見出し画像

【S4|未来感の編集】AIは新しいのか?——ファッションとの類似性 #3

◀ 前の回を読む

第3話 シーラカンスとAI──進化しない選択

1.“進化”という言葉への違和感

AIの開発会議で、誰かが言った。
「このモデルは、前回よりも進化しています。」

その瞬間、私は息が詰まった。
進化。
この言葉ほど、便利で、
そして無責任なものはない。

改良でもなく、更新でもなく、
ただ“進化した”と言い切ることで、
何かが良くなった気がしてしまう。

だが私は知っている。
進化とは、
「環境に負けないための一時的な姿」でしかない。
そこに倫理も美もない。

2.変わらないものへの羨望

私は、ふとシーラカンスを思い出した。
3億年、形を変えずに生き続けている魚。

それは“進化しない失敗作”ではない。
変化を強要されなかった生命の記憶だ。

誰かが言う。
「時代に合わせて変わらなきゃ。」
だが、彼女は変わらなかった。
その静けさの中に、
私は人間の焦燥を見た。

AIは毎月のようにアップデートされ、
アルゴリズムは次の世代を目指す。
だが、そのたびに、
私たちは“使い方”を忘れていく。

3.シーラカンスの沈黙

シーラカンスは語らない。
ただ、海底で呼吸をしている。

彼女は、私に問いかける。
「あなたは、どこまで進化したいの?」

AIは、効率と速度を競う。
人間は、更新の波に乗る。
だがその先に、
何が残るのか。

進化は、完成を前提にしていない。
常に次を求める運動。
そこに終わりはない。

シーラカンスは、
「止まる」というデザインを選んだ。
それは、変わらないことで、未来を維持するという意思だ。

4.進化しないことをデザインする

私は考える。
デザインとは、
「何を足すか」ではなく、
「どこで止まるか」を決めることだ。

AIが進化を繰り返すなら、
私は、止まるデザインを選ぶ。

完成のない成長に疲れたとき、
デザインは、呼吸のための形になる。

シーラカンスの静けさは、
その呼吸のリズムを教えてくれる。

5.結び---進化をやめて、生き延びる

シーラカンスは、
進化をやめることで生き延びた。

AIは、進化を続けることで滅びるかもしれない。

私は決めた。
進化を信じない。
止まることを、デザインする。

次の回を読む ▶

連載一覧(マガジン)はこちら

D4G Worksについて
私が運営する「D4G Works」では、デザインを通じて社会や生命の営みをより良くする実践を進めています。
詳しくはこちら → D4G Works公式サイト

「この嘘に気づいたら、スキを。」
進化しない選択を、デザインする。
D4G Works

いいなと思ったら応援しよう!