今日の「リーダーの言葉」:ドジャース フレディ・フリーマン
人の言葉というものは、相手のモチベーションをアゲることもできれば、逆に、相手を傷つけることもできます。
そういう「人の言葉」に左右されない"鋼のメンタル"もしくは"受け流す術"を持っている人は強いですし、政治家や有名人などは、いちいち人の言葉を気にしていたらやってられないと思います。
ですが、人間、そんなに強くないと思いますので、どんな人間でも、多かれ少なかれ、他人の言葉には影響されるのではないでしょうか。
長年、人事、特に人材育成や組織開発に携わってきた私としては、「リーダーの言葉」の重み、というものをひしひしと感じる今日この頃です。
これまで、「あいつは仕事ができない」と言われていた従業員が、上司が替わったことで、生まれ変わったように輝き出した事例や、その逆の事例(優秀だったはずの従業員が上司が替わったことで腐ってしまう、みたいな)も少なからず見てきました。
そして、私自身も、これまでのキャリアを振り返ると、上司が自分に与える影響というのは、かなり大きかったです。
「この人のために頑張ろう」と思える上司の下では、モチベーションも実際の仕事への頑張り度合いも、間違いなくアガりましたし、逆に、「なんでこんな奴(笑)のために頑張らなあかんねん」というような上司の下では、モチベーションもガタ落ちで、仕事のクオリティも下がってしまいがちでした。
そういう、自分が嫌になり、40歳を超えたあたりで、「そもそも『上司のために』頑張る、という考え方が間違っているのだ。実際には、人間的に尊敬できる上司なんて現実にはほとんどいないのだから、どんな上司につこうが、自分は自分のミッションを果たすのみ」という考え方に、自分の思考回路を無理やり変えるよう、意識してきました。
まぁ、とは言うものの、私ももう50代後半に差し掛かりましたが、やはり性格を根本から変えるのはなかなか難しいようで(苦笑)、この歳になっても、どういう上司につくかによって、無意識のうちに「モチベーション」の差は生じてしまっているのが正直なところです。
他方、私自身も一応、社内では「上司」という立場でもありますので、部下の皆さんにとって、後から振り返った時に「Joyさんと一緒に働けて良かった(「自分は成長できた」とか「良い仕事ができた」とか)」と思ってもらえることが、何よりも”上司冥利”に尽きると思っています。
ですので、部下の方たちに発する言葉として、「ここで自分はどういう発言をするのが、部下にとって適切なのか」ということはいつも気にしているつもりですが、この歳になっても、なかなか思ったとおりにはいきません(苦笑)
「言葉」って、ほんと、難しいですよね。
(なお、「言葉」以上に、その言葉が「本当にその人が"心から"その言葉を発しているように、相手に見えているか」、つまり、例えば、相手を褒めたとしても、それが相手にとっては「お世辞」と受け取られてしまっては、返って逆効果になりかねないため、むしろ、「言葉」以上に、本当に大事なのは、その言葉を発する人の「態度」や「佇まい」的なもののほうが重要だと思っています。この点は、実は今日の本題とも関わってくるので、最後にもう一度だけ触れたいと思います)
苦しんだ佐々木朗希に、ド軍の主砲が贈った言葉
と、、例によって、前置きが長くなりましたが、、今日、ニュース記事を見ていて、感銘を受けた内容がありました。
それがこちらの記事です。
「異国から適応するのは大変」ド軍主砲フリーマンが告白した佐々木朗希の"葛藤" 舞台裏で起きた怪物の成長「完全に一皮むけた」
現地時間6月5日に、ロサンゼルスのドジャー・スタジアムで行われた、ドジャース対エンゼルスの試合で、佐々木朗希投手が素晴らしいパフォーマンスを見せたことを受けて、同チームの主砲であるフレディ・フリーマン選手のコメントを紹介した記事です。
(ちなみに、今回の試合をサヨナラホームランで決めたのもフリーマン選手)
そのコメントをいくつか抜粋させていただきますと、
ロウキは本当に素晴らしいピッチングを続けている。完全に一皮むけたと思うね。それぐらい見ていて楽しいよ
去年は苦しみながら、ブルペン要員としても投げ、地道に足場を固めながら今の地位を確立した。これは素晴らしいプロセスだ。今見せている姿は、間違いなく噂通りの彼だ
正直、彼のような若い投手に全てを期待するのはハードなことだ。しかも、彼は全くの異国からやってきて、あらゆることに対応していく必要性があった。だから、彼がここの環境に馴染んで、自信を持てて初めて、周りも期待し始められる。彼が今やっているように素晴らしい先発登板を続けていくと、期待というものは自然とついてくるものさ。僕はただただ嬉しく思うんだ。なぜなら、日本から異国にやってきて適応するのは本当に大変なことだからね。僕自身が別の国に行って、彼らがやっているようなことを成し遂げるなんて想像もつかない。だけど、ロウキは結果を出すようになっても、佇まいや態度はいつも同じ。謙虚で、笑顔なんだ
というようなものでした。
(一部、出典元の原文自体に誤字があったため、私のほうで修正済み)
いやぁ、今期開幕時は「マイナーでの再調整」まで論じられるほど苦しんでいた佐々木投手ですから、このフリーマンのコメントを見て、グッときました。
「嬉しい」と「見ててくれた」──人を動かす言葉の正体
リーダーから言われてモチベーションがとてもアガる言葉の代表的な例として、
相手の成功を、まるで自分のことのように「嬉しい」と喜ぶことができる
ということがあると思います。
まさしくフリーマン選手も「僕はただただ嬉しく思うんだ」と、「ただただ」と強調してまで言ってくれています。
そして、リーダーから言われて嬉しい言葉の例をもう一つ挙げると、
そんなところまで見ててくれたんだ
と思えるようなことを言ってくれることです。
フリーマン選手は、「ロウキは結果を出すようになっても、佇まいや態度はいつも同じ。謙虚で、笑顔なんだ」と言ってくれています。
佐々木選手が、自分の中で「謙虚であること」や「(辛くても)笑顔でいること」を大切にしているとしたら、これ以上嬉しい言葉は無いと思いますし、まぁ、特に謙虚さや笑顔でいることを意識していなかったとしても、このようなコメントを貰って、嬉しくない人はいないんじゃないでしょうか。
ということで、今日は、ドジャースのフレディ・フリーマン選手のコメントに関する記事を紹介させていただきました。
ドジャースには、チームから任命された正式なキャプテンはいないですが、おそらく、「ドジャースの実質的なリーダー的存在(キャプテン)と言える選手を3人挙げよ」と言われれば、ムーキー・ベッツ、ミゲル・ロハス、そしてフリーマンの3選手と言えるでしょう。(もちろん、ゆくゆくは大谷選手もそういう存在になると思いますが☆)
そんな、ドジャースのリーダー的存在のフリーマンが、今回の佐々木投手の活躍に対して発したコメントは、ワタシ的には、「これぞまさしくリーダーの言葉」と言えるものでした。
人は「人づて」に聞くと、もっと嬉しい
しかも、もちろん、このようなコメントを、リーダー本人から直接聞くのも嬉しいですが、今回のような言葉を「外(そと)に向けて発している」ということも重要なポイントだと思います。
人は、相手から直接褒められるよりも、むしろ、「第三者経由」で聞く、つまり、「●●部長が、あなたのことを「ものすごく頑張ってる」って褒めてたよ」というふうに、"人づて"に聞くほうが、もっと嬉しかったりしますよね。
ですので、今回のフリーマン選手のコメントは、リーダーが「外(そと)に向けて発する言葉」という意味でも、素晴らしい内容だったのではないかと思っています。
文字でしか読んでいない私が、それでも「佇まい」を感じた理由
そして、冒頭で「最後にもう一度触れる」と書いた、「言葉以上に、それを発する人の態度や佇まいが大事」という話。
私はこのフリーマンのコメントを記事の文字で読んだだけで、彼が実際にどんな表情・口ぶりで語ったのかを見たわけではありません。
それでも、このコメントからは、彼の"態度や佇まい"がにじみ出ていると感じます。
というのも、「素晴らしいピッチングだ」と言葉で褒めるだけなら誰にでもできますが、フリーマンは佐々木投手の去年の苦労(ブルペンで地道に足場を固めたプロセス)まで具体的に語り、しかも「自分が異国でこれを成し遂げるなんて想像もつかない」と、自分を引き合いに出してまで称えています。
そこまで相手を見て、自分の言葉で語れること自体が、本心で向き合っている"態度"の何よりの証拠であり、だからこそ「ただただ嬉しい」というシンプルな一言が、お世辞ではなく本心として伝わってくるのだと思います。
あぁ、私も、こんな風に、言葉と本心がちゃんとシンクロした形で、思っていることを上手にコメントできるようになりたい…(苦笑)
ということで、今後も、こういった旬なタイミングでの「リーダーの言葉」として、「おっ!」と思えるようなものに出会えましたら、「今日の『リーダーの言葉』」シリーズとして、また不定期で記事にしていきたいと思います。
そして、ドジャース 佐々木投手の今後の更なる活躍を願ってやみません☆

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