育成就労制度の関係省令解説シリーズ〜送出機関 編〜
2025年9月26日の閣議決定、同年9月30日に公布された、育成就労制度の関係省令について、出入国在留管理庁(法務省)及び厚生労働省が公表している概略図をもとに解説していきたいと思います。
制度概要から少し具体的・実務的な部分について触れていきたいと思いますので、専門用語等が多くなりますが、予めご了承ください。
育成就労制度の関係省令等による制度見直しの全体像

今回はこのページの送出機関部分について解説していきます。
送出機関について
送出機関とは外国にある派遣会社になりますが、そこに紐付く日本語教育を行なう、日本語学校等も含まれます。
※派遣会社と日本語学校等を分類する用語として、「取次送出機関(派遣会社)」・「外国の準備機関(日本語学校等)」があります。
送出機関の要件の厳格化について
・徴収する費用について、算出基準を明確に定めてインターネット等により公表
・送出機関又はその役員が、過去5年以内に、育成就労実施者、監理支援機関等に対して、社会通念上相当と認められる程度を超えた金銭、物品その他の財産上の利益の供与や供応接待等をしていない 等
とあります。
まず、後者については、過去に「技能実習制度の闇〜外国送出機関 編〜」でも書いた通り、『日本側に対する利益供与や過剰な接待』に対する対策となります。
前者については、正直、育成就労外国人から徴収する費用をインターネットに公表したからどう変わるのか?というは分かりません。
また、送出機関に支払う全ての費用の上限が月給の2ヶ月分を超えてはならないと規制対象になっていますので、仮に初任給が月給20万円の場合は、40万円が上限となります。
但し、こちらも国によって人材の募集ルートが異なるため、「技能実習制度の闇〜外国送出機関 編〜」でも書いた通り、送出機関に行き着くまでの仲介者(※)などに発生する費用は、部分的に継続されてしまいそうです。
※ベトナム国などでは、ネット情報を信頼して応募というよりも、村長さんや知人を介し、その信頼をもとに応募するという方がいまだにいらっしゃいます。
仲介者を排除した人材募集を前提とした送出機関であれば、ネット広告など純広告での人材募集は費用対効果が悪いため、送り出した技能実習生や元技能実習生からの紹介などで募集をしていくことと、SNS上での活動が必須になると思います。
そのため、今後の送出機関(取次送出機関)の選定で、日本側がやっておきたいのは、FacebookやInstagram、TikTokなどで送出機関(取次送出機関)のSNSアカウントをチェックしておくことかと思います。
活発であればOK、アカウント自体がなければ疑ってみるというような見方も良いかもしれません。
日本側への影響について
上記の厳格化に対して、送出機関が日本側に対してどのように働きかけるのかについては、
・育成就労外国人の初任給の増額交渉
・入国前講習費や送出管理費(在籍期間中に日本側が毎月支払う費用)の値上げ交渉
上記の2点が予測されます。
これについては、外国側の要求を100%承諾するのではなく、適正な教育水準などを要求することも必要だと思います。
費用面について、特に要望が無かった場合でも見えないところでテキトーに対応されていたりするので、安心は出来ません。
送出機関内における、シェア率なども気にしておくことが必要です。
また、送出機関によっては、経営や業務オペレーションが未熟という部分も多く散見されますので、企業努力等で改善されれば良いなというのが正直なところです。
監理支援機関としては、送出機関の収益構造や経営体制、オペレーション等までチェック・判断できる能力を持っておくと良いでしょう。
更なる詳細について、送出国の関係法令の確認なども出てくるとは思いますが、今回は一旦ここまでとなります。
ご精読頂き、誠にありがとうございました。
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