【アメリカ横断記⑦】標高2000mフラッグスタッフとイーグルスの町ウィンズロー
さあ、グランドキャニオンを後にして次の町へ出発!
ここからは標高がぐーんと上がり植生も大きく変わってゆきます。
凛と立ち並ぶ森林の中を風を切ってドライブ!

森林を抜けるとやさしい風にそよぐ草原。雪景色の山々。

あぁ~気持ちいい。心が安らぎます。
今回のテーマは、の~んびり生きる。
たどり着いた町 フラッグスタッフ は、山あいのおしゃれで静かな町。
次の町 ウィンズロー ではイーグルスが歌います。
「気楽にいこう」と。
の~んびりご紹介します。
(※この記事は旅をした2019年の情報をもとに作成されています)
おしゃれな町並みフラッグスタッフ
フラッグスタッフ はアリゾナ州の砂漠地帯に属しており、コロラド高原南西端、標高2100mの高地に成り立つ町です。
そのため市内の植生は様々で、高地砂漠や山岳森林にツンドラまで、多彩な自然美を満喫できます。
そんなフラッグスタッフの町並みはレンガ造りの建物が多く、とにかくおしゃれ!



青い空に赤レンガ、緑の木々。
人通りも少なく、時間がゆっくりと流れるような素敵な町です。



この町にはアメリカ全土に鉄道網を敷くアムトラックの駅が存在し、シカゴとロサンゼルスを結ぶ長距離列車、サウスウェスト・チーフ号が停車します。
その駅舎もとても綺麗です。


こんな町にぴったりの美しい一曲をご紹介します。
【66's Music㉛】Way Over Yonder / Carol King
Way over yonder is a place that I know where I can find shelter from hunger and cold.
And the sweet tasting good life is so easily found.
Way over yonder, that’s where I’m bound.
あの遥か向こうに、飢えや寒さから守ってくれる場所があるはず。
そして甘くて素敵な人生がたやすく見つかるのよ。
あの遥か向こうに、私はゆくの。
フラッグスタッフはまるでこの歌詞のような、心温まる安寧の地のように見えました。(実際は高地のため冬の寒さは厳しいそうですドンマイ)
この曲は1971年発表、アメリカのシンガーソングライター キャロル・キング のアルバム「Tapestry(邦題:つづれおり)」の中の一曲です。

このアルバムはアメリカのポピュラー音楽界に燦然と輝く不朽の名盤であり、アメリカでは5週連続1位を獲得し、4つのグラミー賞を獲得しています。
本当に捨て曲が一切無く、その優しい歌詞と美しいメロディーに心はもううっとりです。幸せ。
そして夜のフラッグスタッフはこれまたうっとり。
ちょっぴり色気のあるネオンがほんのりと町を照らします。



素敵ですねぇ~。
余談ですが、ここは高地で空気が澄んでいるため天文台が設置され、このローウェル天文台で冥王星が発見されたそうです。
こんなところに蕎麦屋!?
ここフラッグスタッフで昼時に散歩していたときのこと。

この風情ある通りを歩きそろそろランチにしたいなぁと思っていると、目に飛び込んできたのがこちらのお店。

SO SOBA?とても蕎麦!?
ちっさく英語で「The Nonstop Noodle Shop」と書いてあります。
おしゃれな外観にミスマッチのちょうちん。
笑ってしまうほど迷走していますが、そろそろ日本食も恋しくなってきたところ。
アメリカの蕎麦屋?お手並み拝見です。
まずは気になるメニュー。
ししとうや枝豆、餅など頷けるものもあるが、ところどころ変な料理が・・・

徳川サラダ。カツラーメン。担々麺ラーメン。ベトナム南無南無サラダ?
あとこれなんだ?
Drunken Pork Gyoza = 酔った豚の餃子?
何にしようか迷いましたが普通にラーメンが好きなので頼んでみました、カツラーメン!それがこちら。

ソースカツとベーコンが乗ってる・・・。
ラーメンに人参も見たことないな。
ずるずる・・・味うっすいわぁ。まっずい。
あとスープ少ねぇ~。ちぢれ麺が吸っとる。
で何故かお箸が菜箸くらい長い。食べづらい笑
いやはや海外が日本をはき違えるのはよくあることだが、何を真似たらこうなるんだ。
町中にはこんなモニュメントもありました。

「平和が君臨・・・」ちょっと違和感あるなぁ。
日本を扱ってくれる気持ちは嬉しいんだけども、どこかぎこちなくてむず痒いですね笑
さてそんな瞬間は、ロックを聴いていてもあるものです・・・
【66's Music㉜】Yuko & Hiro / Blur
1990年代のイギリスのブリットポップムーブメントの立役者、ブラー。
英国紳士ならではのウィットに富んだ彼らのポップスは、どこかに癖のあるひねりを加えてあり、くすっと笑える楽しい曲が多いです。
ロンドンの中流階級出身だからでしょうか、知的なユーモアを織り交ぜる余裕が感じられます。最高。
そんなブラーが、日本のカップルについて歌った1曲があります。それがこちら
真面目なのか、ふざけているのか。
デーモン・アルバーン はどこまでガチでこの曲を作ったんだろう。
ぽわぽわしたヘンテコなサウンドにけだるいボーカル。
そして突然始まる日本人女性によるコーラス・・・
我々は会社で働いている~♪
いつも彼らが守ってくれる~♪
「私たちは」ではなく「我々は」。
We を「我々」としてしまったのか。
意味は合ってるんだけどなんか気持ち悪いですね笑
まぁ世界のブラーが日本について歌ってくれたというだけでありがたい話なので、この辺はご愛敬ということにしときましょ。
大好きなブラーにいちゃもんをつけて終わるのもなんなのでもう一曲紹介させてください。
これまた楽しい名曲です!
【66's Music㉝】Girls And Boys / Blur
ここで着目していただきたいのは、彼らのファッションです。
ジャージ を着ていますよね?
冒頭にも述べましたが、今回のテーマは の~んびり生きる。
時を少しさかのぼり、80年代の世界のメインストリームといえば、マイケルジャクソンとマドンナ。ド派手な衣装とキレッキレのダンス!
ロック界では、ヘヴィメタルが世界中を席巻。
鋲やチェーンでギラギラしたレザーファッションに厚化粧をした顔面。
もしゃもしゃの長髪になぞらえLAメタルは「ヘアメタル」なんて呼ばれたりもします。

これらは80年代にアメリカで放送が開始された MTV(24時間ミュージックビデオを放送するチャンネル) の影響が大きく、テレビ映えが重視される時代が到来したため、当然見た目も派手になっていったわけです。
世界中がキラキラと輝き、誰もが浮かれ自分を着飾って生きていました。
そんな時代も終わり90年代に入った頃、アメリカはシアトルから ニルヴァーナ がメジャーデビューします。
【66's Music㉞】Breed / Nirvana
だぼだぼのニットとジーンズ。
彼らのファッションは「グランジ(=汚い)」と呼ばれ、この言葉はニルヴァーナを含めた暗く破壊的なギターロックを差すジャンルとして定着しました。
ボーカルの カート・コバーン は、商業主義で見栄を張り着飾った音楽業界に毒を吐き、センセーショナルな言動でこれに盾突きました。
彼のファッションやこうした言動は、彼が 等身大 であろうとした姿であったのではないでしょうか。
そしてカート・コバーンの自殺による死後、イギリスではブラーとともに オアシス も不動の人気を確立します。
【66's Music㉟】Whatever / Oasis
Always seems to me. You only see what people want you to see
How long’s it gonna be before we get on the bus and cause no fuss
Get a grip on yourself, it don’t cost much
俺はいつも思う。お前は人がお前に求めているものばかり見ている。
いったいつになったら俺たちはのんびりバスに乗れるのだろう。
自分を持てよ、そんなに難しいことじゃない。
彼らもまた、ブラーと同じく ジャージ を着ています。
このように90年代のロックからは、煌びやかな衣装で着飾るのではなく「いつもの俺」、つまりは 等身大 であろうとする意志が感じられます。
ウィーザー なんかはもう等身大を通り越して、凡人であることを売りにしています。のほほんとしてます。

80年代後半から、90年代にかけて世界では衝撃的な事件が次々と起きました。天安門事件、ベルリンの壁崩壊、そしてカート・コバーンの死。
夢見心地の華やかな80年代から一転、世界中の人々は現実を直視し、己のありかたを改めて模索したのかもしれません。
いやひょっとすると単純に、不景気による金欠の中で安上がりなファッションに価値を見出しただけかもしれない・・・
イーグルスの聖地!ウィンズロー
さて、フラッグスタッフを後にして次の町へ向かいます。
その途中、こんなのがあります。

何がどうということは無いのですが、一応ルート66のランドマーク的なオブジェとして有名です。
ちゃちゃっと写真を撮り、引き続きドライブ!見えてきました次の町。
ウィンズロー です!
ここウィンズローは何もないただの田舎町なのですが、イーグルス のとある名曲の歌詞にこの町が登場します。
その曲がこちら。
【66's Music㊱】Take It Easy / The Eagles
この曲は1972年に発表された イーグルス のデビューシングルです。
彼らの初期の代表曲であり、全米ヒットチャート12位を記録しました。
カントリーの風情が漂う陽気なこの曲はアメリカ横断のドライブにぴったり!
「Take it easy=気楽に行こう!」と前向きに背中を押してくれます。
この曲の2番の歌詞がこちら。(一部抜粋)
Well I'm standin' on a corner in Winslow, Arizona and such a fine sight to see.
俺はアリゾナのウィンズローの町角に立っている。素晴らしい景色だ。
この歌詞は、作詞の ジャクソン・ブラウン が友人とロサンゼルスから東へ車でロードトリップをしていた際に、ウィンズローで車が故障して立ち往生し、その時見た景色を元に書かれたそうです。
その歌詞に登場する町角がこちらの場所。

1972年当時のこの町角がどんな景色だったのかは分かりませんが、今はイーグルス一色です。

この町がイーグルスの歌詞に登場するということが町の一番の観光資源、いやもはや一大産業となっています笑
町のいたるところに "Standin' on the corner" の文字が!



たった1度歌詞に登場するだけでしょう!?しかも2番の!あやかりすぎやろ!笑
・・・と思うのは日本人の感覚かもしれません。
それだけアメリカ西部ではイーグルスが愛されているのでしょう。
Take it easy ! Take it easy.
Don’t let the sound of your own wheels drive you crazy.
Lighten up while you still can. Don’t even try to understand
Just find a place to make your stand and take it easy.
気楽に行こう!気楽に。
自分が走る車輪の音に感情を乱されるな。
できるだけ明るく。頭で理解しようとぜずに。
あなたらしくいられる場所を見つけて、気楽に行こう。
”あなたらしくいられる場所”。
フラッグスタッフやウィンズローは、そんな暖かみのある町でした。
等身大で、気楽に、の~んびり生きる。
世相を忘れアメリカを旅していると、それでいいんだと思えるようになりました。
さて次回は、アメリカの先住民とスペインの支配。ふたつの歴史が紡いだ美しい町!
サンタフェへ向かいます!
⇒ 次回
