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MiRai_sideI - 属性

前話 → MiRai_sideH



「ロックンロールは奴隷制度がなければ、この世にはなかった」

  「それって、あなたの考え?」

「いいえ、歴史上の事実です」

   「今と同じだって言いたいのね」

ブレンダは、バーテンに同じ酒を注文した。
まだ、ライブは始まらない。


音楽は変わらず人類を魅了し続けた

人類最大の発明なのだから。

  「私のルーツは迫害されていたの」

「それは、初耳です。ウソです、知っていました」

  「今はそっちじゃないけどね」

「あなたは、がんばって今のポジションを手に入れた」

  「そうよ!がんばったのよ」

「あなたは、少し酔っているようだ。発話速度が変化しています」


いまや、差別は人種や宗教で起こっているのではない。

“属性”だ。

AIが「分類」した結果がすべてだった。

人間は差別をやめたのではない。
新しい理由を見つけただけだった。

信じられないことだが、
属性の違いだけで、人々は憎しみ合うことができた。

差別に根拠などない、と言わんばかりに。


ステージから大音量が鳴りはじめた。

  「はじまったわ!」

ブレンダは最前列に駆け寄る。

ロックンロールを全身で感じる。
ビートに身をまかせる。

誰にもじゃまされない大切な時間だ。

END


MiRai_sideJ


MiRai|未来に置いてみる
未来に問いを置く思考実験。
D4G Works


▼ これが後に結実して、MiRaiを書くことになりました


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