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Podcast: 学びの場は、問いを育てる場と成果へ編み込む場に分けて設計する

研修のあとに、すぐ現場で成果が出たかを確かめる。
人材開発に携わるほど、その問いは大切になります。
ただ、その問いを早く置きすぎると、まだ言葉になっていない違和感や、他者の視点に触れて自分の前提を揺らす時間まで、成果が出ない場として切り捨ててしまいます。

今日のPodcastで考えたいのは、学びの効果測定を緩くすることではありません。
学びの場には、問いを育てる場と、学んだことを仕事の行動や成果へ編み込む場がある。
二つを同じ目的・時間軸・評価軸で扱わない、という設計の話です。

リクルートワークス研究所の研究やレゾナックの実践は、学びを本人の意欲だけに任せず、関係や仕事の開き方、場のつくり方として捉え直すヒントになります。

今回いちばん面白いところ

今回いちばん面白いのは、学習施策を「効果があるか、ないか」の二択から解放できることです。

問いを育てる場は、正解を急がず、異なる経験や未完成の考えを持ち寄る場です。そこでは、すぐ役に立つ答えよりも、何を見落としていたか、誰の見方が足りなかったかを発見することに意味があります。

一方で、成果へ編み込む場では、仕事の判断、協働、行動を変えるところまで進めます。
両方とも必要ですが、前者を短期KPIで急かせば対話は萎縮し、後者を曖昧な交流で終えれば実務は変わりません。

何が起きているのか

学びが起きにくい職場では、研修機会の数だけが足りないわけではありません。成長や仕事について意見を交換できる関係、助言、改善志向のフィードバックが乏しいと、学ぶ理由そのものが見えにくくなります。

1つ目は、問いを持ち寄る接点が少ないことです。

仕事が滞りなく回っていても、他部署、社外、専門外の人と接点がなければ、既存のやり方を問い直すきっかけは生まれにくいものです。
社内コミュニティや越境の場は、気分転換ではなく、問いをつくる土壌になり得ます。

2つ目は、未完成の考えを出しにくいことです。

答えや結論をすぐ求める会議では、仮説や迷いは出にくくなります。レゾナックのラーニングフェスの意味も、大きなイベントを開いたことより、選択・交流・社内の知の可視化を通じて、未完成を持ち寄れる条件を組織的につくった点にあります。

3つ目は、学びを仕事へつなぐ場が曖昧なことです。

問いを深めることと、次の仕事で試すことは別の営みです。
どの会議、1on1、振り返りで、誰が実務への接続を確かめるのかが決まっていなければ、良い対話も日常の判断に編み込まれません。

なぜそれが重要なのか

測ることをやめる必要はありません。
大切なのは、どの場を、いつ、何で測るかを分けることです。

1つ目は、対話の役割を守れるからです。

問いを育てる場で見るべきなのは、短期の売上や即効性ではありません。
異なる視点が入り、前提が言葉になり、次に確かめたい問いが生まれたかを見ます。
ここを早く成果で裁くと、組織は分かっていることだけを話すようになります。

2つ目は、実務への接続を曖昧にしないためです。

成果へ編み込む場では、学びを誰のどの仕事で試すか、何が変われば前進と言えるかを決めます。
時間を置いてから、判断、協働、顧客への対応、チームの進め方がどう変わったかを振り返ります。

3つ目は、責任分担をつくれるからです。

人事だけが学びを担うのではありません。
経営は問いを急いで閉じない余白を認め、管理職は日常の仕事で試す場を整え、現場は気づきと結果を持ち寄る。
この分担があると、学習施策は単発のイベントから組織の習慣へ近づきます。

現場で見るなら

明日、いまある会議、1on1、社内コミュニティを眺めるときは、次の三つを確かめてみてください。

1つ目は、その場は何を育てるための場かです。

問いを広げる場なのか、判断して試す場なのか。
目的を一つの文で言えない場は、参加者にも期待値が伝わりません。

2つ目は、その場に合う時間軸を置けているかです。

問いを育てる場に翌月の成果だけを求めていないか。実務へ編み込む場を「いつか役立つはず」で終わらせていないか。
時間軸を分けるだけで、場に必要な会話が見えやすくなります。

3つ目は、評価の言葉が場を壊していないかです。

参加率や満足度だけでは、問いが生まれたかも、仕事が変わったかも分かりません。それぞれの場に合わせて、問いの質、接点の広がり、試行、実務上の変化を見られるようにします。

今日の持ち帰り

今日の持ち帰りは、一つです。

学びを持続させるには、問いを育てる場と成果へ編み込む場を、同じKPIで管理しない。

問いを育てる場は、すぐ答えを出さないからこそ価値があります。成果へ編み込む場は、仕事で試し振り返るからこそ価値があります。
どちらか一方を強くするのではなく、二つの役割をつなぐ設計にすることが、人材開発を日常の仕事に戻していきます。

だから明日、まずは自社の学びの場が、どちらの役割を担うのかを言葉にしてみてください。

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