漫画 神童 さそうあきら 音楽とは 夜明けの読書室
音楽と再生を描いた4冊の漫画
今日も「感謝」から始まる朝
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おはようございます。
今日も感謝から始まる一日。
今朝はブラームスの交響曲第一番に針を落とした。
今は、リヒテルが奏でるピアノ協奏曲第2番。
今日は、本棚に4冊並んでいる神童と呼ばれたピアニストの漫画について。

漫画
漫画は卒業したなんて言わないが、高校生のときの『あしたのジョー』でジョーがリングの上で真っ白になったときに終わっている。アニメも見ない。
この漫画は、随分前になるな。朝日新聞の書評を読んでしまったから。「手塚治虫文化賞」で「優秀賞」も立派なのだろうけど、それだけで読むことはないから、書評から「これは読みたい!」と思ったことは、はっきりと覚えている。決して、上手とは言えない「絵」にも、何故か惹かれた。何故?この下手な絵。幼いころ、漫画家になるといって、いつもエイトマンや鉄人28号やレオを描いていた自分の方がもう少しまともな絵は描けるだろうと思ってしまうくらい。

神童「うた」の物語

ストーリーが素晴らしいのだ。
その子は、「うた」といった。
女の子なのに野球が半端なく上手かった。野球が大好きな女の子が、ピアノの神童と言われる存在になっていく。
物語冒頭に出会った音大志望の落ちこぼれピアニストとの友情、「うた」が野球から天才ピアニストとして上りつめて行く過程、そして挫折。どうすることも出来ない病。ピアニストにとって致命的な。
様々な音についてのエピソードも魅力だ。僕が大好きなジャンベ(ジンベ。西アフリカ一帯に広がる朝顔状の太鼓)も出てくる。ともすれば高尚と思われがちなクラシック音楽にまつわる話ばかりではない。とても身近にわかりやすく描いている作者の構想力はかなりのものだなと思ったことも覚えている。
この物語を映画にしたら、面白いだろうなと思ったことも。事実、数年後に映画化されている。でも、無理だと思っていたので、映画は見なかった。この物語は、この下手な絵も味なのだ。
笑いと涙の漫画体験
ひとつひとつのエピソードに音楽の感動が詰まっているんだよ。
おそらく1999年に買った、この漫画本4冊を当時何度も読んで、読む度に声を出して笑って、そして泣いたことを覚えている。電車の中で読んではいけないと思ったことも覚えている。
この漫画をミュージシャンにプレゼントしたこともある。日本で一番の素晴らしいシタールの演奏家。彼が演奏活動をしていたイスラエルから帰国して、どういうわけか僕にプロモートしてほしいと話があり青山のカフェに出かけていった。僕も頑張ったつもりだったけど、力不足だった。最後は喧嘩別れした。僕は音楽の仕事をしているなかで喧嘩というか関係性がうまくいかなくなることが多かった。その彼と密に会っているときに、シタール演奏家の彼にも読んでほしくてこの4冊をプレゼントした。僕の気持ちの何かを表したかった。そんなことも思い出してしまう。
素晴らしい漫画。ピアニストの。音楽の。そしてひとは必ず再生する。どんな病だろうが。どんなことが起ころうが。
今日は、この漫画4冊を20年ぶりに読んでいる。素晴らしいピアノを聴きながら。

