アイスクリームを前に見せる大人の貫禄
「31アイスにバニラを頼むくらいの余裕」、その言葉を聞いて以降、私はそれについてずっと考えている。
数日ひたすら考えたが、わからなかった。
だって31アイスクリームだよ。
31種類のアイスクリームから好きなアイスを選べる、自分最強アイス決定大会の開催日なわけですよ。
そんな非日常を求めて31アイスクリームを食べに行くというのに、バニラって。
逆張りで選ぶ、というのであればまだわかる。
高校生くらいになると子供っぽいはしゃぎ方に嫌気がさす瞬間がある。あえてシンプルなものを頼むのが大人、みたいな拗らせ方をする時期はある。
洋楽を聞いたりとか、モノトーンの服を着たりとか。
うっ、洋服のセンスが無くて白黒ばっかり着ていた10代のころを思い出すぜ。
ポッピンシャワーでもクッキークリームでも期間限定フレーバーでもなく、シンプルなバニラを選ぶ。
確かに余裕がある、はしゃいでない、大人の貫禄だ。
本当の大人こそが、必要な時に自分に必要なシンプルなものを選べる。
頭では理解できる、頭では、だ。
でも私は、31アイスクリームで居並ぶアイスの前に来たら、目の色を輝かせて、どれがいいか迷い始めてしまう。そこではしゃいでしまう私は、やはりバニラは選べない。
ギリギリ選べてオレンジソルベだ。
あれシンプルにおいしいんだよね。
大人の余裕が足りない、と反省したい。
でも、31アイスクリームの色とりどりの輝きのせいなんだよ。
私が悪いんじゃないんだよ……きっと。
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