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減塩生活30年:そばを食べるのに必要なつゆを試してみる


はじめに


 わたしはめん類が好き。この好みは、祖父ゆずりかもしれない。とはいえ減塩生活を30年ほどつづけている。塩分を控えつつめん類を味わう。この一見すると矛盾しているかのような状態をいかに回避しておいしくいただくか。

きょうはそんな話。

めん類


 そばは、めん類のなかでもっとも好む。うどんを名物とする街で生まれながら、そんなうどん屋でそばを注文してしまうぐらい。うどんやそうめんは「太さのちがい?」ぐらいにしか感じとれない。ついでに冷や麦はその中間タイプか。

一方、そばの風味はわたしの舌に多様に感じる。もともとの主要な材料はそば粉。そばを自分でも栽培したが、ほかの作物はよく育ってもこの畑では育たなかった。いくたび蒔いてもいつの間にか消えていく。しかたなしにさまざまな土地で採れたそばを味わう。

そばを打つ


 そばはわりと収穫祭の時期に地元で振る舞われていた。この地ではこの時期に大勢が寄り集まってそばを打つ。その道具が各家庭にわりとそろっているほど。わたしの畑では育たないそばが、この地ではむかしはわりと豊富につくられていたらしい。その名残で収穫祭の行事が、地区の催しとして残っている。

もちろん素人の集団だからできたそばはプロが打つように細長くできず、ゆでるうちにぽそぽそと短く切れてしまう。それはそれで構わない。だしをしっかり焼いた魚から取り、さまざまな具を入れて楽しむ。

家で


 その様子を思い出すとそばを食べたくなる。現在は無塩で作るタイプの乾麺を常備する。食べたくなったらたいてい夏場はざるそばで。だしはシイタケとかつお節、もしくはかつお節と昆布でつゆに。その時々に応じて気ままに変えて楽しむ。

うどんとくらべるとそばのほうがだしをしっかり取ったほうがおいしいと感じる。そのためかつお節よりもあればさば節、なければさばの缶詰でもいい。けっこう強いだしのほうがそばに合うと思う。

食べ比べ


 乾麺でもそばの風味をけっこう感じられる商品がある。店で手に取り食べ比べる。最近は地元産のものをよく選ぶ。しっかりそばの香りがしておいしい。そこそこ強いだしでしょうゆはほんの少し、色つけ程度にしか加えない。したがって塩分をほとんどだしの風味とそばの香りが両方感じられるぐらい。減塩のため、そばの先端につゆをちょんと触れるだけ。浸しはしない。すする最後につゆの味とともに口に入る。

市販の瓶入りのつゆをためしに買ってみた。近ごろの市販品のなかにはけっこう減塩を意識したものが出てきている。自分で素材からだしをとり、つゆにする場合とくらべ、減塩の状況を把握する意味からもっとも容量の小さいもので確かめてみようと思った。

おわりに


 ある市販品を例に。3倍希釈タイプ。通常は薄めて用いるとびんに記してある。ちなみにふだんのだし付きの袋めんでは、ゆで汁を変えた上に、スープの袋は全量の1/4~1/6しか必要ない。こうしても塩分は1gほど残る。これでも濃いと感じる。さて、この瓶入りのつゆはどうだろう。

なんと原液の12倍希釈でちょうどよかった。もちろん市販品の種類によってちがう。そばを先端しか浸けないので量も3分の1ほどしかいらず、食べ終わっても量はほとんど減らない。ほぼ通常使う12分の1の消費量。

他にも原液でそのまま使うものならば、ほぼ3倍希釈でちょうどいい。これでじゅうぶんおいしい。30年減塩生活を続けた舌に、まだ市販品のそばつゆでそのまま使えるものには出会えない。


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