【160】 鳥獣戯画のニホンノウサギ
(写真は鳥獣戯画(模本))
現存する世界最古のマンガ。平安から鎌倉にかけて流行した「をこえ」の代表作。「をこえ」には、烏滸絵、痴絵、嗚呼絵、尾籠絵などが当てられ、意味は戯れ事。
現物は京都の栂尾山高山寺にあるが、明治時代に作られた模本を「文化遺産オンライン」で見ることができる。カエルとウサギの相撲は有名だが、他の絵もかなり面白いのでぜひ見てほしい。「【088】 獬豸と水犀」で紹介した水犀も描かれている。
全体的にウサギが主役にように見えるが、私が注目するのは耳の先っちょが黒いニホンノウサギの特徴を捉えていること、ウサギは普通に泳ぐことを表現していることだ。墨で描かれた白黒なのでウサギの毛色は分からないが、京都のウサギが白換毛するとは思えず、茶色のノウサギであろう。
日本初の人語を話す動物は、稻羽之素菟。日本初の動物同士の勧善懲悪民話はカチカチ山、日本初のマンガの主人公は日本野兎、日本初の作者が判明しているウサギが主人公の物語は『貝の火』。
体の全体は茶色で、耳の先っちょが黒くて、泳げる。これが本来の日本人が思い描くウサギだったはず。これが明治以降、人工生物のアルビノアナウサギにすり替えられてしまったことは、誠に嘆かわしい。
日本野兎名誉回復運動の輪を広げよう。
