【忘れているのではなく、忘れたくない】──認知症の方が何度も話す思い出の意味──【 認知症 / 介護 / 家族 / エッセイ / 4コマ漫画 / AIイラスト / 画像生成AI / 創作日記 】
認知症の方が何度も同じ話をするとき、私たちはつい「またその話?」と思ってしまいます。
その言葉を繰り返す理由について、考えたことはありますか?

「その話、もう10回目です!」の裏に隠された本当の気持ち
「おじいちゃん、その話もう10回以上聞いたよ!」
家族との会話の中で、こんな言葉が出てしまったことはありませんか?
認知症の方と関わっていると、同じ話を何度も繰り返される場面によく出会います。
そして聞く側は、
「またその話か…」
「さっきも聞いたよ」
「何回目だろう…」
と思ってしまうことがあります。
しかし、その“繰り返し”には、私たちが気づいていない大切な意味が隠されているのかもしれません。
「忘れたから話している」とは限らない
認知症になると、確かに新しい出来事を覚えることが難しくなったり、自分が話したことを忘れてしまったりすることがあります。
そのため、同じ話を繰り返す姿を見ると、
「話したことを忘れているからだ」
と考えがちです。
もちろん、それも一つの理由かもしれません。
でも、本当にそれだけでしょうか。
何度も語られる思い出には理由がある
認知症の方が繰り返し話す内容をよく聞いてみると、そこには共通点があります。
若い頃の仕事の話
子育ての話
学生時代の思い出
大切な人との出来事
成功体験や誇りに思っている経験
つまり、その人の人生の中でも特に印象深く、心に残っている出来事なのです。
何度も語られるということは、それだけ大切な思い出である可能性があります。
そしてその話には、
「忘れたくない」
「覚えていてほしい」
「あの頃の気持ちをもう一度感じたい」
そんな思いが込められているのかもしれません。
記憶は薄れても、感情は残る
認知症ケアの世界では、
「記憶は失われても、感情は残る」
と言われることがあります。
出来事の細かな内容は思い出せなくなっても、
楽しかった
嬉しかった
誇らしかった
愛されていた
そんな感情は心の奥に残り続けます。
だからこそ、その感情をもう一度感じたくて、同じ話を繰り返しているのかもしれません。
私たちが聞いているのは「同じ話」でも、本人にとっては毎回、大切な気持ちを確かめる時間なのです。
「またその話?」から「大切な思い出なんですね」へ
もし目の前の人が同じ話を始めたら、
「それ聞いたよ」
で終わらせるのではなく、
「その時はどんな気持ちだったんですか?」
「楽しそうですね」
「本当に大切な思い出なんですね」
そんな言葉を返してみてください。
話の内容よりも、その人の気持ちに寄り添うことで表情が柔らかくなったり、安心した様子を見せたりすることがあります。
認知症ケアで大切なのは、事実を正すことだけではありません。
その人が何を感じているのか。
なぜその話をしているのか。
その背景に目を向けることです。
繰り返しているのは「話」ではなく「人生」
私たちはつい、「何回同じ話を聞いたか」を数えてしまいます。
でも、その人は同じ話をしているのではなく、
自分の人生で大切だった瞬間を語っている
のかもしれません。
そこには、
笑った日々、
頑張った時間、
愛した人との思い出、
そしてその人らしさが詰まっています。
だからこそ、認知症の方が繰り返す話に出会った時は、少しだけ見方を変えてみてください。
繰り返しているのは「話」ではなく、忘れたくない大切な気持ちなのかもしれません。
そしてその話の裏には、誰にも奪うことのできない、その人だけの人生の宝物が隠れているのです。✨
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