トーストをくわえて走る遅刻しそうなクラディスは①
あらすじ
ある朝、僕は
『トーストをくわえて走る遅刻しそうなJC』
を目にした。その女の子は、遅刻しちゃう~と叫びながら、まるで昔のマンガのようにトーストを口にくわえ学校に向かってダッシュしてゆく所だった。かかとを踏んでいたスニーカーがすっぽ抜け、慌ててケンケンで取りに行って時間をロスしたりしている。それを見てなんだか僕は微笑ましく思った。
だが。
その女の子は次の日もその次の日も全く同じセリフを叫び、全く同じ場所でスニーカーを飛ばし、学校へと走ってゆくのだった。
時間まで秒単位で同じだ。
そんな事ってあるだろうか?
すっかり気になってしまった僕は
彼女の後をつけてみた。
するとそこには。
1日目
僕は社会の荒波に呑まれかけの休職中の30歳。同期には先を行かれ上司にはいびられ、すっかりヤんなったので1ヶ月前から絶賛ズル休み中である。実家に緊急避難してぐだぐだと毎日を送っている。何とか引きこもりにならないように頑張って公園や図書館やイオンのフードコート等のベンチに座って『英気を養う』のが日課だ。
今朝は近所の公園にやって来た。
7月の気持ちの良い初夏の日射し。
隣のベンチには白黒の猫ちゃんがちょこんと座ってこちらを見つめている。首輪を付けているところを見るとどこかの飼い猫なのだろう。たまに見かけるこの猫ちゃんは僕に似ていて昼間から無為に徘徊しているのでシンパシーを感じる。癒される。
公園の向こう側を小3ぐらいのランドセルの男の子が、てくてくと歩いてゆく。これから学校なのだろう。のどかな平日の朝の風景だ。
ぼんやりと公園のベンチに座っていたそんな僕の目に飛び込んで来たのはトーストを食べながら走る遅刻しそうなJC(女子中学生)だった。JCは『遅刻しちゃう~』と叫びながら、まるで昔のマンガのようにトーストを口にくわえつつ学校に向かってダッシュしてゆく。髪の毛が寝癖でピーンと立っている。かかとを踏んでいたスニーカーがすっぽ抜け、慌ててケンケンで取りに行って時間をロスしたりしている。
それを見て、僕は微笑ましい気分になった。
南中学校の制服を着た後輩の女の子。
僕は十年以上前の卒業生だが、母校の後輩なのだと思うとなんだか親近感も湧いてきた。
2日目
ニートの朝は早い。志の無いニートの朝は遅いが、僕は志のあるニートだ。だから朝も早いのだ。ネトゲやスマホで夜更かしして日に日に就寝時刻が遅くなり気が付けば昼夜逆転、なんてのは愚か者のする事だ。僕は違う。仕事がイヤんなったので働きはしないが、その他は至って健全で善良で模範的な青年なのだ僕は。
そんな訳で今日も僕は朗らかに朝の散歩から一日を始めるのだ。いつもと同じルーティーン。
いつもと同じ猫ちゃん(白黒柄なので『モノクロ』と呼ぶことにした)。
いつもと同じ小学生の男の子。
そして。
昨日見かけた寝癖のJCを今朝も見かけた。
時刻は8時4分。
面白いことに『遅刻しちゃう~』と昨日と全く同じセリフを叫びながら走っていった。
しかも昨日と同じ場所でかかとを踏んだスニーカーを飛ばして急いでケンケンで取りに行っている。おいおい。少しは学習したまえよ。
失礼ながらニヤニヤしながらその一部始終を眺めてしまった。
3日目
朝、係長から電話があった。
体調はどうだ?とか、そろそろ仕事に戻りたくなってきたんじゃないか?とか、うざくてうざくて仕方がない。適当に生返事をしてやり過ごす。通話しつつ公園のベンチに座りながらぼんやりと眺めるいつもの朝の風景。
猫のモノクロ。
ランドセルを背負った男の子。
今日も寝癖のJC。
彼女は今日も『遅刻しちゃう~』と走りながら白い2階建ての家から出てきてスニーカーを誤って飛ばし、慌ててケンケンで取りに行き、改めてそれを履いて学校に向かい走っていった。
僕は何だかざわざわしながら係長からの電話をあしらいつつ公園の大きな丸時計に目をやった。時刻は昨日と同じ8時4分を指していた。まあ実際それだけなら特に珍しい事でもないのかもしれない。毎朝毎朝同じように寝坊して遅刻するなんて、あの年頃のティーンエイジャーからすれば普通の事だ。
だがスニーカーは?
三日連続飛ばすだろうか?
正確に同じ時間に同じ場所に、、?
なんだか少しだけ気持ちがざわざわした。
夜、久しぶりに学生時代の友達のユウタと電話で話した。ユウタは外資系の一流企業に勤めている。休職中の僕は肩身が狭い。案の定『お前しっかりしろよ』と言われてしまった。話題を変えようとして毎朝公園で見かけるJCの事を話してみた。すると今度は『やばいな、お前。30の独身男が女子中学生を毎朝見てるとか犯罪だぞお前それ』と言われてしまった。
あうあう。
4日目
いいかげんに認めよう。
僕は確かに暇をもて余している。
だが一連の謎が気になって仕方ない、、。
今日はあのJCについての謎をこの目でこっそり確かめてやるつもりだ。
改めて自分に言い聞かせる。
僕が絶対にやってはいけないこと。
それは彼女に直接コンタクトを取ることだ。
30歳の独身男が朝っぱらからそのへんのJCに話し掛ける。アウトだ。一撃でアウトだ。コンプライアンスに引っ掛かるどころの話ではない。即時、警官に撃ち殺されても文句は言えまい。くわばらくわばら。
注意深く遠くから探るしか僕には道はない。
いつもの猫。いつもの男の子。
そしていつもと同じように登校するJC。
いつもと同じ風景だ。なのに、、。
見ているとじわじわと汗が出てきた。
冷や汗が出て心臓の早鐘が止まらなくなった。
理由は3つある。
①今日も全て、全く、何もかもが、同じだった事だ。『遅刻しちゃう~』と叫んだ時刻もスニーカーを飛ばした時刻も昨日と全く同じだった。ほぼ秒刻みで同じだ。
そしておそらくスニーカーの落ちた場所やひっくり返った靴の向きまでもほぼ同じだ。
②今日はよく考えたら日曜日なのだ。
彼女は日曜日に登校するのだろうか?
③そもそも今日が平日だとしても。昨夜、旧友のユウタと話してて知ったのだが、僕らの母校、南中学校(にゃんちゅう)は三年前に少子化の影響で廃校になっている(三年前、僕は仕事の研修で地方に居たので知らなかった)。
待ってくれ。じゃあなぜ彼女は廃校になった中学校の制服を毎朝着ているんだ?そして毎朝どこに出掛けているんだ?
いても立ってもいられなくなった僕は彼女の後をつけてみる事にした。不審者ぽいとかストーカーと思われるとかそんな事よりも、謎を解き明かしたい気持ちと好奇心の方が上回った。
僕はベンチから立ち上がり、公園を後にした。
JCはひたすらパタパタと走り続ける。
この辺りはすべて閑静な住宅街だ。学生が学校へ向かうには遅刻ギリギリで遅すぎる、だが勤め人が会社へ向かうにはまだ少しだけ早い、そんなエアポケットのような時間帯だ。そんな通りを彼女ひとりだけがパタパタと走り続ける。もっとも、今日は日曜日なのだから登校する学生も会社へ向かう勤め人も皆無だ。あたりには誰も、、危ない!!
それは一瞬の出来事だった。
十字路の右側から出てきた誰かとJCが出会い頭に激しくぶつかった。ドーン!と擬音が入りそうな衝撃で彼女は派手に尻餅をついた。
『ちょっと!気を付けなさいよこの唐変木!』
『そっちこそ前見ろよな、このおてんば!』
後方から距離を置いてうかがうと彼女とぶつかったのはどうやら同年代の男子のようだった。
おお、なんか知らんが
DC(男子中学生)が現れた!
坊主頭の学ラン姿だ。彼も尻餅をついている。
しかしこの展開もなんだか昔の少女漫画のような感じだな、、。あれだろ?ののしり合って別れて急いで学校へ行ってみたらぶつかった相手は同じ学校のクラスメイトで『あ~、あんたはさっきぶつかった唐変木!』みたいな、、。
という事は彼女は転校生って事か?転校初日に遅刻しそうだから慌てて学校へ向かってるって事か?いやいや、そんなわけないか。だって彼女は昨日もおとついも遅刻しそうになりながら学校へ行ってた訳だし転校生じゃないだろ。
というかそもそもそんな漫画みたいな展開ある訳ないよな。制服も違うし。
僕らの二年前の代のファンキー関西系ワンマン校長が独断で決めた白と黒のタテジマの関西某プロ野球チーム風の学ランとセーラー服。
JCが着ているセーラー服は確かにそれだがDCの学ランはいたって普通の黒い他校の学ランだ。南中の制服ではない。
僕が困惑している間にも、ぶつかった二人はミニゲームのラリーのように言い争いを続け、やがて示し合わせたようにお互い『やばい!もうこんな時間!』と叫んで立ち上がり、その場を離れてまた駆け出した。二人とも元々自分が走っていた直進方向に向けて。
つまりJCは十字路をまっすぐ前へ。DCは右から左へ。それぞれ駆け出していった。僕は左方向へ消えてゆくDCの姿をぼんやりと眺めつつ、再びJCの後を追いかけた。
彼女がバス通りへ出たのと、通りの向こう側にバスがやって来たのはほぼ同時だった。
ここは四車線の大通りだ。向こう側のバスに乗るためには歩道橋を渡る必要がある。普通なら諦めて次のバスを待つところだ。
だが。
彼女はおそるべき健脚を発揮し、一目散に歩道橋を駆け上がった。僕も慌てて後を追いかける。歩道橋をおりた向こう側はベルマートという小さい個人経営のコンビニだ。コンビニだけれど24時間営業でなく老夫婦が経営している。ちょうど開店するところらしく、おばあさんが『おでんフェア』と書かれたのぼりを駐車場のポールに差しているところだった。
JCは『おはようございま~す!』と大きな声で挨拶しながら颯爽とその横を通り過ぎた。おばあさんが『あら、おはよう』と答えた時にはその姿はもうバスのドアの前まで到達している。
一方僕はゼエゼエ言いながら歩道橋を降りたところで必死に後に続こうとするのだが間に合うかどうか微妙なところで今にもバスのドアは閉まりそうだ。『そのバス待って』と叫ぼうかどうかというその時、けたたましい電子音の大音響があたりに響き渡った。
あわててあたりを見回すと僕の五メートルほど後ろにランドセルを背負った小学生の男の子が毅然として立っていた。
い、いつものDS(男子小学生)だ、、、。
ぎろりと僕を睨み付け、その小さな手には携帯用の防犯ブザーが握られていた。間違いない。この男の子は毎朝公園で見かけるDSだ。
なんだこの状況?
女子中学生を追いかけてきた怪しい男(僕)を見つけて、防犯ブザーを鳴らして、、る?
『いや、ちょっと待って!僕は決して怪しい者ではなくてね、、、』
と言いかけた僕の両肩をがっしりと誰かの手が掴んだ。振り向くとニコニコした老夫婦が左右から僕をホールドしていた。
『どうしました?』
ベルマートの入り口横には『こども110ばんのお店』と書かれたポスターが貼ってあるのが見えた。ち、違うんだ、。あうあう。
走り去ってゆく13番系統と書かれたバスを眺めながら僕はがっくりとうなだれた。
結局その後、交番に連れて行かれて母親に迎えに来てもらった。おまわりさんに向かって『謎のJCを尾行していたんです』とは言えるわけもなく『コンビニに行こうとしていただけです』と苦しい言い訳で押し通した。
幸い僕は身元のハッキリしている近所の住民なのでそこまで深く追及はされなかった。防犯ブザーを鳴らしたDSはすぐにどこかへ走って行ってしまったので子供のイタズラとして処理されたのも僥倖だった。
ベルマートの老夫婦は『勘違いしてしまってごめんなさいね』と丁寧に謝ってくれたが、実際僕が怪しい行動を取っていたのは事実なので何だか少し申し訳ない気がした。母親には『ほんとにもう。人騒がせな事しないで』と叱られてしまった。
5日目
翌朝、性懲りもなく僕はJCを尾行した。
これで最後だと自分に言い聞かせながら。
なぜなら『どうしても確認したい事』が出来てしまったからだ。家に帰ってから僕はずっと考えていた。あのJCは毎日毎日全く同じ行動を繰り返している。
それはどこまで有効なのだろうか?
僕はこの数日間、公園のベンチからしか彼女を見ていなかったが、昨日彼女を尾行した事で『十字路での出会い頭の事故』を目撃してしまった。あれは昨日だけの出来事なのだろうか?当然そうに決まっているのだが。
もしも。もしもだ。
あの事故も毎朝のルーティーンなのだとしたら。あのDC(男子中学生)も同じ朝を毎朝毎朝繰り返している事になる、、。もしそうならこの謎はいよいよ混迷を帯びてくる。
僕はそこのところをどうしても確かめたくなってしまった。
今朝は公園のベンチでなく先回りして十字路の近くの電柱の陰で女の子を待ち伏せする事にする。公園を通るあのDS(男子小学生)に見つかってまた防犯ブザーを鳴らされる可能性を排除するためだ。
じりじりしながら彼女を待つ。
8時4分。8時5分。8時6分。
来た。
公園の方角からJCがパタパタと走ってくる。
昨日と全く同じだ。だが。昨日ぶつかった坊主頭の黒い学ランのDCはまだ来ない。
こちらに一人歩いてくる学生はいるがブレザーだしボサボサ頭だし昨日のDCとは全然違う。
やはり毎朝ループするあの異様な光景は公園の前だけの出来事のようだ。とすると彼女が意図的に毎朝自分でスニーカーを飛ばしているという線もあるか?願掛けやおまじないの真似事なのかもしれない。考えてみれば『遅刻しちゃう~』と叫びながらスニーカーをぽーんと同じ場所に飛ばすなんて、やろうと思えば不可能な事でもなんでもないし毎朝やってれば同じ角度で同じ場所に飛ばす事だって難しくないのかもしれ、、、、
ドーン!
『ちょっと!気を付けなさいよこの唐変木!』
『そっちこそ前見ろよな、このおてんば!』
へ?
ぼんやりと考えながら十字路を眺めていると目の前で女の子とブレザーのボサボサ頭のDCが出会い頭にぶつかって尻餅をついた。
これは、、?
僕が困惑している間にも、ぶつかった二人はミニゲームのラリーのように言い争いを続け、やがて示し合わせたようにお互い『やばい!もうこんな時間!』と叫んで立ち上がり、その場を離れてまた駆け出した。二人とも元々自分が走っていた直進方向に向けて。
つまりJCは十字路をまっすぐ前へ。DCは右から左へ。それぞれ駆け出していった。
キャラは坊主頭の学ランからボサボサ頭のブレザーに変わった。だが台詞や行動は全て昨日と同じだ、、。
おいおいおい。
なんだってんだ、一体、、、。
『ナ~』という猫の鳴き声がした。
ふと気付くとブロック塀の上からモノクロがこちらを見つめている。
『ワケわかんないよな、お前もそう思うよな?』
そうモノクロに話しかけてみる。
僕は気を取り直すと大きく深呼吸してからバス通りに向かって走り出した。昨日とは少しだけ変えてJCとは違う道を行く。歩道橋でなく交差点の方から信号を渡りベルマートの前を通ってバスに追い付くために。
とりあえず昨日乗れなかったバスに乗ってみるのだ。そうすれば何か分かるかもしれない。
昨日は歩道橋のアップダウンで体力を消耗したが横断歩道ルートならおそらく発車時刻に間に合うはずだ。それでも全力疾走する必要があったが歩道橋ルートを通ってやって来るであろうJCよりは一足早くバス停に着けそうだと思ったその時。
歩道橋手前のベルマートの中からひょっこりと昨日のDSが不意に現れた。テクテクと呑気な顔でこちらへ向けて歩いてくる。『おじさ~ん!』と笑顔で手を振っている。
なんだよこのガキは本当にもう!
視界の端ではJCが『おはようございま~す!』とベルマートのおばあさんに向かって挨拶していた。
やばい。バスが行ってしまう。
『よお子供。もうあんなイタズラしちゃだめだぞ。それじゃ、お兄さん急ぐから。じゃあな』
『おじさん、バスには乗らない方がいいよ』
『おじさんって言うな。僕は30歳だ。30歳はギリお兄さんだ』
『また防犯ブザー鳴らしとく?二日連続で捕まったら今度は本当にブタ箱行きかもよ?』
『だ~~!!なんなんだよ!なんでジャマをする!僕になんかうらみでもあるのか君は!』
とか言ってる内に。
だめだ。バスが行ってしまった。
なんなんだこのガキャア。
ランドセルを背負ったDSは身じろぎもせずにじっとこちらを見上げている。
『毎朝見てるよね?』
『は?』
『おじさん、あのセーラー服のお姉ちゃんの事を毎朝見てるよね?』
『ななな、何を根拠に、、、』
『ま、いいからいいから。付いてきて』
付いてこないと防犯ブザーを鳴らすと脅され、僕は渋々、DSの後を付いていく事にした。なんたる弱腰。自分がやんなる。
『僕、サク。おじさんは?』
『は、林です。』
『下だよ下。下の名前は?』
『たかしだけど、、』
『そ。じゃあ「タカッシー」って呼ぶね』
『おい!大人を雑なアダ名で呼ぶんじゃない!』
『ま、いいからいいから』
公園の裏手にあるサクの家は豪華な三階建てで家の人はみんな出払っているようだった。
だだっ広い子供部屋に僕を招き入れるとサクはベッドの上にランドセルを放り投げた。
『麦茶でいいよね?』
小型の冷蔵庫を覗き込みながら僕に聞いてくるその声は遥か彼方から聞こえてきたかのように遠かった。
なぜなら僕はドアを開けるなり眼前に広がったその子供部屋の光景に圧倒されて呆然としていたからだ。
壁一面にメモや計算用紙が貼られている。
『登校8時4分49秒』『第一声 8時4分53秒』
『遅刻しちゃう~ 発声時間1秒74』
『スニーカー飛ばし 8時5分02秒』
『右 裏 サイズ23.5 』
『メーカー 白 dinks』
『国内の全てのオンラインショップで該当メーカーのヒット無し。オリジナルブランド?』
『十字路でぶつかる時間 8時6分13秒』
『ブレザー・学ラン・学ラン・ブレザー・緑ブレザー・ブレザー、、、、、』
『緑ブレザー出現率 5% 出現条件?雨?』
その他、ありとあらゆるメモや計算式や写真が四方の壁に貼られている。
机の上には大きなモニターが二つ置かれている。一つには公園に面した舗道(おそらくはJCが毎朝スニーカーを落とす場所)が映し出されており、もう一つには十字路の風景が映っていた、、。
『こ、これは、、、』
『JC捜査本部へようこそ。そんじゃー作戦会議でもしよっか』
窓の外ではセミがみんみんと鳴いている。
麦茶の氷がカラーンと音を立てた。
