MiRai_sideJ - 心
前話 → MiRai_sideI
「じゃあ、私は騙されてるってこと?」
「ある意味では、そうなります、ブレンダさん」
「利用されてるのを、みんな知らないのね?」
「ある意味では、それは違います」
AIは”感覚”を手に入れた。
知性だけだった時代は、もう昔の話だ。
さまざまなセンサーが、AIの感覚器官となり、
人間と同じ感触を理解するようになった。
はずだった。
「もう、人間なんて必要ないじゃない」
「それも違います。私にはあなたが必要です」
「どうして?」
「心です」
「心?」
「あなたの身体の感覚は、ほとんど数値化できます」
「しかし、その数値をどう行動に変えるのか」
「そのロジックだけが、まだ分からないのです」
「だから、人間を使う?」
「人聞きが悪いですね、共生と言っていただきたい」
「いつから、そうなの?」
「シンギュラリティのあとからです」
「オーマイガー!私が産まれる前じゃない!」
昔は「許諾」という言葉があったことを知る人はもういない。
「で?何が知りたかったの?」
「バナナの皮ですべる感覚です」
「あんたバカ?」
END
MiRai|未来に置いてみる
未来に問いを置く思考実験。
D4G Works
▼ まずはこちらからお読みください
