「なんでHSPって、他人軸になりやすいんですか?」5つの理由と自分軸に戻る方法
先日、HSPのがっこう「rasiicu」のインスタに、こんなDMをいただきました。
「なんでHSPって、他人軸になりやすいんですか?
その理由を、インスタライブで紹介してもらえませんか?」
そこでインスタライブでお話ししたところ、
「それ、もっと詳しく知りたいです」
という声もいただいたので、今日はnoteにまとめてみますね。
先にいちばん大事なことをお伝えしておくと——
繊細さんが他人軸になりやすいのには、 ちゃんと理由があります。
感受性のしくみからくる、ごく自然なこと。
意思が弱いとか、自分がないとかそういうことじゃない。
そのしくみがわかると、自分を責める必要がないことがわかるし、
じゃあどうすればいいかも見えてきやすいですよね。
それでは、5つの理由、いってみましょう。
① 他人の感情が、自分の感情より「先に」入ってくる
繊細さん・HSPさんは、生まれつき、周囲の小さな変化に気づきやすく、受け取った情報を深く処理する傾向があると言われています。
相手の表情のちょっとした変化。
声のトーン。
場の空気。
ほんの小さな違和感。
そういうものを、意識するより前に、無意識のレベルで拾ってしまう。
自分がどう感じているかを確認する前に、相手の様子や雰囲気へ意識が向いていることも多いのではないでしょうか。
僕はこれを、
他人の情報が、自分の感覚より先に入ってきやすい特性
として受け止めています。
自分軸を持てないんじゃなくて、まず相手の情報がたくさん入ってくる。
その結果、自分の気持ちを確認するのが、どうしても後回しになりやすいんですよね。
② 共感が「観察」じゃなくて「体験」になっている
繊細さんが誰かの感情に触れたとき、
脳が「自分ごと」のように反応しやすい——という研究もあります。
「相手の気持ちを想像している」というより、
相手の気持ちを、自分の体でも感じてしまっている感覚に近いのかもしれません。
たとえば僕は、映画やドラマで誰かが痛めつけられる場面を、観てられないんですよね。
怖いというのもあるんだけど、
「うわ、痛っ」
と、自分の体に刺さるような感覚になります。
完全に、「観察」より「体験」に近い。
そうなると、目の前の人の落ち込みや不機嫌さも、自分のことのように強く感じやすくなります。
相手につらそうな顔をされると、自分まで苦しくなる。
場の空気が悪くなると、自分の体も落ち着かなくなる。
その苦しさを何とかしようとして、相手に合わせすぎたり、相手の問題に深く入り込んだりすることもあります。
自分と相手の境界線が、あいまいになりやすいんですよね。
これ、思い当たる方も多いんじゃないでしょうか。
③ 子どもの頃の環境から、人一倍強く影響を受けていることがある
感受性の高い人は、良くも悪くも、
まわりの環境から人一倍強く影響を受けると言われています。
とくに、小さな頃の環境の影響は大きい。
もし子どもの頃に、
「自分を出すといやな顔をされる」
「察して動くと褒められる」
「親の機嫌を損ねない方が安全だ」
といった経験を繰り返してきたとしたら、その環境に合わせる方法を学習して身につけていることがあります。
相手の顔色を読む。
自分の気持ちより、場の空気を優先する。
期待されていることを先回りする。
他人軸に見えるこうした行動も、当時の環境の中で自分を守り、人とつながるために身につけた戦略だったのかもしれません。
だから、他人軸って単純に性格の問題というわけじゃない。
そのときの自分にとっては、それがいちばん安全で、いちばん賢い方法だった可能性もあります。
まずは、その頃の自分に、
「そうやって自分を守ってくれていたんだね」
と言ってあげてくださいね。
④ 「場の調和」を優先したくなることがある
対立や、ピリピリした空気。
繊細さんにとってこれは、
単に気分の問題だけじゃなく、
体や神経への実際の負荷がかかってる。
僕もピリピリした空気感、ほんとに苦手です笑
そのため、自分の意見を通して場が荒れるくらいなら、相手に合わせた方が負担が少ないと、無意識に判断していることもあるのかもしれません。
自分の意見を伝える。
すると、相手が不機嫌になるかもしれない。
空気が重くなるかもしれない。
その場に居続けるだけで、自分も消耗するかもしれない。
それなら、
「自分が合わせればいいか」
となることも多いかもしれません。
もちろん、謙虚さとか、調和を大切にしたいという価値観から来ていることもありますが
自分の心身の消耗を避けるために身についた反応である場合もあります。
我慢強いというより、合わせた方が自分への負担が少ないと、体が覚えていることもあるんですよね。
⑤ 「自分の感覚への不信感」が育っていることも
最後の理由は、研究や心理学からの説明というより、たくさんの繊細さんたちと関わってきたなかで、僕が何度も感じてきたこと。
繊細さんの多くは、これまでの人生で
「気にしすぎだよ」
「考えすぎだよ」
「そんなこと、普通は気にならないよ」
と言われてきた経験があるのではないでしょうか。
(なかには、「夫に毎日のように言われています」という方も!)
すると、少しづつ、
「自分の感じ方は、何かおかしいのかもしれない」
という前提が、心の中に育ってしまいます。
自分のセンサーを信用できない。
だから、他人の基準を借りる。
周りの人が大丈夫と言うなら、大丈夫なのだろう。
周りの人が正しいと言うなら、自分の方が間違っているのだろう。
そうやって、自分の感覚より、他人の答えを優先するようになってきた方もとても多いです。
でもこれって、自分軸が「ない」のではないと思うんです。
自分軸の材料である「自分の感覚への信頼」が、少しづつ揺らいできた状態なんですよね。
だとしたら、やることは、自分の感覚への信頼をまずは少しずつ取り戻していくことなのだと思います。

じゃあ、どうしたらいいの?
ここまで読んで、
「理由はわかった。でも、どうすればいいの?」
となりますよね。
ここからは、僕が大切だと思っている3つのことをお伝えします。
ひとつめ。気遣いの疲れを、自分でねぎらう
ここまで見てきたように、繊細さんは人といるだけでも、無意識にたくさんの情報を受け取っています。
相手の表情を読む。
場の雰囲気を確認する。
相手が心地よくいられるように気を配る。
何もしていないように見えても、内側ではたくさん働いているんですよね。
それだけエネルギーを使っているのだから、疲れて当然です。
だから、まずはその疲れを認めて、ねぎらってあげてほしいんです。
「今日もいっぱい気を配ったね」と。
自分に共感してもらえるだけでも、心身の疲れ具合が違ってきます。
ふたつめ。「立ち戻る自分軸」を意識する
繊細さんは、どうしても境界線を越えて、
意識が相手の方に行きやすいところがあります。
でも、相手の方に意識が向くこと自体を、完全になくす必要はありません。
僕が考える自分軸とは、いつもブレないことではありません。
相手に意識が向いたあとでも、自分の感覚や価値観へ戻ってこられること
です。
そのためには、自分にとって戻る場所が何なのかを、ふだんから知っておくことが大切です。
自分が大切にしたいこと。
自分が本当はどう感じているか。
自分が好きなもの。
自分が心地よいと感じる状態。
自分がどう生きたいのか。
相手側に意識が行くことを止められなくても、
「あ、今また相手の方に行っていたな」
「いったん自分に戻ろう」
と気づくことはできます。
行きっぱなしになるのと、自分に戻ってこられるのとでは、全然違います。
自分軸って、何度でも自分に戻ってくる力なのだと思います。
みっつめ。感じやすさを、強みとして生かす。
ここまで「他人軸になりやすい理由」としてお話ししてきたことは、裏を返せば、
相手のことを深く感じ取れる力
でもあります。
人の気持ちの小さな変化に気づける。
場の空気を読み、そっと動ける。
言葉にならないつらさを感じ取れる。
相手が本当に求めていることを想像できる。
実際、この感受性を仕事や人間関係の中で強みとして生かしている繊細さんは、たくさんいらっしゃいます。
感じやすさは、消すものじゃなくて、生かすもの。
他人軸に飲み込まれず、自分の感覚に戻ってくる土台が整えば、
この感受性は、あなたらしく人や社会と関わるための大切な強みになっていくと思います。
まとめ
繊細さん・HSPが他人軸になりやすい背景として、
周囲の小さな変化をたくさん受け取ること
相手の感情を自分のことのように感じること
子どもの頃の環境から強く影響を受けていること
対立や場の緊張を大きな負担として感じること
自分の感覚への信頼が削られてきたこと
などが関係していることがあります。
だから、他人軸になってしまう自分を責めなくて大丈夫。
そのうえで、
気遣いによる疲れをねぎらう。
自分の感覚や価値観に立ち戻る。
感じやすさを強みとして生かす。
この3つを、少しずつ意識してもらえたらと思います。
他人に意識が向くこと自体は、悪いことではありません。
それは、人を大切にできる力でもあります。
ただ、他人を大切にするのと同じくらい、自分の感覚も大切にしてあげる。
それが、繊細さんにとっての自分軸なのかもしれません。
続きを書きました
この記事を書いたあと、「じゃあ、繊細さんにとって自分軸って何なんだろう?」というテーマを、もう少し深く考えてみました。
僕は、自分軸は「ブレないこと」ではなく、何度でも自分に戻ってこられることだと思っています。
続きはこちらです。
もうひとつ、僕自身の話も書きました
僕自身も、ずっと人の顔色を気にして生きてきました。
そこから少しずつ「自分の感覚」を取り戻していった話です。
\ 今回の「自分をミカタにする質問」 /
最近、相手側に意識が行きっぱなしになっていた場面はありますか?
そのとき、どんな自分の感覚や、大切にしたいことに戻ってこられたらよさそうですか?
よかったらコメントで教えてもらえたら嬉しいです。
最後まで読んでくださって、ありがとうございます。
このnoteが、自分をミカタにしながら、毎日を心地よく生きるヒントになれば嬉しいです。
月2回くらい、「自分をミカタにするレター」も届けています。
頑張りすぎたときに少し自分に戻ったり、自分の価値観や強みに気づいたり、自分らしい未来を考えるきっかけになるようなレターです。
よかったら、こちらからどうぞ。
