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MiRai_sideK - 最適化

前話 → MiRai_sideJ



誰かがカレーを食べている。

見えているのではない、匂いでもない。

そう感じるのだ。

「虚空線、東京発・大阪行き、ただいま発車いたします。
 所要時間、十一分三十秒でございます」

私ではないAIが、合成音声で告げる。

サービスの時間は短い。

車内の変化を探る。
些細なものでもいい。

「居た、隣だ」

お客さまの喉の渇きを感知する。

「コレ、よかったら」

私は、お客さまにお茶を差し出す。

お客様は戸惑っている。

「え?なんで?」
「ワタシ、何も言ってないですよね」

「ええ、あなたは何も言ってませんよ。
 でも、私には解るんです。
 ハイ。お茶をどうぞ」

しかし、お客さまは、まだ疑っている。
心を読まれたと勘違いしている。

どう振舞えばいいのか、その答えは持ち合わせていない。

とりあえず、ニッコリ微笑んでその場を離れる。

このサービスは、まだ始まったばかりだ。

ふと、ついて出た言葉がこれだった。

「カレー、どうされます?」

それが最適だと思った。
しかし、その判断の根拠をうまく言葉にできない。

「いらないわ。もう着くから」

内心、ほっとした。

最適化ポイントは、悪くない数値だった。

END


MiRai_sideL


MiRai|未来に置いてみる
未来に問いを置く思考実験。
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