残暑長過ぎだったよね 季節・自然の短歌・詩・140字小説 Xまとめ2025年10月〜2026年1月
わたしは数年前ライターをしていて、記事でお金をもらいつつ、ホラー小説を書いていた。しかし病に罹り、長文を読んだり書いたりできなくなってもう数年。
特に長文の執筆は誤用誤字脱字捩れだらけで、140字でも難しい日がある。
でも、2025年10月にXで「花星沙夜」として創作アカウントを動かし始め、詩歌などを毎日投稿し続けました。最後のアイデンティティです。
(ちなみに「花星沙夜」の成り立ちの記事はこちら。今読まなくても問題ないよ)。
そして今、ここ数ヶ月で作った短歌を繋げて、リハビリがてら記事を書こうとしています。
2025年10月〜2026年1月にXで投稿した短歌、詩、140字小説などから、季節や自然に関するものをまとめました。
暇つぶしに楽しんでいってください!
去年の残暑、エグかったね。
残暑の詩歌
夏と秋の境目の風は湿ってひんやりしている
夢の中で、ちいさな蜥蜴の指が顔をのぼる
目覚めたら、涎まみれの手のひらの向こうで赤ちゃんが笑っている
ペタペタしてかわいい風だね
「ぺたぺた」した「カワイイ」の詩である。
夏の美しさも愛しているが、こうも終わらない暑さが続くと残酷な気分になる
風流ぶって飼った、短命のはずの昆虫がいつまで経っても生きているような
端的に言えば夏死にたまへというか
私が愛していたのは夏ではなく、夏にまつわる何かだったのは確か
2025年10月中旬、汗だくになりながら残暑を恨み、子供の頃のまだ猛暑日がレアイベントだった夏を想っていたのだと思う。
与謝野晶子の反戦詩をミーム調に使ってしまったことには罪悪感があったが、これは夏とわたしの戦争だったのだ。
水に浸しすぎてしまった切花の、茎の腐敗臭に苦笑い
花をもらうこと、滅多にないなと思ったので
慌てて水切りをして、長生きしてくれたけれど、人生で何度もらえるか分からないお花、家に来てくれたお花、もっともっと気にかけてあげたかった
花も優先順位に入れてあげられる人になりたかった
随分昔の話だけど、一番美しかった頃に撮った写真をまだ見返している
10月になっても暑かったので、花瓶の水もすぐ腐る。何とか美談にしたかったけど、腐敗のパワーが強過ぎました。
わたしは無粋なので、短歌に自分で解説をリプライすることがある。短歌をタイトルに140字小説や詩にしてしまうことすらある。
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暗闇にレモンの船を浮かばせて ガラスの中で星が弾ける
かの有名な童謡「うみ」に、「海にお船を浮かばせて 行ってみたいな よその国」(作詞 林柳波)とあります。
レモンを黒いコーラに浮かべると、星のような炭酸は唇に届く前に船の周りで弾けてしまう。
「月」をガラスの縁に飾ればよかったかしら。小さい器には夜が宿ります。
お題「コーラ」で詠んだ短歌。まだまだコーラが飲みたくなる気温だった。
参考にさせていただいたのは、あまりにも有名な童謡「うみ」です。
海は広いな 大きいな 月がのぼるし 日が沈む
海は大波 青い波 ゆれてどこまで 続くやら
海にお船を浮かばせて 行ってみたいな よその国
わたしは自分で解説をする無粋ウーマンだけれど、もちろんどう解釈してもらってもOKです。短歌を始めたばかり。これはこれで新しいのかもしれないと思いつつ、解説しなくても伝わる歌を詠みたいとも思っている。
(つまりは、「どうや斬新やろ」という驕りと「解説なしで理解されたい」という願望が同時にくすぶっている)。
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この頃、チョコ&バニラバーというスイカバーの亜種が販売されて話題になっていた。美味しければもちろんOKです。OKなのですが、やはり頭を過ぎる「スイカバーのアイデンティティ」。
是非とも検索してみてほしい。
私は当時バズっていた、「バニラバーのアイデンティティ」を問うポストに
夏の死体のようで面白い
煤が沈澱している
花火の捨てられる方
お盆と夏の大三角
と引用RTをした。二等辺三角形のバニラの白に、黒い煤が色相反転した雪のように降り、スイカの皮の部分にあたる底にそれが積もるように見えたからだ。
「面白い商品ですね」と表現したかったのだが、今読み返すと商品へのコメントとしては悪だったかもしれない。今更強迫観念に駆られている。すみませんでした。でも一度検索してみてください。これを機に買ってください。
公開アカウントで引用RTをするのは勇気がいる。失礼がないか、炎上しないか、いつもビクビクしている。
秋の詩歌
やっと金木犀が香り始めた、11月11日の短歌。
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波が引き オレンジの星が群れている 朝露光る 夜の死のあと
アスファルトが黒くぬらりと光る様は夜のよう。
金木犀はそこに群れて生きる海の生き物、または群星のように、夜が引いた波に取り残されています。
金木犀の花弁は4つですが、稀に星の如く5つのこともあるそう。
朝露に濡れ、形を保つのは一瞬ですが、死は美しくもあります。
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詩単体でポストすることもあり。
秋になると金木犀が香ると約束されている
ある秋に金木犀が突然香らなくなったら、人は何かの権利を奪われたと慌てるかもしれない
そして、金木犀になった私が、次の秋も、何度秋が巡っても香らないままでいたら、惜しんでくれるだろうか
いつまで悲しんでくれるだろうか
この頃、タイムラインが金木犀まみれになったので、わたしは
「花言葉」とかいう、言語界のチート能力
とかポストしていた。
ようやく夏の死を感じ始め、季節の変わり目で病的にハイになったわたしは、書くと同時に以下の詩を朗読、投稿までしてしまった。もちろん素人。
夏の死に触れたので、指先が冷たくなりました
秋は死の季節ですね 瑞々しさの喪失と、弱まる光が老衰を思い出させます
どの季節でも死を思い出すくせに、お前たちはそれを喩え話だと思っている
素人のわたしはこれらを朗読した。録音環境も何も整っていないベッドで、iPhoneのカメラを下向きにし、真っ黒い動画でボソボソと音を録った。あまりの音の小ささに、音量を上げた視聴者方は、自動スワイプで次の動画が流れた際に耳が暫し死んだかもしれない。大変申し訳ない。
夏の死と同時に、死に関する詩歌が増えた。
子供がどんぐりを拾う
死を採取している
死神もそうやって命を集めているのかもしれない
かわいい死神
死にかけの虫の命に祈ること 固まる前にベランダを出ろ
虫の動きが鈍くなってきて、ベランダでカナブン?が死にかけていたのでつい狂……歌が浮かんできたのです。
ポケットに同じ形の赤紅葉 洗濯しても泣くんじゃないよ
手と紅葉をかけた短歌。日常といえば聞こえはいいが、季節の変わり目の怠さにどこかの家の生活のため息が混ざっている。
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いっぱい雪が降りましたね。では、
冬の詩歌
わたしは
体調を崩しまくった
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「白珊瑚、雪の水晶みたいだね」
弱っていると言えずに笑う
白い珊瑚には価値の高い「白珊瑚」と、環境悪化によって弱り、「白化」して本来の鮮やかさを失ってしまった珊瑚があります。
僕は君が「雪の水晶のよう」と喩えた弱った珊瑚を見て、素直に「綺麗だね」と共感できないほど、色褪せ弱ってしまいました。もしかして君もそう?
そろそろ冬のことを考え始めていた。
寒いと病状が悪くなる。
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冬は兄 木枯らし吹いてみてごらん 木の葉が舞うよシャボン玉だね
先人から教わる死の吐息。
「蠢(うごめく)」は春の神輿に虫二匹 冬を越せずに死ぬ「螽(キリギリス)」
春の虫は祭りに浮かれ、冬の字の下で虫が死んでいる。
一枚の布を贈ってもらえたら巻かずに済んだ?冷たいマフラー
冷たいロープ。
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『あたしもう常世の狐になったから雪の中でも寒くはないの』
生物の装飾は脆い
シルクも真珠も琥珀もオパールも
枯葉の着物じゃ縫うには縫えず
越冬する蝶ルーミスの枯葉模様の羽もきっと縫えないね
生きた蝶を身体中に纏わせて
あなたが私を見つけたら振り返り
紫の構造色を飛び立たせてみたい
あたし今から雪で常世の狐になるの
一部、童謡「こぎつね」を参考にさせていただきました。
枯葉(かれは)の着物じゃ ぬうにもぬえず
きれいなもようの 花もなし
越冬する蝶、ルーミスしじみという蝶がいます。美しいブルーを枯葉模様に隠し、冬を越すのです。
下のわたしの記事に近い感覚で作ったような気がします。
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君が宝石のようだと褒める私の美しい部分は、真珠に似ている。異物からやわかい内臓を守るため、貝殻に使うリソースを必死になって何層も重ねていたら、偶然美の条件に当てはまる個体となった。他人の体液に触れるだけで劣化する、脆い光沢を君は褒める。君は純粋で硬質で、羨ましくて涙が出るの。
花星沙夜 X
タイトルのついた詩も書いてた。
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本格的な冬が近づくにつれ、わたしはめちゃくちゃに体調を崩し、熱を出しまくった。伴って、熱がわたしを殺す詩歌を投稿しまくった。
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木漏れ日が紫外線らを透かすので冬にまだらに死にゆくわたし
高熱でしっとり皺は波のよう 乾いたシーツで眠りたかった
高熱で感染症の巣窟へ 切実にほしい宮廷医師が
高熱の日には布団は薄氷(うすらい)で 凍った桜の花びらも降る
体調不良の歌ばかり詠んどる。
ちなみに最後の歌は「薄氷で」と「(布団の温もりが)薄らいで」がかかってるんですが、誰が分かんねん。
体調が悪過ぎて、
高熱に被せた布団は冷えたまま 凍った花弁(かべん)が降り注いでる
と似た短歌を詠んでしまっていたし、リプライで詩まで繋げていた。
高熱の身体に悪戯するように
凍った桜の花びらが布団の上に降っている
花を眺めていると夜は柔らかく高い
氷の花のフレークがあたたかく感じるまで、私の生命の震えが止まるまで降り続けてくれないだろうか
溶けそうに熱い眼球を通して見える曼荼羅は黄金比の花びらのよう
日常のポストでも、
長引く風邪ですこぶる具合が悪い
心はいつもこれくらいしんどい
体が苦しいと気は紛れる
歯を巣食う菌、ヤバ
咳をしても一人
夢を見ても苦し
とか投稿していた。
クリスマスの詩歌
12月はやはりクリスマス関連の詩歌が多くなる。
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箱を開け喜び声を上げ笑うあなたはママのサンタクロース
サンタさん いい子に生きてきましたよ 願いを遂げて 眠ってもいい?
情緒不安定にも程がある。
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クリスマス終わって食べる苺たち
萼(ガク)に残った春色の花

こちらはリアルなイベントでした。
病んでない冬の詩歌
なんなんだこの見出しは。
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小雨でも傘を欠かさず差す君が むき出しの手に降ろす白雪
私だけ 殻を持たない貝となり 白熱球は 氷で眠る
クリオネは巻貝に分類されますが、成長すると貝殻を失うそうです。他の貝たちが殻を持っている中、私たちは白熱球に似た姿で、極寒の海を裸で泳ぎ、氷の布団の下で眠ります。でも、氷河期が来ても私たちは大丈夫。まあ、本当に白熱球となれば温度差で割れてしまいますが。
実はこのクリオネの短歌と詩、10月に短歌を始めたばかりの頃に書いたものなんです。
クリオネは巻貝に分類されますが、成長すると貝殻を失うそうです。他の貝たちが殻を持っている中、私たちは白熱球に似た姿で、極寒の海を裸で泳ぎ、氷の布団の下で眠ります。でも、氷河期が来ても私たちは大丈夫。まあ、本当に白熱球となれば温度差で割れてしまいますが。 #短歌 #tanka #詩 #140字小説 pic.twitter.com/ipxYNRpBAf
— 花星沙夜 (@kaseisayo) October 28, 2025
白熱電球とクリオネはよく似ている。
その他自然の詩歌
ご来光 空気は薄く地は遠く 核融合を見届けに行く
わたしなりのあけおめって感じっす!
地上から眺める雲は平面であまりに遠い距離だと知れず
天に昇ったら、雲って奥行きすごいんだろうな〜。
恋してる 逆三角と偽瞳孔 大きな胎に君と寄生虫
逆三角に複眼。恋をして見入ったその顔の中で特に印象的な黒い点は「偽瞳孔(ぎどうこう)」であり、これが「見えている」わけではありません。
蟷螂で有名なのは、交尾中に雄を食べてしまうことと、寄生虫の針金虫ですね。産卵後と針金虫排出後、蟷螂は衰弱します。
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いっぱいの 花を背にして待ち合わせ 桜はないね 空にも咲くの?
あなたといつも待ち合わせしていた桜の木が懐かしい。
待たせてしまった分、皆に入れてもらった花をたくさん持って会いに行くよ。
棺に入れられる花は菊や蘭、カーネーションや百合の花が一般的らしい。桜は春でないと入れられないしね。
ここには桜の木があったらいいね。
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ほんのりと染まる桜は美しく 色は密かに幹からのぼる
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あふれてる「ただ」美しい花眺め夜柔らかく星空高く
道端の花、夜の空気。数えきれない宝石のような星空も「ただ」で眺めることができます。美しいものを無料で感じるその人生もいいかもしれません。「ただ」、この世界は無料ですが、体の維持は有料です。あまりに「高い」ので、届きませんね。あなたは美しい星になります。
誰が分かんね〜んみたいな文章を作るのが好きです。
お代は無料です。
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できた!
Xを辿っていく作業が大変過ぎました。ので、どなたかおひとりでも楽しんでいただけたなら幸いです。
短歌を作るにあたって、たくさんのお題を使わせていただきましたこと、感謝いたします。
元ライターと申しましたが、以前は指定されたテーマの記事を決まったExcelのフォーマットで書いていたため、noteでの執筆はかなり難しかったです。引用や目次や区切り線の挿入位置で何度「!?」となったか分かりません。みんなすごい。
「短歌・詩・140字小説 Xまとめ2025年10月〜2026年1月」シリーズとして、他にも数件記事を書く予定です。「学校」「偏愛」「ネタバレすると人が死ぬ」……など、数編に分けて投稿しようと思います。2月中にできたらいいな……。そして今度は2026年2月分をまとめて、そのあとはその日その日で記事を書けたらいいな……。ああ、でも確定申告の季節ですね……。医療費控除です。気長にお待ちください。
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まだ寒いけど風邪引くなよ!
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