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Fuzzy Feeling in Head(1)

Fuzzy Feeling in Head というのは、気持ちがモヤモヤしてたり、くすぐったいような気持ちだったり、なんとなく落ち着かなかったりする時に使う言葉。そもそもはメンタルヘルス系の診断なんかでよく使われる言葉なのだ。基本、このNoteには、つぶやきを除いては過去の出来事を書いているので、これは初・割とリアルタイムのお話。

先週末。私は、アルツハイマー(強)のじぃさんとアルツハイマー(弱)のじぃさんに挟まれ、頭を抱えてポーチに座っていた。あぁ、これ知ってる~この場面、何かであったわ~と思って、あとで思い出したら漫画:ドリフターズで、ボケてしまってるじいちゃん(ローマの名将)と会話する主人公のやり取りだった。

どっちのじぃさんもアルゴおば達の伴侶である。アルツハイマー(強)のじぃさんは、アルゴおば4の旦那さんで御年89歳。ちなみにアルゴ末おばとの年の差は37歳である(アルゴおば4は52歳)

アルツハイマー(弱)のじぃさんは、アルゴおば1の旦那さんで御年78歳。職業は画家。作品が美術館に飾られているから結構な人なのだと思う。

じぃさんたちは、イキイキと1960年後半から1970年代に起こったヘロイン・コカインの爆発的な流行とその時の様子を派手なジャスチャー込みで私に話していた。昔はワルだったのである。そうだろね、アルツハイマー(強)のじぃさんは、ピンプ(売春斡旋する人。娼婦にお金を貢がせる人)で、アルツハイマー(弱)のじぃさんは、大都会でブイブイ言わせてたアーティストだもの。

アルゴには叔母が4人いるのでこのようにおばの後に数字をつけてみたのだが。アルゴおば4は、きょうだいの一番下。アルゴおば1は、きょうだいの一番上。なのでおば1とおば4でも、親子程の年の差があるのだ。ちょっと義母の姉妹たちをリストにしてみよう。

おば1:一番年上の姉。長らくアメリカ海軍にいて今は退役。大都会で暮らしている。御年75歳 →今回の話にでてくる人。
おば2:元モデル。ものすごい皮肉屋の絵にかいたような英国人が夫。大都会で暮らしている。
***この間にアルゴ母***
おば3:レズビアン。元警官の奥さんと9年前に結婚。義母が亡くなった時の話で結婚式費用を葬式代として使った人。大都会で暮らしている。
おば4:唯一、我々のご近所に住んでいる一番下のおばさん。私より少し年上。うちの近所に住んでいる→今回の話のほぼ主役。

アルゴ、アルゴママのことは書いたけれど、ママ姉妹たちも濃い。ともあれ。おば4が膝の関節を人工関節にするための手術を受けることになった。人工関節を入れる手術でも、ほとんどの場合は、その夜だけ入院させられ、翌日には帰されるというスパルタである。リハビリ施設なども自分で探し、予約しろと言われる。ちなみに私は、右と左両方の股関節を人工関節にしているが、そんな手術ですら入院は半日だけであった(単に保険の関係上、保険会社がカバーしないのでアメリカで入院するというのはよっぽどのことなのである)

家に帰されても大きな手術であることには変わりがない。膝の関節を入れ替えるので、回復までに最低でも2~3週間かかる。そこで、問題になったのが、おば4の夫である。89歳。彼はアルツハイマーにかかっている。痴呆の症状は色々あるけれど、彼は食べたことを覚えていない、どこにいるか(自宅だが)わからない、真夏に皮のコートと手袋をしてポーチに座っている、と症状は重い。普段は、おば4が面倒をみているが、我々はきちんと検査してもらって、しかるべき施設に入ってもらい世話をしてもらうのがよいと言っているのに、おば4は聞く耳を持たない。で、そのおば4が手術である。動けないのである。

そこで、すでにリタイア生活を送っているおば1が、おば4の術後、おば4とその夫の面倒を見るために、2週間ほどわが街に滞在することになった。

しかし、おば1の夫とてアルツハイマーなのである。おば1夫は、検査、診断済みであり、進行を遅らせる薬を服用しており、痴呆も軽度なのだ。まだら呆けというやつ。というわけで、おじ1:アルツハイマー(弱)のじぃさんと一緒にやってきたのだ。

おば1=妹(おば4)の面倒を見る。   75歳
おじ1=アルツハイマー(弱)のじぃさん 78歳
おば4=膝の人工関節置換手術。     52歳
おじ4=アルツハイマー(強)のじぃさん 89歳

トータル4人・294歳。平均年齢・73歳というおっそろしく平均年齢の高い家である。もちろん、アルゴと私が助けに行かねばならない。あ、書き忘れていたが、体のこと、アルツハイマー(強)の夫がいるとはいえ、それだけでは言い訳にならないほどに、おば4の家は足の踏み場もない。本当に、足の踏み場がないのだ。おば4は買い物依存症でもあり、家は汚家である。汚いといっても、家じゅうにあふれかえっているのは、すべて新品のもの。おば4は片づけのできない人なのである。それなのに、異様な潔癖症という意味の分からない状態の人なので私たちは、手術後、おば4が転んだりしないように家じゅうを片付けねばならなかったのだ。

もうすでに「あわわわわ……」な状態なのであるが、これだけでは済まない。

手術の前日、私がおば4の家に行くと、家の平均年齢はさらに上がっていた。なんと、アルツハイマー(強)のじぃさんの妹2人が遠くの町から車で10時間もかけて訪れていたのである。予告もなく。

てか、おば4、明日手術やの!てか今もう、痛みで歩けないの!なのになんで、今日!!なんで今日来るの!電話もせずに!!てか、その歳で10時間ドライブとか危なすぎ(叫)というか、電話くらい入れなさいよ……車で10時間って、「ちょっと遊びにいくね♡」的な距離じゃないよ!しかも80代の老人が!

Who does that!!! 
誰がそんなことやるってのよ(呆)!って文字通り。私とおば1はキッチンでヒソヒソ話をした。

おば1=妹(おば4)の面倒を見る75歳
おじ1=アルツハイマー(弱)のじぃさん 78歳
おば4=膝の人工関節置換手術。52歳
おじ4=アルツハイマー(強)のじぃさん 89歳
おじ4妹=おじ4の妹   86歳 
おじ4妹=おじ4の妹    82歳 
おば4友達=おば4の友人  86歳 

お気づきであろうか。さらに一人増えている。おば4の友人。おば4の友人が唐突に表れ、なぜか家をウロウロしている。おば4は幼くして両親を亡くしているせいか、自分の親ほど年の離れた人たちの面倒をみるのが好きなのであるが、他人の面倒見てる場合か?夫はアルツハイマーで、自分は歩けないほどに膝をやられてて、明日手術なの!何してんの、このばぁさん(おば4友人)帰れよ!うろうろしてるだけなら、手伝え!……と私は叫びたかったが黙っていた。年上の人には敬意をもって接しなければならないのである。むぐぐ。おば4友のばぁさんは、私らを手伝うわけでもなく、おば4の様子を見るでもなく、家の中をただただ、うろうろしていた。

トータル7人・552歳。平均年齢はここにきて78歳。ちょっと意味が分からなかった。おば4は、動けないため痛みに唸りながらベッドにいた。私とおば1が、物であふれかえる家を片付け、入院用のものをバッグに入れる作業をする横で、おば4友人はなぜか家をウロウロし続け、おじ4の妹二人をアルゴがもてなす。

「あれ?!じぃさんらどこいった?探してきて!」と言われ、外に出てみれば、アルツハイマー(強)のじぃさんとアルツハイマー(弱)のじぃさんは、折り畳みの椅子を引っ張り出し、ポーチに座っていた。

アルツハイマー(強)のじぃさんはなぜかおば4のものすごく明るい水色のフリースジャケットと真っ赤な毛糸の帽子をかぶっている。外の気温は摂氏にすると30度。もう見た目からおかしい。

「暑くない?」
「なぜそんなことを聞く?」
「だって夏で、くっそ暑いのに、フリースジャケットって。熱中症になるよ?」
「いいかい、お嬢さん(私の事が誰だかわかっていない)ここは俺のうちで、俺は俺だ。だから俺は俺のやりたいようにやるのさ」
「そうなの?まぁそれはいいけど、妹たちが遠くからきてるし、奥さん(おば4)は明日から手術だからさ、とりあえず、家の中に入らない?」
「いいかい、お嬢さん。だからね、ここは俺のうちで、俺は俺だ。だから俺は俺のやりたいようにやるのさ」

と、このようなやり取りが5分ほど繰り返される。おじ4:アルツハイマー(強)のじぃさんは、ジャケットを脱ぐ気も、家の中に入る気もないらしい。そもそも連絡もせずにやってきた妹たちだが、彼女らが妹だともわかっていない様子。

「まったく困ったもんだね、ね、おじさん1?(苦笑)」と私がおじ1:アルツハイマー(弱)のじぃさんに言えば

「はて?どこかであったことがあったかね?いや、ないない、こんな素敵なアジアンビューティを私が忘れるはずもない。Nice to Meet you」

そう言って、笑うと私の手を取り、手の甲にキスをする。おじ1は、とても気障な人だったのだ。いやだが、もう何度もあってるし、甥の嫁やで?

で、冒頭の文になるわけである。

この話の流れから、なぜかじぃさんたちは、イキイキと1960年後半から1970年代に起こったヘロイン・コカインの爆発的な流行の話を始めた。早朝から、4時間ほどかけておば4の家を片付けていた私は、少しばかりの眩暈を覚えて、二人のじぃさんの間に座り込んだ。「勘弁してよ……」そう心で呟いて、顔を上げたらそこには、新しい客がやってきた。

おじ4:アルツハイマー(強)のじぃさんの息子とその息子である。今度は、勘弁してよ、が口にでた。もちろん、日本語でである。

じぃさんの息子とその息子とはいえ、息子もほぼ、じぃさんなのである。忘れないでいただきたいのだが、おじ4とおば4の年の差は37歳。おじ4の息子は68歳。そしてその子供は3歳。

おじ4の息子も、おじ4に負けず、年下の嫁がいる。65歳の時に子供を授かったのだ。結構なことだ。ちなみに相手は元レズビアンの薬中28歳の女で子供を産んで1年で薬物厚生施設に強制入居させられその後の消息は不明。そのため、よくお孫さんですか?と聞かれているが、68歳の彼には3歳の息子がいるのである。

再度、今回の登場人物らを年齢とともに書きだしてみよう。

おば1=妹(おば4)の面倒を見る。  75歳
おじ1=アルツハイマー(弱)のじぃさん78歳
おば4=膝の人工関節置換手術。    52歳
おじ4=アルツハイマー(強)のじぃさん89歳
おじ4妹=おじ4の妹     86歳 
おじ4妹=おじ4の妹     82歳 
おば4友達=おば4の友人   86歳
おじ4息子=おじ4の息子 68歳
おじ4孫=おじ4の息子  3歳 

おじ4孫の登場で平均年齢は下がったが、Nothing but Chaos-混沌、混乱以外の何物でもない状況。おば4は翌日、大きな手術を控えており、この時点で私、アルゴを含め11人の人間が汚家にいたわけだが、別に特別なイベントがあったわけでもない普通の日だったのである。普通のおうちに何もない日に11人も人がやってくるって、あんまりないのではないかと思う。

取り敢えず私は家の中をなんとかせねばと、おじ4息子に言った。

「あの!家の中の掃除とおば4の世話があるので、ここであなたのダディ(おじ4)の様子を見ていてください。あと、あなたのおばさんたち(おじ4の妹2人)にはあなたと息子さんが来てること、伝えてきますね」そう立ち上がりながら言ったら、おじ1とおじ4は、ヘロインの話をいったん止め、同時に聞いた。

「で、お嬢さん。あなたは誰?」

(続)



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