸は、ゆっくりと旅をしている
こうした現象は、日本だけの特別な話ではありません。
地球全体を見渡すと、大陸そのものが、今もなお、ゆっくりと移動し続けています。
約2億5,000万年前、地球には「パンゲア」と呼ばれるひとつの超大陸が存在していました。
それが分裂を始め、長い時間をかけて、いま私たちが知る大陸の姿となりました。
そして――
約3億年後、再び大陸は集まると予想されています。
その頃、日本列島はユーラシア大陸とくっつき、
「独立した列島」ではなく、その一部になっているでしょう。
国のかたちは、永遠ではないのです。

刹那の時間を、動く大地の上で生きる
46億年という地球の歴史の中で、人類が存在している時間は、ほんの一瞬にすぎません。
けれど、その一瞬のあいだに
私たちは地面の上に家を建て、街をつくり、文明を積み重ねてきました。
だからこそ――
地盤を知ることは、地球と向き合うこと。
変化する大地を理解することは、未来を守ること。
大地はいまも動いています。
その上で生きる私たちもまた、変化の途中にいる存在です。
刹那の存在だからこそ、
この場所で、この時間を、どう生きるのか。
その問いを胸に、
私たちは今日も、動く大地の上に立っています。
【Better World Words】
「いずれあたしも死んでいく
死に方はきっと選べない
ならば生き方を選びましょう
前例がないような奇抜なのを」
シンガーソングライター 日食なつこ
(『開拓者』より)

今日の「地盤の音」はどんな音色を奏でていますか?
