153. Digital Twins Builder
はじめに
今回から、何回かに分けて、Microsoft Fabric の Digital Twins Builder 、及び、関連情報を取り上げることにします。
マイクロソフトの Digital Twins 関連サービス
現在、マイクロソフトから公開されている、Digital Twins が冠された名前がついているサービスは、
の二つがあるようです。前者は、私が日本マイクロソフト在職中からあるサービスで、実プロジェクト導入支援も担当したことがあり、このマガジンでもおなじみのサービスです。
後者は、最近公開されたサービスで、まだ、プレビュー段階のサービスのようです。なので、私も全く知らない新しいサービスです。最近、IoT・Digital Twins 系のサービスのアップデートがほぼなかったのでちょっと寂しかったのですが、ちょいとわくわくな感じ。
もっとも、新しいサービスが続々リリースされると、もう、「私はマイクロソフト系の IoT・Digital Twins は世界で一番よく知っている人間のうちの一人です!」とは胸張って言えなくなるのですがね(笑)
Microsoft Fabric ってそもそも何よ
さて、Digital Twin Builder(そうえば、何故 Twins じゃなくて Twin 何だろう…)についてです。この機能は、Microsoft Fabric の一機能として公開されています。

…はて?、Microsoft Fabricって?…という状況なので、とりあえず調べてみると、
Microsoft Fabric は 2023年11月に正式リリース(General Availability)されました。
それ以前の 2023年5月23日にはプレビュー版が公開されており、企業や開発者が先行して導入・検証を進めていました。正式版では、OneLake、Power BI、Data Factory、Synapse、Real-Time Intelligence などの統合機能が本格的に利用可能となり、データ基盤の統合とAI活用を加速するSaaS型プラットフォームとして位置づけられています。
なるほど、私がマイクロソフトを卒業したのが、2022年2月末なので、知らなくて当然ですね。Azure Digital Twins が PaaS 型のサービスなのに対し、Microsoft Fabric は、SaaS 型のサービスであり、その目的は、“データ基盤の統合と AI 活用を加速する”ことによってビジネスを支援するというもの。今どきはやりの”ノーコード・ローコード”で業務システムが組めるのが売りのようですね。
もうほんとに、今どきは生成系AI の話題一色ですね。AI 活用するにも、基本はビジネスで扱うデータが基盤となるわけで、単に単発ネタになんちゃってAIを適用するのではなく、様々な業務フローもまとめて面倒見てやるぜ!って感じのサービスのようです。上の回答で挙げられている機能の概要を参考までに、列挙しておくことにします。
OneLake
Big Data 向けの基盤サービスで、Microsoft Fabric の一機能として提供
Azure Data Lake Storage Gen2 上に構築されていて、Azure Storage Exploler でもアクセス可能
Power BI
様々なデータソースと連携でき、データを“見える化”して、誰でも直感的に分析・意思決定できるサービス
単体でも利用可
Data Factory
複数のデータソースからのデータの整形・統合
Microsoft Azure でも機能的に PaaS として同様なサービスが利用可
Microsoft Fabric・Azure が想定しているユーザーエクスペリエンスに合わせて選択
Synapse
Azure Synapse の思想を継承しつつ Microsoft Fabric 用に再設計された SaaS 型の分析基盤
Azure Synapse は、データレイク、データウェアハウス、ETL、MLなどと連携する PaaS 型のフルスペック分析基盤
Real-Time Intelligence
時系列データ系の分析のための SaaS 型サービス
(強いて言えば)Azure Stream Analytics や Time Series Insight 等と同様な機能を提供する
このサービスについては、興味深いので、機会を設けてこのマガジンでも扱う予定
Microsoft Fabric が統合型データ分析基盤の SaaS であるならば、当然、業務系の SaaS である Microsoft 365 との連携はどうなのか気になるところです。こちらを調べてみると
Microsoft Graph API による Microsoft 365 データへのアクセス
OneLake と Microsoft 365 データの連携
Power BI によるMicrosoft 365 データの可視化
Microsoft 365 Copilot との連携
セキュリティと認証の統合
で、連携可能だとのことです。”Microsoft 365 データ” という言葉が出てきていますが、メール、Office 文書、アカウント、チャット、Teams、などなど、Microsoft 365 でドキュメント作成・管理、メッセージングを行っている企業なら、これらがグラフ表現されて保持されている Microsoft Graph で、全て系統的に取り出せるデータ、つまり、デジタル化されて扱われる全てのビジネスデータのことを意味しています。Microsoft 365 を導入している企業なら、下手な野良系○○ DXソリューションを導入するより、Microsoft Fabric を導入する方が、DX 実現の早道だと、素朴に私は思うのですが、いかがでしょう。Microsoft 365 Copilot なら、学習用のデータも学習済みの AI モデルも全て、アクセス権のコントロールできるしね。
そして、本題へ
Microsoft Fabric の紹介が終わったところで、本題の Digital Twin Builder の話に移ります。
Microsoft Learn のドキュメントによれば、
デジタルツインビルダーによって、オントロジを通じて資産やプロセスなどのビジネス概念を構築しモデル化するための低コード/ノーコードの体験がユーザーに提供されます。 これにより、さまざまなソース システムからオントロジへのデータ マッピングが可能になり、システムまたはサイト全体のセマンティックリレーションシップが定義されます。 この項目には、モデル化されたデータを探索するためのすぐに使用できる探索エクスペリエンスも含まれています。 オントロジは 、Real-Time ダッシュボード または Power BI に接続できるため、顧客、クライアント、およびさまざまな内部対象ユーザー向けにカスタマイズされたビューとダッシュボードを作成できます。 オントロジーを構築および分析するためのローコード/ノーコードのエクスペリエンスにより、デジタル ツイン ビルダーはMicrosoft Fabricのオールインワンデータ分析プラットフォーム内において、運用上の意思決定者が大規模な業務を改善するために利用しやすくなります。
ハイ出ました。“オントロジ”。オントロジとは哲学でいうところの、存在論のこと。「存在とは何ぞや」ということは哲学上の大問題なんですね。軽々と、”オントロジ”と言われても、このマガジンをちゃんと読んで理解している読者の皆さんを除き、一般の人達は「なんのこっちゃ」でしょうね。
基本的には、眺める時の意味の場に応じて、何を存在として捉えるのかが、ドラスティックに変わってきます。今回の記事で”○○のデータ”という使い様がたくさん出てきていますが、同じデータ項目でも、眺める時の意味の場に応じてそのデータの意味するところが変わってきます。意味が変われば、何を分析するのか、とか、どんなふうに表現して表示するのか、とか全て変わってしまいます。データの意味は、オントロジ的に何なのか、これがなければ確定しません。
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IoT・Digital Twins を極めよう!
2022年3月にマイクロソフトの中の人から外の人になった Embedded D. George が、現時点で持っている知識に加えて、頻繁に…
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