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Podcast: 管理職になりたい人が15.7%の組織で、昇進を評価のご褒美のままにしてよいか

評価が高い人を昇進させれば、管理職の問題は解けるのか。昇進会議が近づくと、つい私たちは過去の成果、専門性、周囲からの評価を中心に候補者を見ます。もちろん、それは欠かせません。

ただ、その人が就任後に引き受けるのは、これまでと同じ仕事の延長だけではありません。意思決定の重さ、部下の育成、関係者との調整、そしてチームの成果に対する責任が加わります。評価が高いことと、その役割を引き受ける条件が整っていることは、同じではないはずです。

パーソル総合研究所の「働く10,000人の就業・成長定点調査 2026」では、現在の会社で管理職になりたい人は15.7%でした。この数字を「意欲が足りない」と読むのではなく、管理職という仕事がどのように見えているのかを確かめる入口にしたいところです。

今回のPodcastでは、昇進を成果へのご褒美で終わらせず、これから任せる役割・裁量・支援を本人と組織で確かめる場へ変える視点を話しました。

15.7%が示す問い

管理職になりたい人が少ないことは、管理職という役割そのものが拒まれているという意味ではありません。役割の中身が見えにくい、負荷に見合う裁量があるのか分からない、就任後に誰が支えてくれるのか見えない。そうした慎重さも、この数字の背景にはあり得ます。

同じ調査では、仕事選びで「自分のやりたい仕事」であることを重視する人は26.4%、「自律的に自分の判断で仕事を進められること」を重視する人は14.2%でした。職場の人間関係への満足は52.2%、直属上司への満足は46.7%です。

数字から一つの原因を断定することはできません。それでも、候補者が管理職の仕事を判断するときには、肩書きや報酬だけでなく、任される判断、上司やチームとの関係、必要な支援が見えているかが大切だと考えられます。

昇進で分けて見ること

昇進判断では、過去の成果を見ることと、これから任せる役割を設計することを、意識して分けてみる必要があります。

1つ目は、過去の成果です。

どんな仕事で価値を出してきたか、専門性をどう磨いてきたか、周囲からどのような信頼を得ているか。これは登用の重要な根拠です。ただし、過去の成果が高いことだけで、次の役割に必要な条件まで自動的に満たされるわけではありません。

2つ目は、これから任せる意思決定です。

その人は何を決めるのか。どこまで裁量を持つのか。自分で完結する仕事から、部下や他部署を通じて成果をつくる仕事へ、何が変わるのか。上位管理職がここを具体的に言葉にできなければ、候補者も引き受ける仕事を想像できません。

3つ目は、就任後の支援です。

最初の数か月に誰が相談相手になるのか。難しい人事判断をどこまで一人で抱え込まなくてよいのか。育成や関係調整で迷ったとき、どんな支援が受けられるのか。登用は任命通知で終わるものではなく、支援の約束まで含めた設計です。

登用面談を役割の合意にする

候補者との面談で「昇進を受けますか」とだけ尋ねても、対話は浅くなりがちです。代わりに、本人が担う仕事の中身を一緒に確かめる会話を置いてみます。

たとえば、「この役割で、あなたに最初に決めてほしいことは何か」「今までの仕事と比べて、部下育成や関係調整の比重はどう変わるか」「どの場面で上位者に相談してよいのか」といった問いです。候補者が迷いや懸念を話せることは、意欲が低い証拠ではありません。仕事を引き受ける条件を真剣に確かめている証拠です。

この対話を通じて、本人の強みだけでなく、役割に足りない支援や組織側の曖昧さも見えてきます。管理職に向いているかを一度で判定するより、本人と組織が何を準備すればよいかを具体化するほうが、登用後の立ち上がりにつながります。

次の昇進会議で見ること

来月の昇進会議で、候補者リストの横に問いを一つ加えるなら、「この人に、次の役割で何を決めてもらうのか」がおすすめです。

1つ目は、役割の中身を言葉にできるかです。

担当範囲や人数だけでなく、どんな意思決定と人の育成を任せるのかを、上位管理職と人事でそろえておきます。

2つ目は、裁量と責任がつり合っているかです。

責任だけを増やして、判断に必要な情報や権限が渡らない状態になっていないかを確認します。

3つ目は、最初の支援が約束されているかです。

就任直後の相談先、期待する行動、困ったときのエスカレーションを、本人が知っている状態にします。

今日の持ち帰り

今日の持ち帰りは、一つです。

管理職登用は、評価のご褒美ではなく、これから任せる仕事・裁量・支援を本人と組織で確かめる役割設計の場にする。

志望率を上げること自体を目的にする必要はありません。むしろ、管理職の仕事を過度に魅力的に見せるより、何を担い、どこまで判断でき、どんな支援があるのかを正直に示すほうが、本人にも組織にも誠実です。

成果を認めることと、次の役割を任せること。その二つを同じ会議で扱うなら、評価の言葉だけでは足りません。候補者が引き受ける未来の仕事まで言葉にできているか。だから明日、ここを見る。

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