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リトルワールドは「並ばない万博」? 万博ガチ勢が検証

はじめに

大阪・関西万博が閉幕して、もう2か月近く。
あの熱気が忘れられず、万博関連のイベントを求めてさまよう「万博ロス勢」も少なくありません。

ところで、万博開催中にこんな噂が流れたことをご存知でしょうか?

・愛知の「リトルワールド」は、まるで万博
・世界の文化やグルメを一日でハシゴできる
・しかもガラガラで並ばなくていい

当時は聞き流していましたが、もし本当に並ばずに「万博っぽい体験」ができるなら、アフター万博にぴったりです。

実際にリトルワールドを訪れて真相を確かめてきました。この記事では、以下のポイントを伝えます。

  • リトルワールドは世界の日常生活に接する博物館とテーマパークの融合

  • 万博っぽい雰囲気もあるけれど基本は別物

  • 並ばないのは平日だけで、休日は普通に混む

万博ロス勢はもちろん、純粋にリトルワールドに興味がある方も参考にしていただければと思います。


リトルワールドとは何か

リトルワールドの正式名称は「野外民族博物館 リトルワールド」。

「人間と文化」をテーマに、“博物館の学び”と“テーマパークの遊び”を一体化させた、かなりユニークな施設です。

・サイズ感は万博並み

名前に「野外」と付くだけあって、広さは日本トップクラスです。

・敷地面積ランキング
1位:ハウステンボス 152ヘクタール
2位:リトルワールド 123ヘクタール
3位:明治村 100ヘクタール(同じ犬山市)
参考:大阪・関西万博 155ヘクタール

大屋根リングとのサイズ比較
(非公式サイト「どこでも大屋根リング」より)

園内には、世界各地の伝統的な民家をできるだけ忠実に再現した家屋が31棟展示されています。

一周2.5kmの周遊コースを歩きながら、家屋をのぞき、その国のグルメをつまみ、民族衣装をレンタルしたりお土産を買う…。そんな「世界一周ごっこ」ができるのが特徴です。

さらに、本館には約70カ国から集めた6,000点もの民族資料が展示されており、本格的な民族学博物館としての側面も持っています。

ざっくり言えば、「遊びながら世界の文化を学ぶ屋外型ミュージアム」。それがリトルワールドです。

・アクセス情報

所在地は愛知県犬山市。
名古屋駅から電車とバスを乗り継いで、1時間前後で到着します(マイカー用駐車場もあり)。

入場料は、大人2,200円、小中学生1,100円、幼児500円。そして犬300円

そう、リトルワールドは愛犬と楽しめるかなり珍しいテーマパークです。さすがは犬山市と言ったところでしょうか。

なお、公共交通機関を使う場合、入館券と電車・バスがセットになった「リトルワールドきっぷ」があるので、それを買うことを推奨します。


万博並み? まさかの大行列

訪問日は11/23。秋の三連休のど真ん中です。
通常のテーマパークなら混雑確定ですが、「リトルワールドなんて混まないでしょ(笑)」と軽く構えていました。しかし、これが悲劇を生みます…。

・ニュースでは空いてるはずなのに…

まず向かったのは名鉄・犬山駅のリトルワールド行きバス乗り場。ここで、いきなり想定外の光景が目に入ります。

バス乗り場に朝9時台から行列ができているのです。

次のバスに乗れるか怪しい状況で、しかもバスは1時間に2本のみ。「ぎりぎり乗れるだろう」と祈るような気持ちでバスを待ちます。

しかし、現実は無情。見事に乗り損ねました。

「えぇ~!?」という嘆きの声を残し、ギュウギュウに乗客を詰め込んだバスは走り去るのです。

・次は大渋滞

30分後、ようやく次のバスに乗車できました。しかし、気を取り直したのも束の間、今度は別のトラブルが発生します。

リトルワールドへの道路がマイカーで渋滞し、バスも巻き込まれたのです。

結果として、20分の道のりが45分もかかる大遅延。さきほどのバスの積み残しと合わせて合計1時間のロスです。

・なぜこんなことになったのか

あとで分かったことですが、リトルワールドが空いているのは平日の話。休日になると、入場までのアクセスやレストランは結構混むそうです。

今回の訪問日は絶好の行楽日和。さすがのリトルワールドでもアクセス地獄になってしまったのです。

・ある意味では万博

それにしても、「バス停に大行列」「乗客積み残し」「渋滞で進まないバス」「駅からゲートまで1時間」「あてにならないメディア」。

これらはまさに万博で見た光景です。どこか懐かしい気分にもなりますが、そんな「万博っぽさ」は別にいらないんですよ…。


「並ばない世界旅行」のスタート

そんなこんなで、ようやく入場ゲートに到着。
チケット売り場には少し列ができていたものの、ゲート自体はスムーズに通過できました。

入口付近

入口すぐには民族学資料を展示する本館もありますが、野外エリアをまず回ることにしました。

広い公園のような敷地には、世界各地の家屋が点在しています。一周2.5kmの周遊コースを歩きながら、それらを順番に巡っていきます。

周遊コースは空いていて快適に歩くことができる

野外展示のハイライト

家屋は全部で31棟もあるので、印象に残ったものを紹介していきます。

・北海道 アイヌの家(19世紀末)

現地の大工を招き、材料も現地と同じものを使ったというこだわりです。

屋内には日用品や内装も再現され、解説パネルもあります。「悪さをした熊の首を女便所に放り込む」というパンチの効いた文化もあるそうです。

・ペルー大農園 領主の家(16世紀末~20世紀)

個人的に一番綺麗だった建物がペルー。真っ白な壁に礼拝堂付きの豪邸で、家具や装飾も豪華です。

ただし、この大農園では、スペイン系の領主が先住民たちを小作人として酷使していました。その搾取構造を考えると少し複雑な気持ちにもなります。

・ドイツ バイエルン州の村(1950年代)

リトルワールドの中でも、ドイツ・フランス・イタリアのヨーロッパエリアは特に人気でした。

その中で、ドイツ家屋は可愛らしい壁画が特徴のおもちゃのような外観です。内部にはオクトーバーフェスに使う樽馬車が飾られ、さすがビール大国といった感じがしました。

こんな調子で家屋は合計31棟。全部紹介するとそれだけで記事が終わるので、他は割愛します。

・野外展示の感想

これらの家屋は、「それっぽい建物を並べただけ」ではありません。

  • 現地の家屋を分解して移築

  • 現地の家屋をモデルに、本場の建材と大工で復元

といったガチな方法で再現されているのです。
万博で世界各国の文化や建築に興味があったという人には刺さるのではないでしょうか。

一方で、万博と比較すると以下の違いがあります。

  • 迫力ある映像や体験型コンテンツはほぼない

  • スタッフとの会話やガイドは基本的にない

  • 「庶民の家」が中心で豪華な美術品は少ない

  • SDGsのような未来志向のテーマ性はない

例えるなら、「スタッフのいないコモンズ館」をフィールドに散りばめたようなもので、古い建物を淡々と見て回ることとなります。

万博で話題となった、没入型映像・最先端技術のデモ・光と音のアート・音楽やダンスなど派手な体験を期待すると肩透かしを食うこととなります。

・家屋の見学だけなら並ばない

気になる混雑ですが、園内の散策や家屋の見学ではほぼ並びませんでした。

入場までの混雑とは裏腹に、いったん中に入ってしまえば落ち着いて見て回ることができます。


世界のグルメが充実

リトルワールドのもう一つの楽しみがグルメ。
各国の家屋を見学しながら、その国の料理を食べることができるのです。

今回はお腹が減ってきたタイミングでドイツのエリアに差し掛かったので、「ここはソーセージとビールでしょ」とレストランに向かいました。

…が、またしても行列に遭遇します。

・ドイツフードで再び行列

レストランの前には結構な待機列。進みも遅く、ざっと見積もって1時間待ちです。

ドイツレストランに並ぶ来場者

そこまで待てないのでテイクアウトに切り替えましたが、それでも30分待ちでした。

ソーセージ(980円)、ポテト料理(650円)、ビール(820円)

味自体はきちんとおいしかったです。
ただ、万博フードのように「現地の食材や調理法を忠実に再現」というガチ度ではなく、「本場っぽいメニュー」という感じでした。

値段は決して安くはありませんが、「ビール1杯1,500円」という万博価格に慣れていると比較的リーズナブルに感じます。

ドイツのテイクアウトメニュー

・この日は特別に混んでいた

この日の昼頃は、レストランもテイクアウトもどこも30〜60分待ちでした。

ちなみに、見たところ一番行列が伸びていたのはイタリアのレストラン。万博で長蛇の列を作ったイタリアがここでも活躍するのは、さすがといったところでしょうか。

イタリアのレストラン前の行列

ただし、この日は特別に混雑していたということは強調しておきたいです。実際、列に並んでいるときにリピーターと情報交換しましたが、「平日に来たときはどの店も並ばなかった」と驚いていました。

平日に来れば、もっと気軽に「世界食べ歩き」が楽しめるはずです。

・アフリカ料理で締め

一箇所だけで終わるのも惜しいので、15時に「アフリカンプラザ」というレストランを訪れました。

この時間帯になるとピークは過ぎ、待ち時間は15分程度。アフリカの珍味が楽しめるということで、串焼きセットを頼みました。

ビール(700円)
左からカンガルー、ワニ、ダチョウの串3本セット(1,500円)

どの肉もクセがあるものの、普通においしく食べることができました。カンガルーはアフリカと無関係では?

アフリカンプラザのメニュー

衣装体験やミニゲームも

ここまで読んで「展示はおもしろそうだけど、ファミリーは楽しめるの?」と思うかもしれません。しかし、心配はいりません。

・世界の衣装で“ロケ撮影”

各エリアでは民族衣装をレンタルして自由に歩き回ることができます。値段も500円とリーズナブル。

家屋の再現度が高いだけに、衣装を身にまとえば住民の気分を味わうことができ、SNSでも映えます。

・ミニゲームや動物で子供も楽しめる

園内には「弓打ち体験」「かわらけ投げ」「スタンプラリー」といったミニゲームも用意され、リャマと羊が飼育されるエリアもあります。

かわらけ投げ(200円)
リャマ

こうして、要所に「分かりやすく楽しいポイント」があるのでファミリーでも楽しめる印象です。

また、リトルワールドでは頻繁にイベントが開催されています。この日は人気アニメの「ダンジョン飯」とのコラボや「パン国博覧会」、「東北うまいもの祭り」というグルメイベントが行われていました。

・ショーを見るならチェック要

このほか、歌やダンスなどのショーが何か所かで開催されています。

ただし、万博のように「歩いているだけであちこちでショーに遭遇」という密度はないため、この日は一度も遭遇できませんでした。

ショーを見たい場合、事前に時間と場所をチェックして動線を組むことが望ましいです。


本館は体験ならず…

最後に本館を見学する予定でしたが、野外エリアで時間切れとなり、まったく手つかずとなりました。

もともと閉園が16時と早めなことに加え、入場前のロスや昼のフード行列が響いてしまったのです。

リトルワールドで野外展示・グルメ・本館をフルコースで楽しむなら、混雑日を避けたうえで朝イチから入る必要があるようです。

機会があれば、いつかリベンジしたいと思います。


リトルワールドはアフター万博として楽しめる?

実際に訪問し、「広大なフィールドを歩きながら世界の文化に触れる」という意味では万博っぽさを感じました。ただし、本質的にはかなり違います。

似ている点

  • 一日で複数の国を「はしご」できる

  • 珍しい建物を見物できる

  • とにかく歩く(この日は18,000歩)

  • 展示だけでなくグルメやショーも楽しめる

決定的に違う点

  • 「庶民の生活」を再現し、学術的な側面が強い

  • ド迫力の映像や体感型コンテンツは少ない

  • これまでの日常生活のアーカイブであり、万博のような未来志向ではない

  • スタッフとの交流や来場者同士の交流は少ない

  • 当たり前だけど予算のスケールが違いすぎる

万博を期待すると「これじゃない」となるけれど、海外気分を味わいつつ歴史を学ぶことができる唯一無二のテーマパークとして普通に楽しめました。

平日なら空いているので、気になる方は行ってみてはいかがでしょうか。


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ジュン右近|万博に詳しい知財人 この記事が面白い、役に立ったと思われたら ♡スキ で応援してもらえると励みになります!