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【S4|未来感の編集】AIは新しいのか?——ファッションとの類似性 #5

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第5話 未来はビンテージ物──AIのレトロフューチャー

1.未来を見た少年

子供の頃、
私はテレビで見たSF映画の未来都市に憧れた。

ガラスのチューブを走る車。
宙に浮かぶビル。
感情を持つロボット。

それが“未来”だと信じて疑わなかった。

だが、2025年の現実に立つ今、
あの映像のほとんどは古びて見える。

松本零士氏の漫画「1000年女王」の「三食ラーメン堂」
に見た、未来の中でも変わらない生活は現代を予見していた。

私たちはあの時代が思い描いた“未来”の中を、
とっくに通り過ぎているのに、
いまだに、その絵をトレースしている

2.未来は、懐かしさでできている

AIのUI(ユーザーインターフェース)を見ていると、
どこかで見たデザインが多い。

80年代の蛍光グリッド。
90年代のサイバーグリーン。
00年代の透明ウィンドウ。

“近未来的”と呼ばれるものは、
たいてい“過去の未来像”の再演だ。

未来は、常に古着を着て現れる。

ファッションも同じだ。
ビニール素材、シルバーのアクセント、
“スペースエイジ”という言葉。

どれも半世紀前の未来を、
もう一度まとう試み。

私たちは、
まだ誰かの夢の中を生きているのかもしれない

3.シーラカンスの時間軸

シーラカンスの姿を、
誰かが“生きた化石”と呼んだ。

けれど、それは侮辱ではないだろうか。

彼女は、時間の層の中で泳いでいる。
過去と未来の境界がない世界。

その在り方こそ、
本当のレトロフューチャーだ。

彼女は過去を保存しているのではない。
過去を未来として生きている。

私は思う。
デザインとは、
時間を折りたたむ技術なのだと。

4.古着という未来の証明

新しい服よりも、
古着の方が未来的に見える瞬間がある。

ほつれ、色落ち、擦り切れ。
それは劣化ではなく、時間の記録だ。

AIが未来を語るたびに、
私は古着の感触を思い出す。

未来とは、時間の積層を肯定すること。
真新しさではなく、経年変化。

私はもう、
ピカピカの未来を信じない
古びた線の中にこそ、
未来の手触りがある

5.結び──未来を着る

シーラカンスは、
3億年前の姿で、
今日も未来を泳いでいる。

AIが新しい服を着替え続けるのなら、
私は、古着を選ぶ。

未来を着るとは、
過去を信じることだ。

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