見出し画像

04-2_【フェーズ1: リサーチ】 スタンスドリブンで見つける「本当にあなたを必要としている人」の探し方 (2)


記事4-1では、市場に存在する需要・競合・不満の構造を収集した。データは手元に揃っている。次にすることは、その中から「自分のスタンスと共鳴するもの」だけを選び取る作業だ。このシリーズではその作業を、スタンスフィルタリングと呼ぶ。


関連記事


  • 生データ採集と3分類の前提

  • スタンス文の設計手順

  • 絞り込んだ人物像の商品設計への接続


§1|スタンスフィルタリングとは何か


スタンスフィルタリングとは、「記事4-1で収集した市場データの中から、自分のスタンスと最も構造的に共鳴する不満の種類と人物の状況を特定する作業」だ。

市場全体の声を聞いた後に「自分が最も力を発揮できる場所」を一点に絞り込む工程、と言い換えてもいい。地図(市場データ)はすでに手元にある。あとは自分が今どこに立っているか(スタンス)を確認し、どこへ向かうかを決めるだけだ。

ただしこの工程に入る前に、2つの前提を整理しておく必要がある。これを飛ばすと、絞り込みを途中でやめたくなったり、絞り込んだ後に不安が戻ってきたりする。


前提1:「絞り込む」ことへの恐怖を先に解消する

「絞り込むと、届く人が減るのではないか」という感覚は多くの人が経験する。直感としては自然だが、実際には逆のことが起きる。

全員に届けようとした発信は、誰の目にも「自分への言葉」に見えない。人は無意識に「これは自分のための話ではない」と判断したとき、情報をスルーする。

「この人は自分のことを言っている」という感覚が生まれるのは、書き手が対象を絞り込んだときだ。受け手側では「刺さる」と表現されることもあるが、正確には「共鳴している」状態を指す。

絞り込みはリスクではない。コモディティ(どこにでもある情報・サービス)から抜け出す、ほぼ唯一の手段だ。

「副業・独立を目指す会社員」ではなく「やり方への違和感を持ちながら続けられなくなった人」を対象にした発信がなぜ届くのか。答えは「後者のほうが、対象となる人の人生に解像度が高い言葉を届けているから」に尽きる。


前提2:このステップの出力は「人物像」ではなく「構造」

スタンスフィルタリングの出力は、年齢・職業・家族構成などの属性ではない。「どんな状況に置かれ、何に不満を持ち、なぜ既存の解決策では満足できていないか」という構造を特定することが目的だ。

属性は後からついてくる副産物にすぎない。「35歳・会社員・副業収入月3万円」という情報は、その人がどんな痛みの構造を抱えているかを何も教えてくれない。「正しいやり方を完コピしようとするたびに、自分への嘘が積み重なって止まる」という構造は、年齢も職業も関係なく、同じ状況に置かれた人すべてに共鳴する。

構造を特定することで、発信・商品・言葉は「特定の属性の人だけ」ではなく「同じ構造の痛みを持つすべての人」に届くようになる。

同じ痛みを持つすべての方へ


§2|スタンスフィルタリングの3ステップ


全体の流れを先に示す。

  • ステップ1:不満の種類でフィルタリングする(どの不満にスタンスが最も共鳴するかを選ぶ)

  • ステップ2:「その不満を持つ人」の状況を具体化する(4問のワーク)

  • ステップ3:「自然体で届けられるか」の最終確認(3問)

この3ステップは順番通りに進める。飛ばさない。ステップ3で詰まったとき、原因はほぼ必ずステップ1かステップ2にある。

スタンスでフィルタリングすると?

ステップ1:不満の種類でフィルタリングする

記事4-1で分類した市場の不満には、3つの種類がある。

  • 種類A:「方法が合わない」不満 —— 学んだ方法が自分のスタイル・状況・能力と合わない

  • 種類B:「続けられない」不満 —— 一時的にはできるが、継続できない構造的な問題がある

  • 種類C:「価値観が合わない」不満 —— やり方や前提そのものへの違和感・嫌悪がある

ここで立てる問いは一つだ。

「自分のスタンスが最も力を発揮するのはどの種類か?」

判断基準は以下の通りだ。

種類Aに自分のスタンスが機能するのは、「自分がやりたくない方法」の逆が「方法が合わないと感じている人」への答えになる場合だ。たとえば「高圧的なセールスをやりたくない」というスタンスがあるなら、「押し売りされることへの不満」を持つ層に、そのスタンスは構造的に共鳴する。

種類Bに自分のスタンスが機能するのは、「継続できない構造」そのものが自分のスタンスの射程にある場合だ。「やり続けることが前提の方法論には加担したくない」というスタンスがあるなら、「続けようとするほど消耗する」という状況の人に、そのスタンスは構造的に共鳴する。

種類Cに自分のスタンスが機能するのは、最も強力なパターンだ。価値観への不満とは、「なぜそのやり方なのか」という問いへの答えが得られていない状態を指す。自分のスタンスとその人の価値観が一致したとき、最も深い共鳴が生まれる。価格・機能で比較される競争から抜け出し、「この人から受け取りたい」という関係が生まれるのはこの状態だ。



ステップ1のワーク:

ここから先は

7,878字 / 7画像 / 3ファイル
「やりたくないこと」から逆算する独自の起点で、迷わず判断できる軸を手に入れられます。 フェーズ0〜6の全体設計図に沿うだけでリサーチから運用改善まで一気通貫で組み立てられ、情報販売・コーチング・リアル店舗の3業態別ケーススタディで自分の業態に当てはめやすい構成です。 各記事にワークシート付きで、読むだけでなく手を動かして言語化できます。 マガジン購入者は今後リリース予定のAIワークフロー特化記事(記事11)も追加料金なしで読めます。

「やりたくないこと」から逆算した在り方(スタンス)を軸に、ビジネス全体を設計するガイドです。 特に個人やスモールビジネスにフィットする内…

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?