見出し画像

「時をかける名刀」展を見て③ ぱっと見はそうでもない刀に見えたが…

以前「時をかける名刀」展のレポを書いたのですが、そういえば展示で気になったものがもう一つあったので書いておこうと思います。
いわゆる名だたる有名な名刀が並んだ部屋(ブログ②に書いた部屋)ではなく、入口を入り直ぐの展示室に展示されていた刀について。

ここには確か4振ほど展示されていた記憶なのですが、混んでいた事もあり列が自動で流れるので展示解説など読まず展示物だけ見ていたので、正直な気持ちをそのまま書けばあまり大した作に感じず、このような作も尾張徳川家に伝来していたのかぁ、などと考えながら見てしまっていたのですが、今写真を見直しつつ展示解説などを見てみるとこれまた由緒ある大層な名品でした。
という事で展示解説をその場で読むのも大事だなと…。

①無銘貞宗

豊臣家重臣である片桐且元から徳川家康に献上された事が駿府御分御道具帳に記され、最上級品とされた「上御腰物」の41口中の1で極めて貴重と解説されている。
焼き出し映りのような映りが見られ、その先は沸映りのように見える。
地景が白く出ているようにも見え大和かなと感じていた1振だが、貞宗とのこと。地鉄がテカテカしており研ぎなども古そうに感じたのでそのあたりも現代の研ぎをかければまた印象も変わっていたかもしれません。

大摺上げ無銘
焼き出し映りのような映りが見られ、その先は沸映りのように見える。
肌が白く立ちなんとなく大和っぽさを感じる1振。
大切先。刃は火焔風に見える。
研ぎは古いのだろう。だいぶ地鉄がテカテカしているようにも見える。


②無銘則重

こちらも同様に駿府御分御道具帳に記され、最上級品とされた「上御脇指」の1口で極めて貴重と解説されている。
豊臣家家臣蜂須賀家政から徳川家康に献上。
展示を見ていた時の率直な感想を書くとすれば、肌の出方が則重の松皮肌のようにも見えたものの摺上げたような刀身で全体の姿を見てもいわゆる則重のような品のある姿とは少し異なるような気がして地方刀工の作かと思い当時眺めていました。
こんな感想を発言した時点で世が世なら腹を切らされていますね…。

こちらも地鉄のテカリが感じられる。これも古研ぎの影響でしょうか。
則重の松皮肌が顕著に出ている


両者の刀を生と写真でそれぞれ時間差で見ることで感じたのですが、意外に展示解説を先に見るか見ないかで刀の見え方も少なからず変わっていたのかなぁと…。
そして自分自身の刀の見方というのがいわゆる美術品としての刀の見方、つまり健全で地刃が冴えているものを最上とする、みたいな見方にだいぶ偏ってしまっていた事を自覚し反省。
もっと視野を広げて刀鑑賞できればいいなと思いました。
今後の課題です。

因みに駿府御分御道具帳(副本)も展示されていましたよ。



今回も読んで下さりありがとうございました!
面白かった方はいいねを押して頂けると記事更新の励みになります。
それでは皆様良き刀ライフを!

よろしければ以下もご覧ください。

↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)

「刀とくらす。」をコンセプトに刀を飾る展示ケースを製作販売してます。

いいなと思ったら応援しよう!