鬱々とした短歌・詩・小説 Xまとめ2026年2月
ごきげん如何でしょう。花星沙夜です。
短歌・詩・小説 Xまとめ2026年2月分第2弾です!
2月分の過去のまとめはこちら!(今すぐ読まなくても大丈夫だよ!)
第2弾は鬱々としたものを集めました。
わたしは暗い人間です。なんでもネガティブに書ける女。わたしが持ったグラスの中の牛乳も黒くなるでしょう。
性質上、過去のまとめとの重複もあるかもしれませんが、お気になさらず楽しんでいってください!
短歌(+解説、短歌から繋がる140字小説・詩)
何ひとつ持ってゆけずに熱の中 風呂は火葬の予行練習
所持品は持ち込めず、熱く、湯煙の中汚れを落とす。
クジラの音(ね) 塩水だから響くのよ コップの中身飲み干してみて
クジラの歌は低周波。海ではよくよく響きます。クジラの音波は真水より、海水の方が響きます。遠くの青まで届きます。わたしは毎日泣いている。コップ一杯なみなみに、涙がたまってしまいます。あなたが飲めば胃の真ん中で低く響いて届くかな。ほんとは消えてた呼び声が。
クジラの鳴き声の周波数は10〜39Hzと低周波で、これは海水の塩分濃度だからこそ尋常じゃないほど遠くまで響く。クジラが仲間を呼ぶ声は真水ではすぐに消えてしまう。……までリプライで説明するか迷いました。
ウミユリの化石が脳に埋まってる さっき視界に星が見えたし
ギザギザチカチカの閃輝暗点もゴリゴリした頭痛も、星型の海の化石が埋まってると思えば許……せない。
頭の尿管結石か? 痛いわ。
星の音が聞こえぬ夜の微睡みを小鳥の啜り泣く声が裂き
星の瞬きの音すら聞こえない静かな夜、不眠のわたしはやっと微睡み始め……と、思ったら朝。絶望感で小鳥の鳴き声も啜り泣くように聞こえる。
鬼よりも怖いもの 癌 凌遅刑 君の不幸 クリプトムネジア
鬼は恐怖の象徴だけど、今はあまりピンとこない。癌。もう治る病気と言われるが、抗癌剤の副作用、切除、余命を想像すると怖い。拷問も怖い。長く苦しむ凌遅刑は特に最悪。それから、愛する君の不幸。でも作家の僕は、やっぱり無意識の剽窃、クリプトムネジアが怖いのだ。
クリプトムネジアに「無意識剽窃」とルビを振りたかった。無課金勢なのでできなかった。
クリエイターが恐れるもの、無意識に、もちろん悪意も自覚もなく、過去に見聞きした作品をパクってしまうやつ。
かくいうわたしもこれを恐れに恐れ、何かあった訳でもないのに強迫的に確認してしまうようになり、しばらく何も書けなくなったことがあり。
査定額いくらまでなら売りましょかあたしの寿命最期のデート
何もかもどうでもいいわ。金と愛。以上で会計終了します。
写し絵のように誰かをなぞっても見本を超えることはできない
うわぁ急に説教をするな。
私たち進化で不意に分岐した細胞なのに意味ありげだね
「岐」のお題で進化の分岐が真っ先に飛び出しました。
わたしは進化生物学が好きです。
半年で「進化生物学」の創作まとめ記事を書くくらいには。
(もしよかったらあとで覗いてみてください)。
静かなる夜は味方と月に笑み真昼の月に心を閉ざす
嫉妬。
わたしたちくらやみで孤独を分かち合う親友と思っていたのに、あなたは明るい昼にも居るのね。
羊水の中で死のうと海を踏みその冷たさで引き返し泣く
海はよく母に喩えられる。最期くらい、最初の愛で逝きたかった。波の音が心地好い。胎児が聴く母の血潮の音は、これに似ているらしい。靴を脱ぐ。私は歩ける。母とやらを踏む。
あまりの冷たさに打たれたのかと思った。
慄き尻もちをつく。目と鼻から塩水が無様に流れた。
ママが「甘えんじゃないよ」と打ってくれたのか、海は母でなく魔物であったのかは、ご想像にお任せします。
ため息が渦を作って埃舞い床に沈んで可視化する鬱
短歌アプリ57577で、一瞬ですがランキング2位に載っているのを視認しました(ランキングは変動するので、最終ランキングにはのりませんでした)。
わたしの中の承認欲求がうずうずしてしたので、深呼吸をします。
無作為に選ばれたのはわたしです外れ値ですね申し訳ない
無作為に選ばれたサンプルに「外れ値」が入っていると、分析結果に問題が生じる場合があり、時に除外や別処理を要する。
わたしは無作為に選ばれた生命だが、きっと望まれたサンプルではなかった。除外対象なのだ。手間をかけて申し訳ない。わたしが選ばれて申し訳ない。
ここからは連休中に解熱剤をも貫通する高熱を出し、連休明けに朝イチで病院に行ったら入院を勧められ抗生剤点滴する羽目になった時期の歌です(時系列はバラバラかも)。
毎日投稿を強迫的に実行する、熱に浮かされた人間の脳をお楽しみください。
眠るのでベッドにします真面目です防水シーツ首にネクタイ
永遠に。
この村は二階建てのみ確実に逝こうにもバス一日二本
今日も言い訳をして生き延びてしまった。
多分平屋もあるし他のやり方もあるしさっさとバスに乗れよって思うでしょう。鬱って視野も狭くなるし、バスの時間には間に合わないし、理由を数えて行動できない自分を責めてぐるぐるして、この村みたいに長い時間停止してしまう。
招かざる病が僕を打ちのめす暴力ならば慣れているけど
招かざる暴力
招かざる質問
家擬に行けど
僕の家ではない
招かざる母の"友達"
招かざるゴミと虫
外から殴られるのは慣れている
言葉は避ければ当たらない
でも僕には行く病院がない
金と保険証がない
病院が僕を招いてください
苦しいんです身体の内は
まだ痛覚が残ってて
花星沙夜 X
たしかこの歌を詠んだ頃、長く続いた高熱がやっと引いたきました。
手加減パンチで殴られ続けるよりギリ辛かったです
具合が悪すぎてつくよむアプリで他の方の歌に投票し忘れてしまいました。いいねと投票したかった……。
あー、はいはい。水に浸ければいいんでしょ。貴方は花束を海に放る。
この歌は字余りだけどお気に入りいつも好意は放られたので。
「あー」を「あ」にしたり、「貴方」を「君」にしたりして字余りにしない方法もあったけれど、なんだか波のようなリズムがよかったのでそのままにしました。
わたしの半生こんな愛され方ばかりだったな。
140字小説(単体)
「当てつけに死んで分からせてやってもいいんだぞ」……?
死を仄めかして気を引こうだなんて、まだ自分の命に価値があると思ってるのか!?
私たちは分子の組み合わせに過ぎず、絶対的な価値はない。価値の決定権は定義に依存する。
おまえはまだおまえの命に価値があると思ってるようだから生きな。
花星沙夜 X
詩(単体)
あたし人魚になりたいから水葬してね
「わたしは天才」と「わたしは負債」が交互に来る
自由律、楽しい。自由。
エッセイ
わたしのメンタル崩壊サイン
いち、「平安時代から現代に来たキャラなのに現代語で会話できるのおかしい」とか考え始める
に、日常会話で韻を踏み始める
さん、お布団の中にいるとき以外は労働と換算し始める
そこの優しい君
もしもわたしが「眠れない」と投稿しても、返事をしてはいけないよ
眠れなくて苦しくて寂しいから返事がほしくて投稿してしまうんだけど、普通に脳がバキバキに覚醒してしまうからね
人って悲しいね
昔は写真がなかったので棺を閉じてしまったら二度と顔を見ることができなかった
「急速な鬱の増加は文明の発達に人間の脳の進化が追いついていないから」という説があります。
今日も文明と脳の進化バグの狭間で、壊れながらも娯楽を享受し、引っ張り合いをされながらも必ず生きていきます。
できた!
もし気に入った作品がありましたら、コメント欄でぜひ教えてください♪ よろこびます!
短歌・詩・小説 Xまとめ2026年2月、残りは「偏愛」「季節・モノ」「子を想う人」編の予定です!
みなさま、どうか元気で幸せに。
次回またお会いできる時を切にお待ちしております。
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作品を作るにあたり、たくさんのお題を使わせていただきましたこと、感謝いたします。
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