子どもたちに「ありのままでいい」と「努力が必要」を教える矛盾への対処
鼻の頭や指先が痛いほどの寒さがだいぶ緩んできました。寒暖の差でいまいち調子が出ない方もいらっしゃるでしょう。まもなく4月を迎えます。新年度、新生活を思うとき、私は子どもたちの問いを思わされます。
全ての子どもではなく、気になる子と気にならない子がいます。
私たちは子どもたちに、「ありのままの自分を受け入れること」と「自分の強みを活かせる環境を選び、そこで努力を積み重ねることが大切だ」ということを、言い方は違うかもしれないけれど、伝えることがあります。
この二つのメッセージは、子どもたちにとって矛盾して聞こえる場合があります。
「ありのままでいいなら、なぜ環境を選んで努力しなければいけないの?」
この疑問を持つ子どもたちの前で、私たち大人は戸惑います。説明は済ませたけれど、納得していないことが明らかですし、納得するよう説得するとか、不安を刺激するなどしたくないからです。この一見矛盾するメッセージをどのように子どもたちに伝えればよいのでしょうか?
子どもの疑問に向き合う難しさ
私たちにとって当たり前のことを子どもにわかりやすく説明するのは、難しいものです。
この大人は分かってくれない
うちの子どもが分かってくれない
一言にすると、この悲劇を我々は避けたいわけです。
例えば、「恵まれた環境にいるのだから頑張るべきだ」と言うと、子どもたちには「恵まれているからいうことを聞け」という命令のように感じられるかもしれません。子どもからすると矛盾の話をしているのに、命令されるのは悲しいですよね。
では、「努力しないと競争に負けるよ」という言い方は、不安を煽るため、中には努力できる子もいるかもしれないけれど、矛盾は解決しておらず、無理をさせてしまいます。
子どもを説得するのではなく、子ども自身が納得できるよう導くことが理想です。しかし、それは言いくるめることでもなく、また子どもを追い詰めることでもありません。我々大人のように知識や経験や考える力を、子どもたちはまだ獲得しているわけではなく、その子の今できることや必要が異なるから、難しいですよね。では、どうすればよいのでしょうか。
我が家の家庭教育から学んだこと
私の母は、私が子どもの頃、感情を言葉にすること、そして言葉を選ぶことを教えてくれました。また、本の選び方についても、ゼロから選ぶのではなく、母が図書館から借りてきた本のリストを自由に利用させてくれました。これは、興味関心のある本に出会う確率を高めるから、私には良い方法でした。小学生のうちに、思春期に入る前にこれらが行える状態になっていました。
思春期に入った頃、母は私に「不良になって困るのは誰?」と尋ねました。私が「僕です」と答えました。非行の問題はこの一言で教育は終わりました。つまりシミュレーション能力を支援してもらえたのです。
また、反抗期になると、母は「それがトラガラの人生をかけたベストの反抗なのか」と、反抗の質を問いました。これにより、私はより深く考えるようになりました。
矛盾を解消する説明方法
ありのままの自分を受け入れることと、自分が力を発揮できる環境を探し、そこで努力することは、じつは矛盾していません。これを子どもたちに伝えるためには:
共感から始める:「確かに矛盾に感じるかもしれないね」と子どもの疑問に共感します。
自分の経験を共有する:「私も子どもの頃、『大人になればわかる』と言われて納得できなかったけど、実際に大人になってみると確かにわかることもあった」と伝えます。子どもだからということもあるけれど、いますぐに答えが出ない問いはあることを伝えます。
比喩を使う:「白鳥は水辺で暮らすことができるけど、魚のように水中で生きることはできない。飛び魚は一時的に飛ぶことができるけど、白鳥と仲良くなったからといって鳥のように高く長く飛ぶことはできない。人間にも向き不向きがある」といった比喩は、子どもたちにイメージを手渡すだけでなく、子どもたちが比喩を使って考えることも支援できます。
努力の意味を伝える:「努力とは、自分の結果や実績を生み出す確率を高めていく行動。自分に向いている分野であれば、その確率はより高くなる」と説明します。具体的には、例えば、「私は公益に資する」と考えたら、このnoteでエンゲージメントが不利なテーマや文章も扱うようにしています。今すぐ役に立つ、長期的に役に立つ。読者へ貢献するのなら、どちらも大切です。エンゲージメントが高くなるテーマは、一瞬で消費される可能性があるから、長期的な事柄も扱うことを、意識して努力しています。
プレッシャーをかけない:「今すぐ納得できなくてもいい。大事なのは、あなたの疑問を大切にしながらも、できることを少しずつ始めてみること」と伝えるのはどうでしょうか?
子どもと共に歩む姿勢
最も大切なのは、「納得できなくても、今できることをやってみよう。おかしいと感じることや疑問があったら、遠慮なく話しにおいで。一緒に考えよう」という我々の姿勢ではないでしょうか。これにより、子どもは納得できなくても行動を起こすことが理不尽ではないと理解しやすくなります。共に問題解決するから、お互いに対立せずに済みますし。
子どもは個性があり、成長の仕方もそれぞれ異なります。全ての子どもに効果がある方法は少ないかもしれません。けれど、子どもの疑問を尊重しながら、必要なサポートを提供することが、教育者や子育て世代そして大人、つまりかつて子どもだった私たちの役割ではないでしょうか。
自分らしくあることと努力することの間にある見かけ上の矛盾。この矛盾に気づく子どもたちは、じつは深く考えること、本質を意識することが向いているのかもしれません。それだけに、共に考える大人は、その子の「何で?」に疲れてしまう日もあるでしょう。けれど、若木が順調に枝を張り根を伸ばす過程に立ち会っているのだから、心配しなくても、いずれ納得する日が訪れるでしょう。だから、彼らの疑問を大切にしながら、共に成長の道を歩くために、あなたにとっての最適解や、あなたのその努力を発揮するための環境は何かを考えることをお勧めします。あなたや子どもを無理に変えようとせず、その他のことで問題解決することは、結果的にストレスも減ります。
『ドラゴンボール』の孫悟空が好きだったり、『ナルニア国物語』が好きで、友達と秘密基地を作ったり、ファミコンも友達と一緒に遊んだり、図書館の好きな小学生でした。C.S.ルイスや久石譲や鳥山明を、まだよく理解せず、だけどラジカセでカセットテープを繰り返し聴いたナウシカやラピュタのサントラは、子どもなりに鑑賞できていました。それは『ドラゴンボール』『ナルニア国物語』に関しても同じです。
あの頃、僕らはまだ背が伸びる時期で、物理的に世界は広く、分からないことは沢山ありました。このことを思い出せたら、時代は変わっても自己形成に取り組むことは変わらないから、子どもから見て「話の通じる大人」でいられるかもしれません。
Photo by Ann H:
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和書は現在下記二冊です。
Audibleでオススメ教えありますか? エッセイやビジネス書、講演録が好きです。
英語でも書いてます
(↑Substackの読者向けに再構成しています)
こちらは猫の話です。
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