マクロレンズの世界 vol.12 作画工程(2/3)マクロ撮影
※ 1万字あります。
※ この記事は、既刊で初出させた概念の取得を前提に進みます。
お手数をおかけして恐縮ながら、順読みをお願いします。
1番目: vol.11 視覚認識(1/2)基礎 -視覚認識の3段階
2番目: vol.11 視覚認識(2/2)個人差
3番目: vol.12 作画工程(1/3)基礎 -アートの通学路
4番目: vol.12 作画工程(2/3)マクロ撮影 ←本号です
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∫1 マクロレンズ
1)最初は標準レンズ
店員さんは、初心者に、カメラとレンズのセット購入を勧めます。
最初に試すキットレンズは、肉眼の見え方に近いレンズです。
通称、標準レンズと呼ばれています。
レンズは、口径や曲率によって、複数の種類とグレードがあります。
「私はもっとよく見たいんだ」
「見たがり」の写真家は、標準レンズを外し、マクロレンズを装着します。
拡大=マクロで、マクロレンズです。
日常の生活感で満足している人は、
・極小のもの
・遠くに小さく見えるもの
をいちいち見ようとしないし、見るのにお金をかけません。
標準レンズ以外の撮影は、マイノリティの着眼で行われます。
「見たがり」がマイノリティという自覚は持っておいたほうがよいです。
撮影愛好家の人数は、ざっくり
[接写] <<< [望遠] <<<<<<<<<< [標準]
です。
2)マクロレンズは2タイプある
マクロレンズは、大きく二つのタイプがあります。
A.接写レンズ: 小さい対象を拡大し、細部を見る
B.望遠レンズ: 遠くにあって小さく見える対象を拡大する
Aに虫メガネを、
Bに遠メガネを、
イメージすれば合っています。
二つを区別しないのは不便と考えて、
接写タイプを「マイクロレンズ」と呼称するメーカーもあります。
(レンズの大きさは、マイクロではないです)
3)ズームレンズとテレコン
◆ズームレンズの長所と短所
「ズームレンズ」は、伸縮構造で拡大率を可変にしたレンズユニットです。
撮りたい対象が確定していて、距離が変動するケースによく対応します。
よく写る距離の範囲は、製品によって異なります。
・足元から5m先の屋根の上まで、様々な位置にいるネコ
(標準)
・茂みから20mの高木まで、様々な位置で咲く花
(中望遠)
・バッター席から100m先の外野まで、様々な位置にいる野球選手
(望遠)
ズームの難点は、衝撃耐性が低いことです。
焦点距離をメカニカルに変える構造が精密です。
山に持っていくのはお勧めしません。
市街、植物園、観覧席など、安定した場所での撮影なら大丈夫でしょう。
防水性、防塵性も低めです。
伸縮を可能にしている隙間に、水気や砂塵が入り込むおそれがあります。
悪天候が予想される中、カバーをつけて持ち出すカメラマンもいます。
値段は、伸縮構造が入る分、単焦点レンズより高価です。
◆ズームは作画の先生
僕は、もし予算が許すのであれば、
「初心者は、標準ズームレンズから入るとよい」と思っています。
教育効果で価格の元が取れます。
ズーム操作をすると「望遠とはこういうことか!」とわかります。
(やってみなはれ)
ズーム次第で、絵がポートレートになったり、風景になったりします。
何に着眼して、どんな絵を作るか、構想の幅が広がります。
初心者は、単焦点の標準レンズを、自分が動いて使う道具だと知りません。
導いてくれる先生がいないと、
「見えたものを、その場で撮った」で、成長が停滞しがちです。
標準ズームレンズは、その「ものぐさ」「自己位置固定」人間に、
「おお、主題が変わる?!」を体験してもらう効果があります。
被写体を視野に入れてから、ズームを上げていく手順も好ましいです。
望遠が増すほど、画角は狭まり、照準を合わせるのが難しくなります。
初心者がいきなり望遠レンズを買っても被写体を視野に入れられない。
早撃ち0.3秒のガンマンになるには、それなりに修行が必要です。
(やってみなはれ)
時が流れ、「私が作りたい絵はこうだ」と固まり、
単焦点レンズを主力にする日がくることもあるでしょう。
そうだとしても、ズーム時代に獲得した技量は無駄になりません。
構想の幅は、カメラから離れてなお、アートの感覚を支え続けます。
余談
寄り引きを理解したのちも、ズームは寄れない状況で活躍します。
イベント会場で、風景、舞台、演者、3画像を確保するのに使えます。
車椅子の写真家にも、ズームレンズをお勧めしたいです。
◆ズーム付きコンデジ
コンパクトデジタルカメラ(通称コンデジ)は、
レンズと本体が一体になっており、レンズを交換できないカメラです。
レンズを交換できないのがコンデジ最大の難点として、
ズームで拡大率を変えられるとしたらどうでしょう?
このマリアージュ、相性良すぎませんか?
デジカメ急伸期、ズーム付きのコンデジが大活躍しました。
僕の作画感覚は、ズーム付きのコンデジで培われたといってもよいです。


近距離+最大ズームで、接写風に。
時は流れ2026年、現代もズームタイプのコンデジは入手可能です。
現代も変わらず、スナップ距離で活躍します。
性能は、20年前のデジカメ急伸期より、はるかに上がっています。
価格は手ごろで、うまくいけば一眼の1/10の価格で買えます。
小ぶりの機体で、写すあてがないときも気軽に持ち歩けます。
店頭で手に取って、サイズ感、ズーム感を確かめるとよいです。
スマホユーザー「ピンチアウトで拡大したのではだめですか?」
被写体を拡大し、フレームに配置する感覚(構図感覚)は共通です。
しかし、「光学マクロ」と「デジタルマクロ」は、遠近像が違うのです。
視覚認識的に区別がつかない人は、スマホで良いです。
◆テレコンバーター
「テレコンバーター」(テレコン)は、拡大率を上げるユニットです。
通例、価格の上昇で拡大率を上げにくい、望遠レンズに適用されます。
テレコンの難点は光量が減少することです。(ズームしたときと同じ)
SS(露光時間)が増加し、暗い環境における動体の撮影が難しくなります。
光量と拡大率をどれぐらいトレードするか、段階に選択肢があります。
標準レンズにテレコンを噛ませて、接写する用法もあります。
主にサンプル撮影で活用されています(ルース、布地など)。
動植物分野では愛用者を見ません。
中央正対構図に制限されては、創作意欲が続かないでしょう。

花式図を作成するときは、中央正対構図とします。
花のマグショットみたいなものです。
花の画像は、愛でることだけを目的として撮影されるのではないです。
ケシ科は通常4数性のところ、ナガミヒナゲシは高頻度で3が出ます。
花径の分布も3倍近くあります。
侵略的外来種の柔軟性に驚愕します。
∫2 野鳥の撮影には望遠レンズが必要
僕は鳥が好きです。
野鳥を見かけたときは、記録を撮りますが、接写レンズの写りは論外です。
ずばり、点景です。

(解像不良の不快を和らげるため、ソフトフィルターを使用しています)
双眼鏡どころか、肉眼でさえ、もっとよく見えています。

というのは発想が歪んでいます。
鳥が好きで、遭遇できて嬉しかったのなら、撮ればいいのです。
僕は1枚撮って、双眼鏡に持ち替えます。
(前ボケで写っているのは手すりです)
鳥の魅力を写すには、大口径の望遠レンズ(通称 大砲)が必要です。
「見る」だけでよいなら、双眼鏡やスコープがあります。
「撮る」を希望すると、カメラ用の望遠レンズが必要になります。
望遠撮影の詳細は、望遠の経験が豊富な人に任せます。
本号は、接写タイプの作画を扱います。
∫3 撮影の第一感覚
1)撮影者の位置取り
◆謎の命題
突然ですが、僕は1年前、以下のタイトルをみて固まりました。
ファンの方々、待ってください。
喧嘩を売っているのではありません。
よい仕事をしている写真家(フォロワーも多くてびびります)に、
ただの生物学者が喧嘩を売る余地などないです。
それでも、困惑したのは事実です。
距離は大事です。
しかし、すべては距離感・・・
何が起きているんでしょう。
科学者は「謎」に執着します。
そこに山ならぬ「謎」がある限り、調査と考察を続けるのです。
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(7日後)
そうか! この人は、標準レンズでやってるんだ!
◆標準レンズの作画感覚
種あかしをすると、こうです。
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