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【192】 Don't badger me!

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(写真は食肉目イタチ科アナグマ属ヨーロッパアナグマ)

【189】 コヨーテ・アグリー」で紹介したアメリカアナグマとヨーロッパアナグマ(Europeanヨーロピアン badgerバジャー)では、人々が持つイメージも実際の生態も大きく異なっている。

ヨーロッパアナグマは、欧州全域に生息する。雑食ながら草食性、虫食性が強く主食はミミズ。雄は生涯で一頭の雌としか子作りしない。夫婦で子育てし、家族で一緒に住む。

数世代に渡って迷路のような巣穴をメンテしながら棲み続ける。子作り専用部屋もあるらしい。キツネや他の動物に部屋を貸すこともある。家族で餌を分け与えたり、共同で巣穴の掃除や補修をする。危害を加えられそうになったら激しく闘う勇気がある、などなど。

さらにはキレイ好きで穴の外に専用のトイレを作る。私は、親アナグマが子に排泄場所を躾けている(ように見える)動画を見たことがあるが、外のトイレは縄張りを示すマーキングだろうと思った。

俗信を含んでいる可能性はあるが、いずれにせよ欧州では概ね「家族平和の象徴」「人格者の代表」のような動物、それがアナグマ。ハリー・ポッターの住むハッフルパフ寮のシンボルが、アナグマなのはこのためだ。

ドイツでもイギリス同様、ポジティブイメージが強く、アメリカに移民したドイツ人がヨーロッパアナグマだと誤認したのが、「【176】 穴豚ロッキーチャック」で述べたウッドチャックだ。

ウッドチャックは草食のリス科でアメリカにしかおらず、アナグマは雑食のイタチ科なので、生態は大分異なるのだが、「そんなの関係ねえ」の精神で、ドイツ系の多い地域では毎年2月2日に Groundhog Day を祝う。

また、ヨーロッパアナグマには天敵と呼べる生物がおらず、食われる心配がない。しかも「天敵ゼロ」の代表格であるハリネズミを食えるという得意技を持つ。

そのアナグマの最大の敵は人間。フランスでは高級ジビエ扱いで、実際にかなり美味らしい。また中世イギリス貴族の間では、 Badgerバジャー baitingベイティング(アナグマいじめ)という娯楽が流行した。

犬をアナグマの巣穴にけしかけて戦わす、わざわざ生捕りにしてきて、自宅で犬と戦わす、など悪烈極まりない。日本人には理解し難い娯楽である。

この風習から Badger は、「しつこくいじめる」という動詞になった。

Don't badger me!:しつこくいびるな!

ピーター・ラビットのアナグマ・トミー
たのしい川べ(The Wind in the Willows)
Mr. Badger

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