福井県立恐竜博物館レポ|世界トップレベルの恐竜展示を120%楽しむ攻略法
福井県立恐竜博物館に行ってきました。
噂で「すごい」とは聞いていましたが、実際に行くと想像以上。展示の充実度はもちろん、周辺に恐竜関連のエンタメ施設も揃っていて、もはや「恐竜テーマパーク」。本当におすすめです。
一方で、かなり大規模な施設のため、120%楽しむためには体験型プログラムや食事、帰りの交通など、ある程度の事前準備が必要です。
平日はそこまで混まないようですが、土日祝日、特にゴールデンウィークや長期休暇は激混みです。
そこで、この博物館の魅力を紹介したうえで、「効率よく楽しむためのポイント」をまとめてみます。
この記事の重要ポイント
展示の質・量ともに世界トップクラス
混雑で詰むのは「入館」「昼食」「帰りのバス」
体験型プログラムは魅力的だが、事前申込み推奨
イヤホン持参&音声ガイドの活用がおすすめ
交通ルートは事前によく考えて組む必要あり
福井県立恐竜博物館の魅力
この博物館は福井県勝山市という場所にあります。
県の中心部である福井駅から電車とバスを乗り継いで約1時間20分で、入館料は以下の通り。
一般 1000円
高・大学生 800円
小・中学生 500円
70歳以上 500円
未就学児 無料
所要時間は、展示をざっと見るだけでも1〜2時間、しっかり見るなら半日以上の大ボリューム。
ところで、福井県にこのような博物館があるのには理由があります。福井県は地質の影響で化石が発見されやすく、日本有数の恐竜化石産地なのです。
福井県は恐竜を観光資源として全面的に押し出し、「恐竜王国」を名乗っています。その力の入れようは半端なものではなく、福井駅周辺をはじめ各地に恐竜のオブジェがあります。

・圧倒的な恐竜の世界
館内に入ると、まず長いエスカレーターで下へ。
最下層には化石の埋まった地層が展示され、地底の古代世界に迷い込んだような気分になります。

そして目に飛び込むのが動くティラノサウルス。
小さめのサイズですが、恐竜のチャンピオンが唸り声をあげて威嚇する姿はテンション爆上がりです。

そして周りは恐竜、恐竜、恐竜!
メインエリアには、あらゆる恐竜の全身骨格がこれでもかと飾られています。その数はなんと51体で、国内はもちろん世界的にもトップクラス!

・実物化石のリアリティ
この博物館のすごさは量だけではありません。
実は、一般的な博物館に展示される恐竜の全身骨格はほぼレプリカ。状態がよい恐竜化石は貴重であるため、国内ではめったに見ることができません。
これに対して、この博物館では「実物化石を使った全身骨格」という貴重な展示がなんと10体!

同じ恐竜の骨格でも、実物化石を見ていると「何千万年の地球を動き回っていたのだな」と想像して畏敬の念すら覚えます。
ちなみに、実物化石を見分ける方法は簡単。解説文に特になにも書かれていなければ実物で、「複製」と注釈が付いていればレプリカです。

・ギネス登録のミイラ化石
この博物館の目玉展示の一つが、ブラキロフォサウルスのミイラ化石、通称「レオナルド」です。

「ミイラ化石」とは、通常は分解されて残らない筋肉や皮膚の痕跡が残っている非常に珍しい化石で、レオナルドは保存状態の良さからギネス登録されています。
化石の大半は骨や足跡であるため、筋肉の構造や皮膚の質感は基本的に推測です。その点、ミイラ化石は恐竜の生前の姿について多くの情報を残しています。レオナルドを観察すると、ウロコのような皮膚の痕跡が残っており、生前の姿がなんとなく思い浮かびます。

ミイラ化石を見ることができるのは、国内ではこの博物館だけで、世界的にもとても貴重です。
・恐竜研究の最前線ならではのリアリティ
先ほど述べたように、福井県は国内でも有数の恐竜研究の拠点であり、過去に6種の新種を発見。発掘された化石は館内にもたくさん展示され、最先端の恐竜研究の成果を見ることができます。

また、館内では化石のクリーニング作業を覗くことができ、化石展示の裏側にある膨大な労力を知ることができます。

・音声ガイドが優秀
館内ではスマホで無料音声ガイドを利用でき、これがかなり優秀。恐竜ごとの特徴や最新の研究成果、展示のこだわりなど、誰かに話したくなるような知識を聞くことができます。
現地でアプリをダウンロードすると時間を取られるので、事前にスマホに入れておき、イヤホンを持参するのが推奨されます。
・恐竜だけでは終わらない地球史
館内のメインはもちろん恐竜ですが、恐竜以外の生物や地質学についての展示も充実。恐竜を入口に、地球の歴史も学べる仕組みです。
繁栄した恐竜ですら、長い地球史の1ページを彩ったにすぎません。そうしたスケール感で見ると、偉大な恐竜ですらどこか儚い存在に見えてきます。

体験型プログラムと周辺施設
この博物館の魅力は展示だけではありません。
博物館から8キロメートル離れた場所では化石発掘が行われており、このような恐竜研究の最前線といえる環境を生かした体験型プログラムが複数用意されています。
手ごろな価格で特別な体験ができるため、時間に余裕があればぜひおすすめします。
・かつやま恐竜の森 化石発掘体験
このプログラムでは、実際の発掘現場から持ってきた石を割って化石を探し、見つけた化石は持ち帰りもできます。4歳以上が対象で、所要時間は約60分。料金は以下の通り。
大人 1150円
高校生 950円
4歳〜中学生 600円
注:軍手必須(現地購入は200円)
受付は博物館から出て5分ぐらいの場所にあります。

やることはシンプルで、道具で石を割って、化石っぽいものが出たらスタッフさんに見てもらうという流れを繰り返します。
見つかるのはほとんど植物化石で、貝はレア、恐竜化石は激レアとのこと。高レアを狙って石を割るソシャゲのガチャのような楽しみがあります。
コツを挙げるなら、大きな石を割るのは想像以上に難しいので、小さめの石を狙うことです。どうしても大きな石を狙う場合、角の方からコツコツ崩していきましょう。

自分は数ミリの植物化石しか見つけられませんでしたが、貝の化石を見つけた人も周りにいました。
・化石研究体験
このプログラムは、3種類の研究体験を行い、発掘した化石をどのように分析していくかを学べます。
小学生以上が対象で、所要時間は120分。料金は以下の通り。
一般 1200円
高・大学生 1000円
小・中学生 600円
70歳以上 600円
最初に体験する「化石発掘プラス」は、石を割って化石を見つけ、さらに詳しく観察して大まかな種類ごとに分類します。先ほどの化石発掘体験の延長線上という感じです。

もっとも、見つかるのはやはり植物化石ばかり。レアな骨や貝はなかなか出ず、「分類」といいつつすべて植物化石でした…。
2つ目の「化石クリーニング」は、石膏に埋め込まれたレプリカの歯をエアースクライブと呼ばれる機器で慎重に削り出していきます。

木工や彫刻のような感覚でなかなか面白く、取り出したレプリカは持ち帰ってちょっとした記念品にできます。粉じんが出るのでマスクがあると安心。

3つ目の「CT化石観察」は、化石の内部構造を記録したデータをスクリーンで観察します。実際の研究に使われる装置に近いとのことで雰囲気は本格的ですが、明確な目標がなく操作も複雑なので小さいお子さんには受けが悪いようでした。

3つの体験はいずれも本格的で、化石研究者になったような気分になりました。なお、時期によっては一部体験が入れ替わるのでご留意ください。
・野外恐竜博物館
このプログラムは、専用バスで実際の発掘現場まで向かうツアーで、所要時間は約120分。料金は以下の通りです。
一般 1300円
高・大学生 1100円
小・中学生 650円
70歳以上 650円
現地では、実際の発掘現場や、これまで発見された化石などを見学します。そして、発掘現場の石を割って化石を探す体験も行います。どうも、前述の化石発掘体験の上位版のようです。
注意点として、冬季(11月中旬~4月上旬)はシーズンオフで、自分も体験できませんでした。
・体験型プログラムの留意点
体験型プログラムはどれも面白いですが、拘束時間が長め。展示を見る時間を確保するため、2つ以上詰め込むのはやめた方がいいと思います。
また、定員があるため混雑日には事前予約が必要です。自分が訪れた日は、化石発掘体験は当日午前中まで枠が余っていたようですが、化石研究体験は2週間前にほぼ満員になっていました。
もう一つ注意したいのが、「博物館に到着してすぐに体験型プログラムに参加」というスケジュールは遅延で参加できなくなるリスクがある点です。バスは遅れやすいので、ある程度余裕をみましょう。
なお、自分はソロ参加しました。最初は多少居心地が悪いものの、始まってしまえば作業に集中するのであまり気にならなかったです。

・かつやまディノパーク
博物館から徒歩3分には屋外アトラクションがあり、ファミリーで来て子供が飽きた場合にはここで気分転換するのもありかなと思います。

メインは全長600メートルのウォークスルー型アトラクション「恐竜が棲む森」。60頭を超える実物大恐竜が配置され、他にも鏡の迷路、巨大昆虫冒険ツアー、ミニゴルフなどで遊べるそうです。
また、博物館の周囲が公園のようになっており、遊具も用意されています。自分が近くを通ったときは、遊具に夢中の子供に「そろそろ博物館に戻って恐竜を見よう」とお父さんお母さんが懇願するというほのぼのとした光景(?)も見られました。

恐竜博物館を楽しむ上での注意点
このように福井県立恐竜博物館は魅力に満ちあふれていますが、それに比例して来場者も多いです。自分は春休みの土曜という行楽日に訪れたため、ほぼ上限レベルで混雑していました。
大型の骨格標本が多いので、「混んでいて展示が見られない」ということはありません。困ったのは、入館枠、ランチ、帰りの交通でした。混雑日は、この3つを意識しておいたほうが安心です。
・入館枠は事前確保
恐竜博物館の入館券は、1時間ごとの時間指定です。自分の入場したい時間にあわせた入館券を買う必要がありますが、混雑日は早い時間帯の入館券が現地では買えない可能性があります。
自分が行った日は、9時半に到着した時点で9〜10時枠はすでに売り切れ、10〜11時枠も残りわずかでした。慌てて購入して30分待ちで済みましたが、もう少し遅れると1時間30分も待つ羽目になりました。
入館券は事前にWebで購入できるので、混雑日には先に確保しておくのが必須。「早い時間を押さえて、もし電車やバスが遅れたら」という心配については、交通事情の場合はスタッフに相談すれば大丈夫のようです。
なお、体験型プログラムやランチで一時的に退館したい場合もありますが、いったん入館してしまえば自由に再入館できます。
・帰りのバスは激混み
公共交通機関で行く場合は、基本的に福井駅から勝山駅まで電車、勝山駅から博物館までバスという流れになります。ただし、電車もバスも本数はそれほど多くありません。
特に注意したいのが帰りのバスです。自分が行った日は、閉館後に乗った最終バスがとんでもない混雑で満員電車のような状態でした。しかも、周辺道路が来場者の車で混み合っていて、かなり遅延しました。その結果、ヘロヘロに疲れたうえに勝山駅での乗り換えに失敗し、次の便まで30分以上待つ羽目になりました。
帰りの移動はかなり余裕を見て計画したほうがよさそうです。混雑日には、バスは混雑して遅れるものと覚悟するか、閉館後しばらく待ってからタクシーを呼ぶのもいいかもしれません。
・昼食は早めに動く
滞在時間が長くなりがちな博物館なので、お昼をどうするか考える必要があります。館内にはレストランがあり、恐竜をモチーフにしたメニューや福井名物が並ぶため、ここで食べるのがベストでしょう。ただし、館内が混んでいる日は当然レストランも混みます。
自分は昼のピークを外して14時半ごろにレストランに行きましたが、それでもまさかの80分待ち。どうやら、先に受付だけ済ませて展示を見ながら待つのが正解のようです。

館内のレストランの他に、館外にもザウルスキッチンというレストランがあり、そちらの方が空いているようでした。いずれにしても、混雑日にしっかり食事をしたいなら早めの行動です。
館外は公園のようになっているため、お弁当を用意してそこで食べるというのもありだと思います。
・交通機関
公共交通機関を使う場合、福井駅で買える「恐竜博物館用交通セット券」がお得。電車とバスがセットになって割引されるため、周りの大半がこの券を使っていました。
このほか、福井駅から博物館への特別便もいくつかあります。たとえば、XR演出を楽しめるバス「いこっさ!福井号」や、恐竜ラッピングの「恐竜バス」、「恐竜列車」などがあります。
片道でプラス2000円以上は必要になるため通常ルートよりだいぶ高めですが、移動時間も楽しみたいという方はご検討ください。
おわりに
以上、福井県立恐竜博物館の魅力と注意点を紹介しました。自分も1回行っただけですが、初見ならではの発見をまとめています。ほぼ丸一日滞在しましたがそれでも時間が足りなかったため、いずれ再訪問して情報をアップデートしたいところです。
それにしてもこの博物館、良質な知的エンタメを楽しめ、繰り返しになりますが本当におすすめです。自分は結構いろいろな博物館に行っていますが、学びと遊びの両立という観点からはトップクラスではないでしょうか。もし近くに住んでいたら確実に年パスを買います。
館内を見ていると、常連っぽい小学生ぐらいの子供が大人顔負けの恐竜知識を披露していました。
この博物館で幼いころから英才教育を受けた子供が、話題の恐竜学部に入学し、研究者として羽ばたくのでしょう。日本の恐竜研究は明るそうです。
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