2026/03/20焼き鳥を買って帰った春の休日 〜定着したルーティンに気づいた夜〜
2026/03/20
朝4時、空は厚い雲に覆われている。外はひんやりとしていて、今にも雨になりそうな気配がある。
紅茶の湯気が、ゆらゆらと揺れる。その動きをぼんやりと目で追いながら、今日はどこか気持ちが軽い。
春分の日のボーナスタイムは、いつもより少しのんびりした空気が流れていた。
子どもたちも今日はゆっくり起きてくる。
宿題やワーク、ゲーム、読書。
それぞれが思い思いに過ごす午前中。
私は家事をしながら、入学準備の名前付けをぽつぽつ進めた。ひとつひとつに名前を書きながら、4月が近づいていることを静かに実感する。
全然違う世界だった
夕方、長女とふたりでお友達のピアノ発表会へ出かけた。
この前のホワイトデーデートで約束していたのだ。
会場に入ると、ぴょんぴょん跳ねて手を振る男の子が一人。人混みの中、先にこちらに気がついて気づかせてくれた。
「来てくれてありがとう!」
「がんばってね」
そんな短い言葉を交わして客席についた。
衣装を揃えた子どもたちが複数人で舞台に立ち、アンサンブルを披露する発表会だった。
ポップスや映画音楽、アニメの曲。
吹奏楽のような編成もあって、賑やかで華やかな雰囲気だった。
娘たちが通うピアノ教室の発表会とは、空気がまるで違う。個人や連弾で、クラシックが多く、成果発表という趣がある。どちらも「ピアノ」なのに、目指しているものが全然違うのだなと思った。
「同じ習い事なのに、こんなに世界観が違うんだね」
帰り道、長女とそんな話をしながら歩いた。
比べるというより、ただ純粋に面白いと思った。
自分が知っている世界が、いかに狭いかを気づかせてもらえる瞬間は、子どもと一緒にいるとよくある。
帰宅したら、家がもう整っていた
帰り道、焼き鳥屋さんの香ばしい匂いに引き寄せられて、いくつか買って帰ることにした。
玄関を開けると、次女も夫もすでにお風呂を済ませていて、ごはんも炊けていた。
思わず、ほっとした。
「ありがとう」と伝えると、夫と次女がそっくりな顔でドヤ顔していておかしかった。
何も言わなくても、17時になればお風呂に向かう。
それが我が家ではもう当たり前になっていた。
仕組みとして定着すると、声をかけなくても回る。
帰宅した私が何もしなくても、家がちゃんと動いている。
そのことが、じんわりと嬉しかった。
ルーティンを作るのはなかなか根気がいる。
でも、定着してしまえば誰も頑張っていない。
ただ流れているだけ。
その静かな力強さを、今日また感じた。
知らなかった世界
すべてを自分でやらなくても、暮らしの流れがちゃんと回っていることを感じた。
全部を頑張ろうとするのではなく、その日ごとの流れに少しだけ身を任せてもいいなと思った。
焼き鳥を囲みながら、今日の発表会の話を家族でした。撮ってきた動画を見せて、こういうピアノの発表会もあるのかと。その時間も楽しかった。
自分が知っている以外の世界を、子どもと一緒に覗く時間。それは思いのほか、豊かな時間だと思う。
あなたが最近、「初めて知った世界」はありますか?
違いを受け入れながら、少しずつ広がっていく日々を、これからも静かに味わっていきたいと思う。
\ 過ぎゆく日々を振り返る /
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