メタル君の「今日の精神医学豆知識!」(591)-(595)
皆様、こんにちは。鹿冶梟介(かやほうすけ)です😆
唐突な話ですが、皆様は「チー牛」という言葉をご存知ですか?
これは小生が息子から初めて聞いたニューワードなのでご紹介いたします。
チー牛とはネット上で用いられるスラングで、「チーズ牛丼を頼みそうな人」や「陰キャっぽい男性」という意味だそうです。
なぜチーズ牛丼=陰キャなのか...?
由来はメガネをかけた素朴な男性が「すいません、三色チーズ牛丼の特盛りに温玉付きをお願いします」と注文している様子を描いたイラストが出回ったことらしいです...。
えっ!?そんだけ?と思われる方もいらっしゃると思いますが、この言葉がいわゆる「ネットミーム」となり、今ではチーズ牛丼を頼む人がいれば「チー牛~!」と後ろ指をさされる時代だそうです(まじか?)。
なぜ息子は小生にこんな話をしたのか...?そう思い、もう少し話を詳しく聞いてみると...、
「僕はチーズも牛丼も大好きだ。でもチー牛のせいで、チーズ牛丼を一度も食べたことがない。僕はどうしたらいいんだ!これはすき家や牛丼に対する風評被害だ!」
...と、珍しく憤っておりました...(知らんがな🙄)。
チー牛のようなレッテル貼りというのは古今東西ありますが、食べるもの...しかも大衆が喫食する牛丼にまで及ぶとは何とも馬鹿げた話です。
息子には好きなものを好きなように食べてほしいと思いました(”すき家”だけに、なんちゃって!🤣)
メタル君の「今日の精神医学豆知識!」は、X(旧: twitter)で毎朝8時にアップしております。
X(旧: twitter)民の皆様も、X(旧: twitter)では語りきれなかった【メタルのおまけ】がございますので、ご興味があれば本記事を是非お読みください!
【今日の精神医学豆知識集!(その119)】
591.躁うつ病の治療薬「リチウム」は最初"痛風"の治療目的で臨床利用されたよ(19世紀頃)。これはリチウムが尿酸塩を溶かす性質があるからなんだけど、人体で効果を発揮するにはかなりの高濃度が必要で実用化しなかったよ。
【メタルのおまけ】
ちなみにリチウムの人体への作用は昔から信じられており、テキサス州のミネラル・ウェルズの鉱泉は"クレージーウォーター"と呼ばれ精神疾患の治療に用いられたらしいです。とはいえ最初に精神疾患にリチウムを使用することは「最初の牡蠣を食べるようなもの」と慎重論が多かったよ。
↓鉱水といえばコントレックスですね。小生の知人も大好きでした。
592.リチウムが躁うつ病の治療薬として世界で初めて使用されたのは1871年だよ。ニューヨーク・ベルビュー病院精神科教授ウィリアム・ハモンドが急性躁病患者さんに"臭化リチウム"を使用したんだけど、彼は臭化リチウムが脳の血流を減らして興奮を抑えると考えたよ(間違った説)。
【メタルのおまけ】
ハモンドは軍医でもあったよ。アメリカ南北戦争の時には米国陸軍の第11代外科医総長だった偉い人で、サイラス・ウィアー・ミッチェルなどと一緒に米国神経学会を設立したよ。ちなみにハモンドはオカルトが大嫌いで、著書「The Physics and Physiology of Spiritualism」の中でスピリチュアリズムを批判したよ。
↓小生のマガジン「オカルトと精神医学」を宜しくお願い致します!
593.炭酸リチウムが「うつ病」への治療目的で最初に使用されたのは1894年でデンマークの精神科医フレデリック・ランゲが35例のうつ病患者さんに投与したことにはじまるよ。でも理由はわからないけど炭酸リチウムによる治療法は当時は広まらなかったよ(要するにバズらんかったのよ...😑)。
【メタルのおまけ】
ランゲの試みは本当にすごいことなんだけど不思議なことに当時の文献にもあまりリチウムによる治療の記載はほとんどなかったそうだよ。一方、理由は不明だけど当時の南フランスではリチウムを躁鬱病に使っていた記録が残っているそうだよ。
↓小生のXとnoteは全くバズらないので、これを読んでバズらせたいです…。
594.炭酸リチウムが現代のように躁うつ病の治療に用いられるようになったのはオーストラリアの精神科医ジョン・ケイドの功績によるよ。でも症状が改善する患者さんがいる一方、当時は血中濃度を測定できなかったから中にはリチウム中毒に陥り死亡したケースもあったよ。
【メタルのおまけ】
ちなみに血中リチウムの治療域は0.6-1.2mEq/lだよ。これが1.5mEq/lを超えると中毒症状が出現するんだ。リチウムの中毒症状としては食欲低下、吐き気、下痢、振戦、傾眠、錯乱、運動障害、発熱なんかが生じるよ。維持量が決まるまでは週に1-2回、維持量がきまったら月に1回程度は濃度を測った方がいいよ(PMDAの推奨)。
↓ニルヴァーナのリチウム、小生大好きです!
595.躁うつ病に対する炭酸リチウムの効果を科学的に証明したのはデンマークの精神科医モーゲンス・スコウだよ。彼は薬が本当に効くか確かめるためにリチウムと偽薬(プラセボ)を用意してコインを投げて割り振って投与したよ。いわゆるRCTを精神薬理学に初めて導入したんだ。
【メタルのおまけ】
ちなみにRCT(ランダム化対照試験)のはじまりは、イギリスのロザムステッド農業試験場で農学者のフィッシャーによってはじめられたよ。1920年代に肥料の農作物への影響をしらべたんだってさ(100年も前!)。ちなみに医学への応用は1948年に抗結核薬ストレプトマイシンの効果を検証するのに用いられたのが最初だよ。
↓コインで調べたら、もうこんなものが…。米国の商魂逞しいですね😅
【メタル君の考察】
今回は「リチウムの歴史」に関してツイートしたよ!
リチウムが今のように躁うつ病の治療薬として用いられるようになったのは比較的最近なんだよね。
でも、昔から鉱水は心身に好影響を与えると信じられてきたよね。
精神疾患の患者さんの療養先の多くは「名水」で有名な地域でもあるんだよね。
話はちょっとそれるけど、水道水に微量に含まれるリチウムが自殺のリスクを下げるんだって!
鹿冶さんの過去記事で紹介しているから、興味がある人は是非読んでみてね。
これからもマニアックな精神医学ネタをびしばし提供するぞ😆
↓久々に冒険に出たくなりましたが、ゲームをするには歳をとりすぎました…😭
【X(Twitter)】
X(Twitter)もやっています!宜しけば、絡んでくださいな☺️
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— 精神科医・鹿冶梟介(かやほうすけ) (@kayahosuke) March 22, 2022
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