あるボランティアの話ー施設編ー 第14話、ボランティアを始めた頃~Part5~その方の良いところはどこですか?

        すべての仕事は“サービス業”
    
     せっかく、“どうしてこうなんだろう?”
          “こうしたらどうだろう?”
          って、思えたのに┅。
     

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      施設のボランティアを始めた頃┅

      「あっ、この方は耳が遠いです」
     「ここに来る方は、認知症ですから┅」
      「〇〇〇さんは、しゃべりません」
    「〇〇〇〇〇さんは、すぐ怒り出しますから┅」

           一通り聞いて
    「〇〇〇〇〇さんの良いところはどこですか?」
           「えっ?」
         「良いところです?」
    「施設に入る人ですよ┅、良いところなんて┅」

        耳が遠いですと言われてても
      私が何気なくボソボソとつぶやけば
      「ああ、そんなこともあったなぁー!」
          「おっ!聞こえてた!」
            になるし

           
         認知症ですと言われてても
            炭鉱節
      「月が出たでーた♬、月がでーた♩」
           って、歌えば
   歌詞、一番、二番ごちゃごちゃになることはあっても
          音程は外れていない
          一緒に歌ってくれる。

       
      私は介護する方┅、あなたはされる方┅。 

  
         怒鳴る利用者様から
    「お前なんか首だ!辞めちまえ!出ていけよ!」
          と言われれば
    「そんなことばかり言うと“出禁”になるよ!」
          もう一人の職員は
   「あー良かった!私も辞めたいのよ、こんなとこ!」
          もう一人の職員は
       「そんなのほっといたらいいのよ!」
      
        職員自らの感情をぶつけてくる。


           ここでの生活は                   
       ある年齢を過ぎれば直ぐ隣にある現実。 

    
    
       施設はこう言うところなんだと思った
           こんな風景を
        他の方に見せられないだろう
            今まで
      ボランティアを受け入れない理由がわかった
        施設内の事は他では話さないこと
      当時、その誓約書のサインの意味もわかった。

           女房が旅立って
       ぽっかり空いた穴、それを埋めたくて
         ここでのボランティア選んだ
          あれとこことそれと
             もっと
      何かで忙しくしてないと壊れそうだったから。
           
        

    あるボランティアの話―施設編―      終わり。


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野川 宏光 最後まで読んでいただきありがとうございます。もし魂に届くものでありましたら執筆の糧として応援をいただけると嬉しいです。