広告経済の次 #12: 『監視資本主義』続き

前回、「また続きを書きます」と書いてから、
だいぶ時間がたってしまいました。
とにかく恐ろしいことが起きている、というお話です。
いきなり、そんなことを言うと、引かれてしまいそう。。。
でも、ぜひとも、みなさんに読んでほしいのです!
ところが 606 ページもあります。
どうしましょうかね。。。
みなさんに「ぜひ読みたい」と思ってもらうために
ベストを尽くして頑張ってみます。。。
私と同じように「えっ、そんなことが!?」と思った方がいたら、
ぜひ他の人にも教えてあげてください。
『監視資本主義』なんておどろおどろしい名前をつけて、
煽っているだけじゃないか、と疑ってました。
ところが、詳細に挙げられている事例の数々は、
そういえば、そういうことがあったなあ、
と知っているものばかりでした。
でも、その意味することが全く見えてなかった。
言われてみれば、全てがつながります。
IT業界にずっといて、それに気がつかなかった自分が恥ずかしい。
グーグルの例だけ挙げてみます。
グーグルが登場した時のことは、今でもよく覚えています。
インターネットが普及し始めて、
あっという間に、ホームページは数えきれないほど増えて、
情報を探すのが課題になっていました。
どの検索サイトも、精度は悪いし、
たくさんのバナー広告でチカチカして、気が散る。
確か AltaVista というページが、
複数の検索エンジンを使って検索できるので、
仕方なくそれを使ってました。
そこにグーグルが登場しました。
まず、広告がない!
シンプルな白いページに検索の窓が一つだけ!
究極のユーザ指向なデザイン。
そして精度も抜群!
精度の秘密は
「ページランク」 という
スタンフォードの学生が考えた
「ウェブ全体の参照関係を巨大な行列とみなし、
固有ベクトルを求めることで
“本質的に重要なページ” をランク付けする」
アルゴリズムだそうで。
この断トツの精度、数学的センス、ユーザ指向!
一発でファンになってしまいました。
彼らは実際、最初は広告ビジネスを忌避していたようです。
そしてグーグルはビジネスモデルがないまま、
世界中のユーザに受け入れられていきました。
グーグルが AdWords と AdSence で
広告を取り入れ始めたときも、
全然、悪い気はしませんでした。
情報を探しているユーザと
情報を届けたい広告主との
マッチングを手伝ってあげているだけだ、
と自然に思えたのです。
そして、しばらくすると、
SEO (サーチ・エンジン・オプティマイゼーション) が
頻繁に話題になるようになりました。
もはや、グーグルの検索エンジンは、
数学的に純粋なページランクで動いているわけではないそうです。
しかも頻繁にアルゴリズムを変える。
検索順位が短期間に何度も変動することを「グーグルダンス」
というようになりました。
オンラインでビジネスをしている人にとっては
検索で上位に来ないと死活問題です。
そのときも、特に個人の権利を侵害している、という風には、
全く気がつきませんでした。
でも、考えてみると、そのとき既に
グーグルは市場を独占していたわけですね。
インターネットの情報流通という市場を。
その時でもグーグルにとって、まだ
ユーザの検索の満足度は重要だったかもしれません。
しかし、グーグルにとっては
顧客はユーザではなく広告主であり、
広告主から広告料を絞りとるためなら、
やれることは何でもやる。
検索結果が頻繁に変わるのは、
決してユーザの満足度向上のためではなかったわけです。
ユーザの検索履歴やクリックの傾向といった行動データは、
広告主にとっての「宝の山」です。
私たちの関心そのものが商品化され、
オークションにかけられているのです。
つまり、グーグルにとって「ユーザ」は、
広告主に売る商品の
「原材料」にすぎないのです。
グーグルマップ のことも覚えています。
便利でしたね!
まず、専用アプリではなく、
ウェブページであの操作性を実現できるのが、
驚きでした!
Ajax というウェブアプリ開発手法においても
イノベーションがあったのです。
そこばっかりに気を取られてました。
mapion や カーナビのビジネスは大変だろうなあ、
とは思いましたが、
とにかく便利です。
ストリートビューも驚きましたね。
自分の家の写真を世界中に曝されるということの、
気持ち悪さは感じた記憶があります。
プライバシーとか肖像権とかいろいろ話題になってました。
でも、便利さの代償として、
納得していたように思います。
ところが、
このストリートビューのデータ収集の際、
グーグルはとんでもないことをしていたそうです。
撮影用の車が、各家庭からの
暗号化されてない Wi-Fi 通信を傍受し、
個人情報を収集していたと!
「組織的なものではない」、と弁明してますが、
今に至るまで、その情報の破棄には応じてないのだそうです!
こういったことが、
何度も何度も繰り返し起きているようです。
そういったことへの「世間の反応」への対処の仕方も
プラットフォーム側だけが経験を積んで、
どんどん洗練させていっている。
プラットフォーマーは
それらの情報収集・操作の価値を自覚しています。
一方の、個人の側は
まさかグーグルやフェースブックのような超一流企業が
そんな酷いことをしているとは
夢にも思っていないため、
まず問題を認識できない。
認識できたとしても、
闘い方がわからない。
本当に怖いんです・・・
これは一人で闘える闘いではありません。
起きていることに名前をつけて、
世界中の人が認識できるようにする。
それが出発点なのだと思います。
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