【S1|形のルール】口が消えた #6(最終回)
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第6話|混沌は、必ず抵抗を生む
制限が消える。
技術が変わる。
制度が変わる。
文化の前提が変わる。
そのたびに、
形は一度、混沌に落ちる。
方向が定まらない。
理由が弱い。
形が軽い。
見ていて、不安になる。
本当に大丈夫か、と。
けれど、それは堕落ではない。
重力が一度、消えただけだ。
外側の制約がなくなった瞬間、
判断の基準も揺らぐ。
どこに立てばいいのか分からなくなる。
だが、その状態は続かない。
デザインは、必ず抵抗を始める。
何かがおかしい。
これは違う。
これは浅い。
その違和感が、内側から押し返す。
混沌は、空白ではない。
基準が目を覚ます時間だ。
技術革新でも、
制度改正でも、
文化の転換点でも、
前提が崩れるたびに
デザインは一度揺れる。
そして必ず、
自分で制限をつくる。
ここまではやらない。
これは守る。
これは削る。
それが、レジスタンスだ。
混沌は、遠い話ではない。
クライアントから送られてきたデザインイメージに、
私は大きな違和感を抱いた。
このまま制作してしまえば、
何の問題も起きないだろう。
波風も立たない。
けれど、
私の基準がそれを許さなかった。
受け取るのは誰か。
その人にとって、この構造は本当に機能するのか。
私は、構造を入れ替えた。
正直、震えた。
制限がなくなった世界では、
正解は与えられない。
逃げ道もない。
だからこそ、
自分の基準を立ち上げるしかない。
デザインは、
自由の中では育たない。
前提が消えたとき、
初めてその人の基準が露出する。
口が消えたあとに生まれるのは、
空虚な顔ではない。
内側で立ち上げた制限に従う顔だ。
形のルールは、
外から与えられるものではない。
混沌に対する、
内側からの抵抗だ。
完
ここまで読んでくださり、本当にありがとうございます。
少し長い話になりましたが、最後までお付き合いいただけてほっとしています。
あなたの中にもある「抵抗」が、いつか形になることを願っています。
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→ 言葉になる前のものを、構造として捉え直す
▼ ここでも形のルールを書いています
▼ 制限のない世界、の逆
▼ AIとの対話から(結構深い話になっています)
