「子どものため」の奥にいる、もう一人の私
こんにちは、かなえです。
前回は、子どもに大声を出してしまう時の「もう無理」という感情は、単なる怒りではなく、お母さん自身の限界を知らせるSOSであるというお話をしました。
今回は、そんな時に顔を出しやすい「もう一人の私」について考えてみたいと思います。
子どもを大切に思っているのに、つい「早くして」「ちゃんとして」と責めてしまい、後から「あんな言い方をしたかったわけじゃない」と苦しくなる…。
その背景には、お母さんの中に「ちゃんとさせなきゃ」とささやく存在がいるのかもしれません。
ここでは、その存在を「ちゃんと星人」と呼んでみます。
「ちゃんと星人」が現れる瞬間
「ちゃんと星人」は、日常のふとした瞬間に姿を現します。
子どもが朝ぐずぐずしている時:「(ちゃんと)早くしなさい!」
子どもが「行きたくない」と言う時:「(ちゃんと)みんな行ってるよ!」
道路をふらふら歩いている時:「(ちゃんと)端を歩きなさい!」
提出物を出していない時:「(ちゃんと)出しなさい!」
こうした場面で、あなたの耳元でささやくのです。
「ちゃんとさせなさい」「今すぐ直しなさい」「母親なんだから、何とかしなさい」と。
その「ちゃんと」は、誰のため?
もちろん、この声のすべてが悪いわけではありません。 「ちゃんと」には、大きく分けて2つの種類があります。
1. 子どものための「ちゃんと」
道路での安全確保や、園・学校でのルールなど、子どもが困らないために必要な教育や守るべきこと。
2. お母さんの焦りからくる「ちゃんと」
朝の準備や、子どものマイペースな言動に対し、お母さん自身が「早く行動させたい」「早く安心したい」「母親として正しくありたい」という焦りから出るもの。
心理学では、不安や焦りが強くなると、子どもの行動に「今の困りごと」として寄り添うよりも、「早く正すべき問題」として捉えやすくなると言われています。
「ちゃんと星人」が奪っていくもの
「ちゃんと星人」の命令は、いつも決まって「早く」「今すぐ」「ちゃんと」の3つです。 これらが前面に出すぎると、お母さんが本来大切にしたかった「関わり方」が後ろに追いやられてしまいます。
本当は「待ってあげたい」のに、急かしてしまう。
本当は「味方でいたい」のに、正論で責めてしまう。
本当は「信じて見守りたい」のに、先回りして指示してしまう。
「ちゃんと星人」は、正義の仮面をかぶってお母さんの理想の関わり方を奪っていってしまうのです。
まとめ
「ちゃんと星人」は、決してあなたを困らせる敵ではなく、一生懸命に子どもを守ろうとしてきた「あなたの責任感」の現れです。 大切なのは、その声を消し去ることではありません。
「あ、今、ちゃんと星人が騒いでいるな」と、一歩引いて客観的に眺めてみてください。 それだけで、感情に飲み込まれずに一呼吸置くための「心のゆとり」が生まれます。
今日、子どもに「ちゃんとして」と言いたくなった場面をひとつだけ思い出してみてください。
それは、子どもの安全や未来を守るための「愛」でしたか?
それとも、あなたが「ちゃんとした母親」でいなきゃと焦る「不安」でしたか?
もし後者だったとしても大丈夫。
「私は今、不安なんだな」と自分の状態を認めることが、ちゃんと星人の呪縛を解く確実な第一歩になります。
自分の声の正体に気づくことができれば、その奥にある「本当はこう関わりたかった」というあなたの優しい願いが、きっと見えてくるはずです。
次回は、ちゃんと星人に奪われがちな「子どもと本当はこう関わりたい」という願いを見つめ直し、あなたらしい子育てを形にする方法について書いてみます🌿
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