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2026/02/04 いつかは来る別れの日 〜憧れが教えてくれた役割〜


2026/02/04

まだ暗い廊下をそっと進み、洗濯物を抱え降りる。
立春とはいえ、冬の空気が肌をキリリと締める。

白湯を飲みながら、今日も一日が始まる準備をする。

カーテン越しに日の出の気配が柔らかく広がる。
やっと子ども達が起きてくる。

前日の節分の余韻がまだ残る朝。
受け取ること、手放すこと。
そんな言葉が、ぼんやりと頭に浮かんでいた。

でも今日は、娘たちにとって大事な日。
チアの発表会前、最後の練習。

昨日、夫に少しでも風邪っぽいなら気をつけるように小言を言ってしまったのはそのせいだ。

週末までは気が抜けない。
いつもより少しだけ、心が引き締まる。

姉のような存在


発表会前、最後の練習後…。
そこで、大好きなお姉さんが、2月末で退団すると発表された。

長女の表情が、スーッと固まったのがわかった。
みんな驚いて周りを見渡す中、長女は一人 下を向いた。ショックがそのまま伝わってくる。

初めての合宿で、リーダーとして接してくれたのが始まりだった。2023年の冬。

今の長女と比べても驚くほど、当時の三年生だったそのお姉さんは落ち着いていて、頼もしくて。
その時の合宿では「リーダー賞」を取っている。

合宿で会うたびに、姉妹でお世話になった。
「お姉さんと一緒だから大丈夫!」
その一言に、親の私も何度救われたかわからない。

4月からは長女はそのお姉さんと同じチーム加わり、距離はぐっと近くなった。

毎週のレッスンで会えることを喜び、合宿があればコースを相談し、ストレッチや筋トレではペアになり、シール交換も教えてもらった。

長女にとって、初めてできた身近な「姉」だったのだと思う。

困った時、聞いて欲しい時、真っ先に向かう相手で、憧れの存在。だって、出会った時から長女にとって、彼女は「リーダー」なのだから。

わかっていたのに


いつまでもお姉さんたちがいるわけではない。
わかっていた。世代交代はあるのだ。

でも、6年生までのあと一年は一緒だと。
「続けてくれる」と、どこかで思っていた。

私も、子どもたちも。

車の中で、発表会よりもお姉さんの話で持ちきりだった。姉妹にとっては大問題なのだ。

私は何も言えなかった。

家に帰ってから、湯船に浸かって、改めて長女が口に出している。

「お姉さんとの最後の発表会…絶対に頑張りたい」

その一言が、胸に刺さった。

一緒に踊るのが、最後になる今度の発表会。
願わくば入賞して、最高の笑顔で写真に納められるといいなと思う。

ずっとは続かないから


別れは、いつか来る。
別れは、成長の証だともよく言う。

でも、いざ目の前に来ると、やっぱり切ない。

その喪失感を、親が埋めることはできない。
そばにいることくらいしかできないのだ。

でも、お姉さんとの出会いが姉妹にくれたものは、たくさんある。とてもたくさん。

誰かの背中を追いかけていた時間は、次に自分が誰かの背中になる準備なのかもしれない。

困った時に頼れる存在がいること。
一緒に頑張る喜びを知ること。

それは、これからも長女の中に残り続ける。

ずっとは続かないから、今を大切にする。
その大切さを、長女は今、学んでいるのかもしれない。

あなたには、子どもの頃に憧れた「姉のような存在」がいましたか?

その人は、今のあなたにどんな影響を残していますか?


別れは悲しい。でも、その人がくれたものは、ずっと残り続ける。そうであってほしい。

そんなことを、長女の寝顔を見ながら思った夜だった。


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