ごくごく身近な道端の木が植物の持つ重要な働きの一端を知らせてくれたらしい
はじめに
細かな内容はここでは触れられないが、研究で調べていくうちにけっこう植物にとり大事な機能を見つけたかも知れない。奥歯に物が挟まったような言いまわしで申し訳ないが、これも守秘義務のあること。専門の方がお読みになれば遠まわしでも気づいてしまいかねない。やむなくここでは読者の皆様に隔靴掻痒の表現で記すことに。
きょうはそんな話。
調べていくと
生命科学の分野では動物、植物そして微生物を対象にしてさまざまな生命現象を探る。たいてい動物で見つかったのちに、それならば植物では⋯と相成る。たいていは共通の機能なことが多いが、たまにはそうでないことも。ここまで書いてきて、ことがことだけにここから先はすでに具体的には何ら触れられない。
偶然だが、あるデータを整理していて「おや?」と気づいた。ずらりとある指標にもとづいて整理すると見慣れない共通した性質が見られた。本当かなと対象となる植物の種類を十倍ほどに拡げてやってみる。間違いない、それを表す数値もかつて見たことがないほど。何か操作を間違ったのだろうと、最初からやり直す。するとふたたびおなじデータが出現する。
おかしいな。ふつうにやってきたことをたまたま焦点をあてていなかった対象に適用しているだけ。それほど手慣れた操作について、見当違いのことをやってしまう余地はほとんどない。
なぜだろう
あまりに出来すぎのデータ。こんなときは注意しないと足元をすくわれる。科学者は信用第一。いいかげんな仮説程度ではだれからも見向きもされない。まずは既報がないか調べてみる。たしかに数年前の論文にそこそこ近い内容はあったが対象は動物。しかもcell誌。医学・生化学・分子生物学などのライフサイエンスの分野での最高峰と言って間違いない学術誌。かたやわたしの対象とするのはある植物。散歩コースに若木が生えている。しかも今回気づいて調べた情報は、入手できる範囲のさまざまな植物で共通に見られた。
まさか。やはり自分を疑った。こんなことはそんなにあるはずがない。やはり間違いだろう。数日データを置いて冷静な頭でもう一度手順をたしかめつつ、おなじ操作をやってみた。結局、何度やっただろう。やはり同じ結果が出てくる。
実証方法は
仮説にとどまっていては何もならない。実際に手を動かし確かめねば。その手がかりは細胞の機能にあり、最先端の諸分野をいずれも寄せ集めた先に結論はある。研究を15年ほど中休みしたわたしは、休んでいた間の穴を埋めるべくなるべく広い範囲でテキストを読み直し、ようやく新たな原理や原則につかう用語の意味を知れるようになりつつある。すでに当該分野の手法や考え方はひと昔前とは半分以上異なり、その先を行くにはいくつかの先端分野の基礎が必要な状況。
その地固めというか基礎を埋める作業が、ギャップのあるわたしにはどれもが新鮮で役立ってきたのかも知れない。ふりかえるとどれも基本でありながら、意外にもそのすぐ先には未知の世界がいくつもひろがっているとわかる。植物の場合にはなおさらそうで、こどもたちの夏休みの宿題レベルのすぐ先にすらまだ見知らぬ世界が果てしなくひろがっている。
おわりに
自分たちのやれる範囲で実験して確かめるしかない。今回の仮説どおりでもそのとおりでなくてもいずれにしても興味深い。あとは地道にやっていくしかない。むしろ実験してその真実が知れることにこそ科学に触れる喜びがある。
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