事業計画の用語 #2: MVP (Minimum Viable Product)
前回は役務 (ヒト) ビジネスとプロダクトビジネスの違いについて紹介しました。
今回は、プロダクトビジネスの事業計画によくでてくる概念、MVP (Minimum Viable Product) について紹介したいと思います。
プロダクトビジネスにおける最大のリスク
プロダクトビジネスにおける最大のリスク、それは「作ったものが売れないこと」です。
役務ビジネスの場合、先に需要の存在を確かめてから、役務を供給することができます。
たとえばコンサルティングであれば、クライアントの要望を聞いてから、提案と見積を提示し、成約してからコンサルタントが価格に見合う働きをする、という構図になっています。
プロダクトビジネスの場合は、この順序が逆転します。
まずプロダクトを作ってから、需要があるかどうかを確かめることになります。
たとえばスマホアプリであれば、「こういうアプリには需要があるだろう」という仮説をもとに作ってリリースしてから、初めて実際にダウンロードされるかどうかが確認できます。
半年や1年かけて完璧なアプリを作り上げても、いざリリースしてみたら「誰も使わない」「想定していた課題は実際には存在しなかった」ということが起こり得ます。その時点で投じた時間と資金は、ほぼ回収不可能になってしまいます。
「作ったものが売れない」悲劇を避ける方法
このリスクを抑えるにはどうしたらよいでしょうか?
要は、事前に売れるかどうかを見極めたい。
なるべく早い段階で、
なるべくお金をかけずに、
なるべく高い精度で、
見極めたい。
その一つの定石のようなものが MVP です。
MVP (Minimum Viable Product) とは
MVP とは Minimum Viable Product の略で、日本語では「実用最小限の製品」と訳されます。"viable" は「実用的な」「成り立つ」という意味です。
Eric Ries が著書『リーンスタートアップ』(2011年) で提唱し、今ではスタートアップや新規事業立ち上げの際の標準的な用語になっています。
MVPの定義は
「最小限の機能で顧客に価値を提供し、
学習を最大化できる製品」
です。
「完璧な製品の簡易版」
ではなく、
「仮説を検証するための実験道具」
という位置づけです。
プロトタイプとの違いが分かりにくいかもしれません。
人によっては区別せず使う方もいますが、
一般的には
MVPは「顧客が利用して対価を払うか判断」するための「プロダクト」、
プロトタイプは「動作確認用」などの「非プロダクト」です。
MVPには必ずしも「有償」という条件は含まれませんが、
実際のビジネス検証では有償でテストすることが多いです。
参考情報
Eric Ries『リーンスタートアップ』(MVPの提唱者による原典)
田所雅之『起業の科学』(国内ベストセラーのスタートアップ解説書)
Goodpatch Blog 『MVPの作り方とは?』 (図解付きのウェブ記事)
次回は、MVP と関連する概念、PMF (Product Market Fit) について紹介したいと思います。
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